なぜ売価還元なのか？―フィロソフィ「採算の向上を支える５・６＿『アメーバ経営と売価還元原価法による原価の考え方』」―

こんにちは、あなたの心に寄り添う自分軸アドバイザー、ユキーナ ・サントスこと富塚祐子です。

今回は、標記のテーマで、稲盛氏が次のように経営（会計）の要諦をお話されています。

稲盛氏のお言葉は「」で引用させていただいています。

 

「アメーバ経営は原価がずっと同じことはありえないと考え、

常にあらゆる工夫をしてコストダウンをするようにしている。

いくらマーケットにおける 売価が下がろうと必ず採算を確保できるように

常に経費を減らし、生産性を上げる工夫がうながされるようになっている。」

ここでは、稲盛氏が、原価の考え方の基本的な姿勢をお話しています。

原価の把握にあたっては、特に次の点を重要な点として説明されています。

 

 

ひとつづつ説明します。

 

１　物の市場価値を考える

「決算時の在庫評価を標準原価計算で行うと経営の実態を表せないことがある。

つまり在庫品の中に原価がすでに売価よりも高くなっているもの、

売ったら損をするというものも出てくるのである。

例えば一個300円で問屋に卸していた売れ筋製品があり、この原価は250円とする。

ところが追随してきた類似品が市場に出回ってくると末端価格は急速に下がる。

そうすると次の新製品が導入できるまで、

問屋のマージンは保証してでも市場のシェアを維持しようと

思い切って値下げして200円で問屋に出すということも起こる。

この場合、期末時点で残った在庫は、決算上は元の原価のまま

250円で計上され、そのベースで税金を払うのが普通である。」

 

→弊社は不動産の市場価値を把握する仕事をしています。

その際に、市場価値とは何か、ということいつも考えるようにしています。

まず、市場ありき、で市場価格の高低差と対応させて、

タイムリーに採算と会社の収支状況を把握する、

ということがとても大切だと思います。

これを月次でやることで、フィロソフィの考え方を再確認し、

自分達がどこを目指しているのか、そして今、どこにいるのかがわかります。

 

２　在庫評価を考える

「この意味で売価還元原価法は製品の市場販売価格と

実際の製造コストとの関係に基づいたものであり、

また、常に発生しうる価格の低落を在庫評価に自動的に織り込むことができるものである。

どのような方式の原価計算をいかに正確にしても、

過去の原価に固執して在庫評価をすることは、経営を見誤らせてしまう。

そうであれば市場の変動を最も敏感に反映する売価還元原価法は、

経営者が正確な在庫評価をするために適した方法であると言える。」

 

→我々の業界に置き換えますと、受注があると思って、

ある案件に取り組んでも、最終的に仕事がもらえないこともあります。

その場合、その案件にかけた時間や経費は埋没コストとなります。

このような部分も考えて、値決めを行うことが大切であり、

収益性を確保するために、「案件を見極める指標」が必要だと思いました。

 

３　創意工夫をこらす

「お客様が喜んでくれる最高の値段で値決めをするけれども、

諸々の経費が発生し、利潤が減っていく。

ならば、原価はどこまで安くできるかということを徹底して

考え尽くさなければならない。

それなのに、原価は積み上げ方式で決まっていると思い込んでいる。

それでは経営が圧迫されるのは当たり前である。

・・・原材料を安く仕入れるところを調べ、それでも限界があるなら

VA (バリューアナリシス)を行い、設計そのものから見直し、

1000円で作っても利益が出せるような仕様に変えていく。

現代は市場が決めた売値で採算が合うように、

技術や設計を工夫していかなければならない時代なのである。」

 

→　さらに、あらゆる部分で、原価をいかに抑えることができるか、

ここに創意工夫をこらそうと思います。

「これは、こうなるもの、こう考えるのが当たり前」

という先入観で取り組むのではなく、必ず下げることができる、

という信念をもって、丁寧に見直していく、

創意工夫を大切にするようにしたいと思います。

 

まとめますと、

 

 

 

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今日も最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

 

 

 

 

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