こんにちは、あなたの心に寄り添う自分軸アドバイザー、ユキーナ ・サントスこと富塚祐子です。

今回は冒頭に、稲盛氏が「すむ世界を変える」と題して次のようなお話をされています。

赤字企業と黒字企業には経営努力や従業員の働きの点で、大きな違いがあるわけではありません。いずれの企業でも懸命に努力をしています。しかし赤字企業が黒字企業と同じ努力を続けていては、いつまでも現状を打破することはできません。赤字企業は一気呵成に大変な努力を払う必要があるのです。例えば黒字企業の何倍ものコストダウンに集中的に取り込むことで、黒字化を果たし、競合企業をキャッチアップすることができます。このように一気に現状改革を図ることを「すむ世界を変える」というのです。

 

→低収益の現状を打破できないとすると、それはその会社の社長自身が

「すむ世界を変えなくても良い」、と思っているからです。

今回は、すむ世界を変える、「高収益世界」に住むために必要なことを考えてみました。

そのポイントは次のようなことです。

1  借金返済を決意する

2  税金を払う覚悟をする

3  安定成長のための財務体質強化

4  近未来の経費負担に耐える

5  新規事業に躊躇なく踏み出す

6  企業買収のチャンスを逃さない

7 労働とお金について考える

 

1  借金返済を決意する

稲盛氏は、京セラを創業したときに出資をいただいた方々に、1日でも早く借金を返済しようと思われたそうです。

 

「(最終利益が少ない)そうであるならば、倍の6百万円の利益を出せば良い。今の10%の利益率を20%にすれば何も問題はない、そのように気づいたことが、京セラを高収益企業にしていこうと思った原点になったのです。初年度の決算が終わった時に、借金を早く返すために20%位の税引き前利益率を出そうと強く思いました。利益率20%が可能だとか、不可能だとかいう問題ではありません。借金返済のためには、高収益がどうしても必要だから、そう強く思っただけのことです。」

→ いつも稲盛氏がおっしゃられている、潜在意識に透徹するほどの強烈な願望を抱く、これが表れているように思います。そしてその根底には、出資をしてくださった方に恩返しをしたい、早くその恩に報いたいという思いが見て取れます。やはり、毎回、稲盛氏のお話でも出てきていますが、「思い」がいかに大切かと思います。

 

2  税金を払う覚悟をする

稲盛氏自身も国家に対してとてもネガティブな思いを持っていらっしゃいました。

「国というのは、時代劇に出てくる悪代官みたいなもので、みんなが怒るのも無理は無い、我々庶民を痛めつけて税金をむしり取る」

「(中小企業の社長には」税金を払いたくないばかりに利益を減らそうとふと考える方もいらっしゃると思います。「汗水たらして頑張ったのに、何の手伝いもしてくれなかった国に税金を取られる位なら、自分たちで使ってしまったほうがいい。設備をもっと買おう。交際費をもっと使おう。従業員に臨時ボーナスを出そうなどと利益を減らすことを考えている人もいるはずです。…、本当は税金がけしからんから、その税金から逃れようとしているだけで、決して低収益を望んでいたのではありません。しかし結果として、その経営者のメンタリティーが低収益経営をもたらすことになってしまうのです。・・・・

私は借金を早く返そうと強く思っただけで、脱税しようともしなかったし、無駄な投資をしたり、役員や従業員と利益を山分けしようとも考えたりはしませんでした。さらに会社の収益性を上げて、もっと多く利益を残すようにしよう、そうすれば3年で借金を返せると、ただ素朴にそれだけを考えていたのです。」

 

→ 潜在意識の働きを考えますと、税金を払いたくない、という思いがあると、高収益とは反対の方向に行動が向いていきます。収入をできるだけ多くして、経費をできるだけ少なくする、こうすると高収益体質となります。けれども、税金を払いたくない、これが潜在意識に浸透すると収入をできるだけ少なくして、経費をできるだけ多くしようというマインドになります。トップの潜在意識がまさに数字に現れてくるのです。

 

ありがたいことに、私は海外で勉強し、仕事をする機会をいただきました。

今の時代に、日本で生まれたことを大変ありがたく思っています。

これまでの日本人が、人間として素晴らしい考え方を持ち、行動してくださったので、世界の人々の日本人に対する評価がとても高いのです。私はこれをジャパン・クレジット(日本人の信用)と思っています。ですから私は、税金は、このジャパン・クレジットを使わせていただく、当たり前の対価だと捉えるようにしています。

 

3  安定成長のための財務体質強化

「高成長をとりながら無借金経営で行くというのは、まさに高収益でなければできない芸当です。高収益が借入金返済を可能にし、無借金経営を実現していく。また、高収益により内部留保を増やし、自己資本比率を高めていく。さらには高収益により、キャッシュフローが高まり、設備等への投資資金を豊かなものにしていく。つまり高収益が企業の財務体質を強化し、企業の安定した成長発展を可能とするのです。このように、財務体質を強化することが企業の安定成長もたらす。だからこそ企業は高収益でなければならない。」

 

→ 先日、飲食業の社長様のお話をお伺いする機会がありました。やはり飲食業の場合は、(店舗の)立地に尽きるとおっしゃっています。弊社の主要ビジネスは不動産です。私は過去30年以上も不動産をずっと見続けています。その中でも、立地の大切さは毎回、痛感することです。話がそれますが、かくいう私も、沖縄では大変上等な立地の物件に住まいを構えています。景色や風通し、周辺の環境を考えますと、この物件が、私の仕事効率やイマジネーションに与える影響は計り知れません。これも、立地がその不動産から出てくる人や企業の活動にいかに大きなプラスのエネルギーを与えるか、ということだと思います。

 

一方コロナで、この先おそらく出てこないであろう、と思われる大変良い立地の物件なども出てきています。店舗のスペースなども今は競合がほとんどいない状態です。潤沢な内部留保があれば、この時期に最高の立地を確保し、フリーレントや、非常に安い賃料の設定など、借主優位で賃貸借契約をまくことができます。これが、その後の企業の成長に大きくプラスになるものと思われます。どのような業界でも、高収益がいかに大切か、を思います。

4  近未来の経費負担に耐える

高収益というのは、例えば将来上昇していくであろう人件費、つまり近未来のコスト上昇に対して保証ができるということです。例えば15%の利益率があって、毎年3%と人件費が上がっていくとすれば、何の手も打たなくても、5年間は賃金上昇に耐えられるような力を持っていることになります。つまり利益率とは近未来に起こってくるであろう経費負担に耐えられる度合いを示すものなのです。また、景気変動によって売り上げが減少した場合、当然利益に跳ね返ってきます。高収益であった場合には、そのような景気変動に対する耐久力を備えることにもなります。」

 

→この先、いわゆるオフィスでの仕事は減っていくでしょう。その分、人々が在宅で働くことも多くなり、在宅ワークに対しての補助や制度を整えるためのコストがかさんでくるかもしれません。また、DXや新たなプラットフォーム導入などに、予想外にコストがかかるかもしれません。数年前までは全く考えられなかった、新しい経費項目が出てくる可能性もあります。このような不安要素を考えても、それでも従業員の雇用を守りたい、このように思うと経営を安定させようというマインドが出てきます。経営を安定させようという思いから、高収益企業にするための行動が出てくるのだと思います。

5  新規事業に躊躇なく踏み出す

京セラが、ファインセラミックスの事業だけではなく、切削工具、再結晶宝石、人工歯根、太陽電池に進出して多角化を図った話がされています。

「世間ではよく、貧すれば鈍する、というように本業が低収益で利益が出ないがために新規事業に手を出して、むしろそれが赤字のさらなる拡大を招き、ついには命取りになってしまうという例が往々にしてあります。しかしそうではありません。本業が高収益であればこそ、新規事業という茨の道に踏み出すことができ、その道をずっと歩み続けることができるのです。」

 

→地に足をつけて頑張ること、本業の改善の余地を考えること、これがいかに大切かと思います。

 

6  企業買収のチャンスを逃さない

電気通信事業参画(KDDI)について稲盛氏はこのようにお話されています。

「これはリスクの高い事業だが、自分は第二電電をどうしてもやりたいと思う。もし事業が軌道に乗らず、京セラに負担をかけることになったとしても、一千億円位の負担までは認めて欲しい。…(失敗すれば、)一千億円の損失が出るのです。たとえ本業で200億円の利益を出したとしても、単年度で800億円という膨大な赤字を計上してしまうことになります。(しかしこの一千億円は内部留保からの出資なので)1年だけは大赤字の決算となりますが、翌年からはまた従来と同じように15%ないし20%の利益を出していくことができます。・・・戦後の経営史においても特筆されるような、一大経営判断ができた理由は、私に勇気があったからではありません。高収益を通じた備えがあったからこそ、できたことなのです。世間からはなんとリスキーな(判断)と思われたかもしれません。しかし私にしてみればあくまでも土俵の真ん中で相撲とっていたのです。・・・当時、京セラが投資をしたお金が現在ではKDDIの株式として、時価にしますと6800億円を超える金額になっています。そして半期でおよそ130億円という非常に高い配当を京セラは受けられるようになっています。

 

→ コロナで、不動産からの収入や、配当収入などで経営を安定させている方もいらっしゃるのではないかと思います。稲盛氏もこのようにして、本業からの収支とは別に、安定した収入源を目指されていたということがわかります。

 

7 労働とお金について考える

稲盛氏が、適正な利益率についてお話をされています。製造業と他の業界を比較されています。

 

(銀行に対して)、人・モノ・金そして知恵などあらゆる経営資源を駆使している製造業が、その当時の貸出金利を下回る、たった3%ないし4%しか稼げないということではあまりに馬鹿げていると私は正直思いました。メーカーが必要な設備を整え、原材料仕入れ、電気やガスなどのエネルギーを使いながら製品を製造し、市場で販売し売り上げを上げようとします。広範にわたる事業した結果として利益率が3%ないし4%しかない。一方、銀行は資金をある一社に貸し出せば、後は何もしなくても6%ないし8%の利益が当時は出ました。・・・(製造業の利益は)ただ単にお金を貸して稼いでいる人たちの、少なくとも2倍や3倍ぐらいあってもおかしくはないはずだ。実際にわれわれはそれだけの価値を世に提供しているはずだ。科学技術を通じ、また熟練の技を通じ、社会に新しい価値を見出し続けているではないか、と強く思ったのです。

 

→ ここから、稲盛氏の考え、経常利益10%以上という一つの判断指標が出てきます。京セラフィロソフィーの中でも、稲盛氏はおっしゃっています。30年40年という長いスパンで見ると、人生の辻褄が合っているとおっしゃっています。どのようなことかといいますと、6% 7%という高金利時代は、数十年前に既に終りました。今は低金利時代で、お金の価値自体が見直されてきています。このような流れを受けて、仮想通貨なども出てきています。今どこの銀行も、この先の自分の生き方、サバイバルを模索していると思います。日本だけではなく海外でも同じです。3月末に起こった投資ファンドの巨額の損失なども、銀行が、金利が低くて稼げなくなっているので起こった出来事です。銀行は、金利が高い時代に、順境によく耐えて、低金利になっても銀行が生き延びることができる仕組みを作らなければならなかったのです。けれどもそこにあぐらをかいて、傲慢に振る舞っていた結果が、今の銀行金融業界だと思います。結果としては、適正な利益率を目指したものが生き残って、制度や仕組みに頼っていた人(順境に耐えられなかった人)は滅んでいっていると思います。

 

さて、高収益企業世界に行くには、次のようなことが必要だと思います。

 

1  借金返済を決意する

2  税金を払う覚悟をする

3  安定成長のための財務体質強化

4  近未来の経費負担に耐える

5  新規事業に躊躇なく踏み出す

6  企業買収のチャンスを逃さない

7 労働とお金について考える

 

そのうち特に重要なのは、やはり根本のマインドを変えることと、お金や働くことについてフィロソフィー、哲学を持っていることだと思います。

哲学を持って、高収益企業を目指したいと思いました。

ちなみに弊社の経常利益率は40%を超えています。これを、将来のスタッフたちのために、お客様のために、この先未来永劫維持しようと、心に決めました。

今日も最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

 

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