こんにちは、あなたの心に寄り添う自分軸アドバイザー、ユキーナ ・サントスこと富塚祐子です。

東京など、内地はめっきり寒くなったようですね。

まだまだ半そででいられる沖縄から配信です。

先日、マレーシアに住む日本人の方とZoomでお話をしました。のんびりしたところに住むと、もう東京での生活はできないね・・・という話で意気投合しました。

生活は「慣れ」ですから、おそらく何とかなると思います。

けれども沖縄生活から離れると、失うものも大きいのかな・・そんな気がしています・

人間の終わり、マナ読「道ありき」三浦綾子著

今回お伝えしたいのは、この三浦綾子さんの著書です。

三浦綾子さんといえば、キリスト教関係の本、「生と死」について取り上げられている作家さんとして有名です。

 

この本の話をする前に、先日、科学者の武田邦彦先生がおっしゃっていた内容が印象的でした。

それを皆さんと共有したいと思います。

 

武田先生は大学でも物理学を教えてらっしゃいました。

10年以上、学生さんを教えられての経験をお話しになっています。

武田先生のお考えでは、人間は、強制されない方が勉強する。

点数をつけない方が自発的に勉強するようになる、そうです。

ですので、武田先生の授業は、試験であまり点数をつけなかったそうです。

答案に一定のボリュームの文をかけば、それが数値化して、点数をつけていたということです。その方が、生徒さんが自ら勉強していました。

それでも、一年のうち数人は、救いようがない生徒さんがいたそうです。

授業は全く出てこない、宿題や提出物も一切出さない、呼び出して話を聞くと、言い訳ばかりが上手で、全くやる気にならない。

こんな生徒さんを、個別に呼び出して、このようにお話をされたようです。

「もう、僕は、君の面倒を見きれない。そして僕は究極的には、君の人生の責任は取れない。だからこうしよう。君が欲しい点数を言ってくれ、その点数をあげるから。。。さぁ、何点か言ってくれ!」

こう問かけると、生徒は決まって、「いや先生、ちょっと待ってください、レポートを出します」、というそうです。

「いや、レポート出すっていったって、今まで何度も君、そうやって嘘をついてきたじゃないか?僕も忙しいのに、教務に何度も確認して、君がレポートを出したか出さないかチェックするのも嫌だから・・・さあ、早く、何点ほしいか言ってくれ。。。」

このように言うと、生徒は必ずレポートを出す、あるいは必修科目になっている武田先生の授業を翌年、また受けるそうです。

「人間というのは、やはり魂があるのだなと思った、自分の魂を問われると、そこに嘘がつけなくなる」

武田先生は、このような御趣旨のことをおっしゃっていました。

 

「中国人の生徒がいた。僕はこの生徒は、先生、点数をくださいというと思っていた、授業はサボる、提出物を出さない、何かと言って、色々と言い訳をつける、屁理屈をこねる、だから点数をくださいというと思っていた。…、だけどね、この中国人の学生も、点数をくださいとは言わなかった、そしてレポートを出しますと言った…だから、人間というのは、やはり自分の魂を問われたら、それに反する事はできないのだと思う」

このようなお話でした。

なるほどなぁ、と思ってお伺いしていました。

生徒はおそらく、見放されたと思ったのでしょう。

潜在意識の動きを考えると、このレポートを出さない生徒達の心にあるのは、寂しさです。

自分にかまって欲しいのです。

出来が良ければ褒められる、愛される、

けれども、出来が悪い自分にはそれはできない。

成績の悪い自分が、構ってもらうにはどうしたらいいのか?

 

「困ったちゃん」になって、大人の注目を集めることです。

 

「見捨てられたくない、自分を見て欲しい」

それだから無意識的に、怒られることを繰り返すのです。

けれども、武田先生がここでやった事は、自分と他人との境界線をバシッとひく事でした。あなたは、自分の責任は自分で取りなさい。私はあなたの人生がどうなろうと、私の知ったことでは無いから…と引導を渡されたわけです。

そこで学生は、自分が生きるか死ぬかの選択を迫られるような気がするのではないでしょうか?

大げさなように聞こえるかもしれませんが、実際はそうではないかと思うのです。

武田先生が教えてきた中で、ただの1人も、「点数をください」と言った生徒はいなかったそうです。

引導を渡され、「それならば私は、自分で落ちるところまで落ちます」と言って、

人間として堕落していった学生はいなかった、そういうことだと思います。

この話を聞いているうちに、思い出したフレーズがありました。

それは、「人間としての本当の終わり」というフレーズです。

このフレーズを見たのは、三浦綾子さんの著書「道ありき」でした。

道ありき (青春篇) (新潮文庫)

綾子さんは、若い時に病気を患います。何度も死を考えたそうです。

そこで、あるクリスチャンの青年に出会うわけです。その方も、治らない病気を抱えていました。

その方が、自殺をしようとした綾子さんに「綾ちゃんは、生きなければならない」と言うのです。

 

「この人が、自分の命をかけて、私に愛を教えようとしている。この人が信じ、そして命をかけて私に教えようとしたキリスト教というものを、信じてみようと思った。・・・それを信じることができなければ、それは私という人間の本当の終わりのような気がしたのである」

本が手元にないので、うろ覚えで皆さんにお伝えしています。ですので、私のデフォルメの入った表現だということをご了承ください。

このように綾子さんはおっしゃっていました。

人間としての本当の終わり、私の意識の中には、強烈にこの言葉が残りました。

今でも鮮明に覚えていますが、私はこの本を、大学に通う小田急線の中で読んでいました。当時の私は、生きるという事に悩んでいたのだと思います。

「全身全霊かけて」と人は表現します。

全身全霊かけて勉強する、ものを作る、仕事に打ち込む。。。などなど、色々と表現はあるかと思います。

ですが、全身全霊をかけて、ある人を愛するということが、果たしてできるのでしょうか?

当時の私は、そして今もですが、このようなことに悩んでいました。

綾子さんに、「生きなければならない」と伝えた青年は、まさに全身全霊をかけて、このメッセージを綾子さんに伝えたわけです。

そのエネルギーが綾子さんに伝わって、生きていく活力になりました。

「鬼滅の刃」で言えば、全集中の呼吸で、エネルギーがマックスの状態から、

メッセージを発するようなものでしょう。。

その状態でメッセージをもらう、相手からエネルギーをもらう、それを受け取ることができなければ、自分が人間としてもう終わっている、そんな意味だと思います。

話がどんどん逸れていって恐縮ですが、鬼殺隊から、全身全霊をかけて、首を切ってもらうから、鬼は死ぬことができるわけです。

鬼というのは、ある意味、人間の魂をなくしてしまった状態なのでしょう。

 

だから、全身全霊をかけて、エネルギーを注いでもらい、自分の魂を少しずつ取り戻していくのかもしれません。

武田先生の話から、人間としての終わり、について考えました。

人間としての終わりは、人としての魂をなくしてしまうことです。

けれどもそこにも救いはあります。

全身全霊かけて自分に向かってくるメッセージ、それを受け取ることができると、人間としての魂が戻ってくるのではないかと思いました。

20代の頃の自分は、自分の魂を売るような仕事が嫌でした。

自分はこうだと思っている、

あるいは、法律や理屈では、こうなるはずだ、

けれどもお客様や上司から、全く違うことを言われる。

自分の魂をなくして、そこに従うことがとても苦しくなりました。

もちろんそれだけが原因ではないのです。

けれども私は、12年勤めた後、その日本の会社から離れていきました。

そして今、おそらく20年ぶり位に、昔やっていた仕事をやらせていただくことになりました。

今は誰も、私に「魂を売れ」とは言わないのです。

けれども、なんとなく、「自分の魂を売らなければいけない」

そんな先入観で、仕事をしていました。

人間の習慣、「潜在意識に染み込んだ思い」、これはこんなにも影響力があるのかと、改めて驚きました。

 

そして今もう一度、自分の魂を持って仕事をすること、これを考えています。

少しずつですが実践しようと思っています。

人間の魂をテーマに、いろいろな方向に思考が飛んでしまいました。

綾子さんの本は、Kindleでは見つかりませんでした。けれども、文庫本でもかなり安く買えるようです。

「人間としての本当の終わり」これを考える上で、何かヒントになるかもしれません。

魂を渡してしまう、

全身全霊かけたのに報われない、

こんな言葉が引っかかったら、自分の心を見つめてみてくださいね。

ご質問、ご意見などありましたら、どうぞこちらのメールまでお願いいたします。

ytomizuka@abrilsjp.com

今日も最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

 

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