こんにちは、あなたの心に寄り添う不動産・投資アドバイザー、ユキーナ ・サントスこと富塚祐子です。

これも、最近聞かれた内容ですので、ここでまとめて、考え方についてお話をしておきます。

特に、飲食のテナントさんから、退去したいと言われた場合の話について考えます。

まず、今のテナントさんの家賃が相場と比べて高いのか低いのか考えます。大家さんにとって、このテナントさんが、その賃貸物件に入ることがプラスなのかマイナスなのか、これを今一度、真剣に考えるのです。

わかりやすく例を設定します。
賃料の相場は20としましょう。
このテナントさんが払っている賃料が10だとします。

そしてこのコロナの影響で1年間空室であったと仮定しましょう。

もちろんこれらは仮定ですから、ご自身できちんとデータを調べられて、仮定の数字を、また納得できる数値に置き換えてみてください。

分析には、ある一定の期間を決めることが大切です。この先5年間と期間を決めて分析してみます。

今のテナントさんが、この先5年間この物件にいる このことから得られる経済的価値は、10 × 12 × 5= 600です。

一方、今のテナントさんに出て行ってもらって、この場所を相場の賃料で貸した場合のこの先5年間の経済的価値を考えます。20 × 12 × 5 = 1200 となります。しかし、最初の1年間は空室ですから、1年間分(240)を引きます。

1200 − 240ですので、すべての経済価値の合計は960となります。

ここは、単純化のために、複利原価の考えを入れていません。厳密には将来受け取る価値ですので現在価値に割り引くことが必要になります。現在価値の考えが? と言う方は、スルーしていただいて結構です。今回それほど大切な要因にはなりません。

そうすると、600と960とどちらを取るのがお得か?という事ですね。

それでも、1年間で次のテナントが埋まるのか、次のテナントがいわゆる相場の家賃で入ってくれるのか?これはとても心配になると思います。

それであれば、空室の期間を伸ばすなり、相場の家賃を1割2割下げて考えてみればいいのです。

仮に空室の期間が2年、相場の家賃が2割落ちたと仮定しましょう。下落した相場の家賃は16となります。

大家さんが受け取る経済価値は16 × 12 × 3 = 576となります。

こう考えると、最初の600よりも減ってしまいますから、このまま、今の人たちにいてもらったら良いのではないかと言う結論になります。

そこで、考えていただきたいのは、最有効使用という考え方です。

これは何かというと、ある土地があります。その土地の潜在能力を最大限に生かすのはどのような使い方か、という考え方です。

立地は駅前、容積率は500%ある。そこに平屋の住宅が立っていたら、その土地が持っている潜在能力を引き出しているとは言えません。高層のマンションや、店舗とマンションが合わさった建物を建てたら、たくさん家賃が入ってきます。

平屋の住宅を建てていたら、1年間12の賃料しか上がってこないとします。けれども土地を目一杯使って高層のマンションを建てたら、1年間に180の賃料が入ってきます。さてどちらを選びますか?という話です。 もちろん、高層のマンションには建築費がかかります。大家としては建築費と建物の維持管理費や修繕費、高くなった税金などを考えなければいけません。

けれども、物件からの上がり(総収益)で見たら、単純に180倍も違うのです。

そうすると、店舗として貸せなくなっても、このような最有効使用ができるのであれば、それの方がむしろありがたいと思いませんか?コロナの後は建築費も下がると思われます。銀行の融資が厳しくなるでしょう。けれども、立地が良くてテナントがしっかり見込めるところであれば、ある程度、銀行が融資してくれると思われます。

そうすると、今ある店舗のテナントが出たとしても、住宅として貸せる、高層マンション用地になる、駐車場として貸せる、もっとお金を生み出す使い方がわかれば、大家さんの不安が少なくなりますね。

ご自分で相場等から計算してみても良いでしょう。場合によっては専門家の意見を聞くことも大切ですね。

住宅地図と都市計画図の写し、謄本と公図を持って、専門家のところに行って、この土地は更地ですが、何を建てるのが良いでしょうかね?と聞いてみたらいいと思います。不動産屋さん、不動産鑑定士、ちがう見方がありますから、どちらにも聞いてみたらいいでしょう。

しっかり説明してくれる専門家には、簡単な収支分析をお願いしてもよろしいのではないでしょうか?

あともう一つ、大家さんに考えておいていただきたいことがあります。それは、普通借家の場合のテナントの立ち退きの難しさです。普通借家の場合、今のテナントが家賃を払い続けているのであれば、基本的にテナントを立ち退かせる法律的な根拠はありません。

調停や裁判などをやって、じりじりと立ち退きにもっていく事が理想的です。その場合でも何年かかるかわかりません。数ヶ月で話が済む場合もありますし、数年かかる場合もあります。数年かけてもでていくかどうかの保証はありません。

そこまでしてなぜ、テナントを立ち退かすのか?という事ですが、それはもちろん、さっきの12が180になる理屈です。せっかくお金を生み出すことができる土地がある。それがほんとにわずかなお金しか生み出していない。なぜか?今のテナントがいるからです。

地主としては、その土地が最大限の力を発揮してくれるような使い方にしたいわけです。それができないので、できるようにテナントさんと話をしていくのです。

コロナの影響で、特別なお話し合いをしなくても、テナントが出てくれる、というのであれば、これ以上ありがたい話は無い、と私は思うのですが…

さてまとめますと、今ある飲食のテナントから、ここから出たいと言われた、あるいは家賃を減額したいと言われた、どうすればいいのかという事ですね。

1 今、払ってる家賃と相場家賃との差を見てみる。そして計算を具体的にやってみる。空室や新しい賃料の見方は、自分で調べて、自分の不安が少なくなるところに落とせば良いでしょう。

2 次のテナントを考えるときには、その土地の使い方自体を考えてみる。飲食でなくても他に使い方があるのではないか?これを適宜専門家の意見なども聞いて考えてみる。

3 そして、これまでのそのテナントとの人間関係を考えてみる。嫌がらせをされた事は無いのか? 賃料をしっかり払ってくれているのか? 物件の使い方はどうなのか? 不審なことはないか?など

前回の項目でも書きましたが、相場と同じか、あるいは相場以上の賃料を払ってくれて、物件をきれいに使ってくれている、このようなテナントさんを追い出す理由はありません。

家賃の値下げ要求、受けるべきかどうか? 大家のメンタルがカギ

 

このようなテナントさん追い出して、このテナントさんよりも良いテナントさんが入ってくれる可能性は高くないでしょう。今のテナント追い出してまで、求めるメリットがありません。ですからその場合には、どうすれば今のテナントさんにその物件にいてもらえるのか? これを考えましょう。

この1から3までをしっかりやっていく中で、大家さんの心が決まってくるのではないかと思います。

それでも決心がつかない、その場合の話をまた書きます。

 

今日も最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

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