こんにちは、あなたの心に寄り添う自分軸アドバイザー、ユキーナ ・サントスこと富塚祐子です。

今回は、「土俵の真ん中で相撲を取る」というテーマについて、稲盛氏が次のようにお話しされています。

「『土俵の真ん中で相撲取る』とは、常に土俵の真ん中を土俵際だと思って、

一歩もひけないという気持ちで仕事に当たるということです。納期というものを例にとると、

お客様の納期に合わせて製品を完成させると考えるのではなく、納期の何日も前に完成日を設定し、

これを土俵際と考えて、渾身の力を振り絞って、その納期を守ろうとすることです。

そうすれば、万一、予期しないトラブルが発生しても、まだ土俵際までには余裕があるため、

十分な対応が可能となり、お客様に迷惑をおかけする事はありません。このように私たちは、

常に安全弁をおきながら、確実に仕事を進めていく必要があります。」

→ 土俵の真ん中で相撲を取るとは、このように余裕を持って仕事を行うことです。

けれども、それが実行できない人がいます。

先日、自己破産をした方が書かれた自伝的なエッセイを読みました。

そこで、稲盛氏が次にお話をされてるような「金策に走る」例をたくさんお話しされていました。

その方の生い立ちや境遇、心理状態などをもとに、余裕を持った行動ができない理由を考えてみました。

その方の心理や潜在意識に次のような意識や思いがあると、ぎりぎりになって金策に走ることになります。

1 金策= 英雄 かっこいい

2 被害者意識

3 奪う意識

 

金策に走っている経営者に対して、稲盛氏はこのようにおっしゃっています。

「中小零細企業の経営者は、売掛金の回収が遅れたり、手形決済の期日が迫っていたりと、

常に金策に追われています。夜中に友人のところに走っていっては、

『何とか50万円、都合をつけてもらえないだろうか。どうしても明日中にその金額を用意しなければ、

手形が落ちなくなって倒産してしまう』と頼み込む。あるいは銀行に走って、

何とか金を貸してもらおうと頭を下げる。しかしながら、なかなか貸してもらえず、

期限が迫る中、青色吐息で走り回っている。そのような経営者を皆さんも見かけたことがあると思います。

そして、一生懸命、金策に走り回って何とか手形を落とすと、そこで満足してしまって、

何か大きな仕事をしたような気になっているわけです。

しかしながら、手形は落ちて当然であって、その経営者は良いことをした訳でも

プラスになるようなことをしたわけでもありません。それなのに、

あたかも自分はいっぱしの事業家であるかのような顔をする。私はそのような人を見ると、

次のように思ったものです。『手形の落ちる日は前から決まっているし、

それ以前にお金の準備をしなければならないことくらいわかるはずだ。なのに、

どうしてギリギリになってから走り出すのだろう』そういう人に限って、

『人からかりられるはずだったのが、その人の都合がつかなくなった』などと、

必ず言い訳をします。しかし、私は、これはおかしいと思います。

金策だけではありません。納期の問題でも同じことです。」

→ 上記の稲盛氏のお言葉から、金策に走る方の心理がわかります。

土俵際まで追いつめられる方には、次のような特徴があります。

1. 英雄(ヒーロー) 願望

私が読んだ本の著者、自己破産した方は、小さい時から、

その方のお父さんが月末になると金策に走っていたといいます。そしてピンチを切り抜けた、

という自慢話を何度も聞かされたと書かれていました。

金策に走ることで、自分の存在意義を示そうとする。

そうすると人の無意識はピンチを作り出します。

無意識ですが、ギリギリになって走り出す人には、このような思いが見て取れます。

2. 被害者意識

いつも金策に追われていると、次のようなイメージが定着します。

お金がない、

=虐げられている

=社会からの援助が得られない

=気の毒な人たち

 

自分たちは、被害者である、このような思いがとても強いと、どのようなことがあっても、

自分たちが被害者だという事実を作り出すことになります。ですので、自分自身の思いや、

潜在意識の中に抱いているイメージを変えていく必要があります。

3. 奪う意識

これも2番目と関連しています。

自分たちは、これほど虐げられている被害者なのだから、

他から奪って当たり前である、このような意識も見て取れます。

そうすると、無意識のうちに、自らを破産に追い込んだり、借金に借金を重ねたりしていきます。

心がいかに大切かということを考えます。

稲盛氏は、このようにおっしゃっています。

「『土俵の真ん中で相撲取る』という事は、『余裕のある時に全力でこれにあたる』ということです。

他の事業に手を出すのなら、体力のある時にやる。順調に行っている間は安心して何もせず、

悪くなってから、ようやく手を打とうとするから、条件も悪くなってしまうのです。

大技をかけようと思うなら、絶好調の時にかける、これが『土俵の真ん中で相撲を取る』という意味なのです。

→ まずは、私たち一人一人が、「自分の人生はかけがえのない、素晴らしいものだ」と

考えなければいけないと思います。自分の人生を大切にできれば、やけになる気持ち、

自暴自棄になる気持ちを抑えることができます。そのためには、

リーダーがいかに愛情を持ってスタッフに接するか、ここが大切になってくると思います。

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