こんにちは、あなたの心に寄り添う自分軸アドバイザー、ユキーナ ・サントスこと富塚祐子です。

京セラの名誉会長の稲盛氏は、戦中戦後の日本で少年時代、青年時代を過ごしました。稲盛氏の少年・青年時代は、お国のため、そして家族を助けること、家族と共に幸せになること、これが中心的価値観でした。

その後、日本は高度経済成長に入り、国民のGDPが大きく成長しました。それは主に、企業を中心としての成長でした。

家族の単位から、大きな会社の単位へ、自分の考え方を大きく変えていく必要があったのです。

稲盛氏は、自分の親兄弟を幸せにすることから、会社という組織の全従業員を自分の家族と同じように必ず幸せにしよう、と発想の転換(パラダイムシフト)を行いました。

これが、京セラの大きな成長の根底にあったと思います。

 

これを現代に当てはめて考えてみます。

我々、今の40代から60代が少年時代・青年時代であった時、日本はまさに高度経済成長にありました。日本の経済成長を牽引していたのは、大企業で、大企業に入ることが人生の成功でした。勉強して、いい大学を出て、一流企業に入ること、これを目指すように、われわれは方向づけられたのです。

けれども、ここにきて、終身雇用が保障されなくなり、サラリーマンの給与が上がらず、これまでの価値観とは大きく違った社会になろうとしています。

特に、中小企業のトップになると、この時代の変革についていくことが難しくなるのではないかと思います。

稲盛氏はこのようにおっしゃっています。

「いい大学を卒業し、大企業のサラリーマン勤めをして、相当大きな仕事をしてきた。だから、父親の会社をついても、『なんだ、こんな仕事』と思ってやっていた。

ところが、実際は考えていたよりも大変難しく、うまくいかない。大企業にいた時は10億円、20億円の仕事を簡単にやってのけていたのに、父親の会社に入って初めて、そんな金額の仕事は簡単にできるものではないことに気がつき、戸惑っておられる。そして、サラリーマンだったときの自分が本物なのか、今の悩んでいる自分が本物なのか、わからなくなって悩んでおられます。。。。これは私どもも含めて、家庭における子供の教育ができていないからです。中小企業を経営している両親を尊敬できないような、生意気な子供に育ててしまい、親がやっているような中小企業なんて魅力がないと小馬鹿にし、自分は頭が良いと思っている。頭が悪くても、とりあえず大学に行って、かっこいいサラリーマンになりたいと思っている。そうやって、ただ回り道をしているだけなのです。。。。」

 

ここで稲盛氏が指摘しているのは、時代の変革期のギャップです。

受験戦争を勝ち抜いて、大企業に入れるようになれば人生は安泰、親からそう言われていた、その通りにやってきた、それなのに、なぜこんな苦労をしなければいけないのか?何かがおかしい、これが、今の経営者の持っているギャップです。

 

これは、稲盛氏が20代で起業したときに感じたギャップでもあります。お国のため、家族のため、から「会社のため」に変わったのです。

稲盛氏が、昭和30年代、40年代に経験されたギャップが、この令和になってまた別の形で出てきているのだと思います。

稲盛氏は、この変革期における発想の転換を、とても上手に行い、最終的に京セラを大発展させました。

なぜそれが可能になったのか?

天才経営者である、というのは事実だと思います。

けれども、それ以外にも、新しい時代に対応していける力、稲盛氏はこれを持つことができたのです。何故でしょうか?

私は次のような理由ではないかと思います。

1 素直な心

2 捨てる(執着しない)

3 嘘をつかない

4 謙虚さ

 

一つずつ説明します。

1 素直な心

「雇用をしたばかりに、赤の他人の面倒を一生涯見ると約束してしまった。私のロマンは、もう金輪際忘れてしまわざるを得ないのではないか。。。。しかし、『全従業員の物心両面の幸福を追求する』というところまで書いて、なぜか少し虚しくなりました。それだけのために一生懸命生きていくのは、少し虚しい。そう思ったので、合わせて『人類社会の進歩発展に貢献すること』と続けました。」

 

→ 我々が、稲盛氏の立場に立った時、ここまで素直に、自分の心を他の人にさらけ出すことができるのか?と思います。新卒社員の反乱にあったこと、そこで悩んだこと、苦しんだこと、最終的に、事業の目的と意義を明確にしたけれど、少し寂しさを覚えた。ここまで、自分の内面を打ち明けているのです。

 

心理学の立場から考えると、ここがとても大きなポイントです。これが実は、ご自身の潜在意識と顕在意識をつなぎ合わせる作業になります。これを行うと、自分の潜在意識が、クリアになります。稲盛氏がおっしゃっている清らかな心になり、「真我」とつながります。そうすると、新しい時代に沿ったビジネスアイデアが浮かんでくるのです。

 

2 捨てる(執着しない)

「私は創業者ですから、もともと裸一貫、死ぬ時は裸だと捨て身でかかっていますから、そういうことがいえます。」

「。。。(一流大学を出た人が、社長の言うことに文句を言ったときに) そういう人は、頭が良いのです。あなた方にしても、『一流大学を出ている人材なので、何とか使っていかなければ』と思ってしまう。だから失敗するのです。『あー、残念だな。親から引き継いだこの会社を守るために、俺はやっているのだ。残念だが、君とは思想が合わない。君は君で、自分に合うところに行ってくれ』これだけでいいのです。。。自分も一緒になって、みんなで寄り集まって勉強していけばいいのです。。。。あなたの会社は、もともと才能のない人しか集まらない会社なのかもしれません。ですが、それが会社の宝なのです。」

→ ここで、頭の良い人材について考えてみます。いわゆる優秀な人、頭がいい人、エリートは、自分の損得を考えます。この「自分が損をしない生き方」というのが、40から60代までの日本人の特徴ではないかと思います。我々の親は、我々に、しっかり勉強して、いい大学に入って、良い企業に入ることをすり込みました。これが刷り込まれているので、我々の心の中では、頭の良い人材=価値あるもの、という式が成り立っています。そしてその、価値あるもの=自分となっています。ですから、中小企業の社長さんは、優秀な人材を雇って失敗し、そこから抜けられないでいるのです。

死ぬときは裸一貫、と稲盛氏はおっしゃっています。これは、とりもなおさず、学歴、地位、名誉、財産、すべてはあの世に持っていけない、ということだと思います。ここにとらわれる、執着する、これが不幸の始まりだとおっしゃっているのかもしれません。

自分が身に付けた価値観を、いかに柔軟に変えられるか、これからはそこが勝負だと思いました。

 

3 嘘をつかない

 

京セラを設立して間もない時、稲盛氏は従業員からの反乱にあいました。従業員は、雇用の保証、昇給の保証をしてくれなければ辞めると稲盛氏に脅しをかけたのです。

 

「。。。そんな要求は飲めない。だいたい、そんな約束ができるわけじゃないじゃないか。会社は一昨年にできたばかりで、必死に頑張って、今何とかやっているだけだ。来年や再来年の事なんて約束できるわけがない。もし約束できるふりをして僕が約束すると言えば、君たちはついてくるのか。約束できないから、正直にできないと言っているのだ。僕はこの方が、勇気がいると思う。約束はできないけれど、必死になって、命がけで努力をして、会社を立派にして、君たちの期待に応えてあげたい。ただ一寸先も見えない今の現実の中で、将来を約束することまではできない。」

 

→ 私は以前、外資系の企業で働いていました。その時の上司は、オランダ人でした。ある時、私にこういいました。

「俺は、事実をはっきり伝えるし、歯に衣を着せずにズバズバ言う。感じの悪い奴、嫌な奴と思われるかもしれない。けれども、少なくとも自分は正直だ。」

そして、いわゆるうそも方便、と言われるような嘘を一切言いませんでした。本音と建前を使い分けたりもしませんでした。

世界中で、この態度は大切だと思います。

これを貫いているので、自分の中で、本音と建前のギャップがありません。言い換えると、心で思う感情と頭の思考が一致しているのです。この感情と、頭で考えることが一致する、これがとても大切です。この一致が行われると、宇宙の意思と通じやすくなります。

宇宙の意志とは何か?これこそが、時代の流れだと思います。この先、世界はどうなっていくのか、ここに直感を働かせることも、宇宙の意思とつながることだと思います。

4、謙虚さ

 

「今から30年近く前でしょうか。どうも私には、経営者として大変素晴らしい才能があるのではないか、と思い始めました。しかし、稲盛和夫という男が経営者として素晴らしい才能を持っている必然性、名経営者だという必然性があるだろうかと考えると、それは何もありません。2つの理由からそう思ったのです。1つは。。。神様はある一定の比率で、ある経営者に素晴らしい経営能力を持たせた。つまり、確率論的に一定数、才能のある人を社会にばらまいただけかもしれない。2)また(存在としか言いようがないものが物理的な人間や動植物、物質になって存在している。) これは先程言った、たとえどんな才能があろうとも、それを私物化してはならないということにもつながります。。。。上も下も何もなくなります。その瞬間に、心が素晴らしく謙虚になります。仏陀が説く、あらゆるものは平等であるという思想が、そこに流れているのです。そこにあるのは機能、ファンクションのみ。その1つだけです。そのファンクションを、私が演じるように、と言われているだけのことです。」

 

「『父親の会社を息子である自分が継ぐのは当たり前だ』と思うのと、『たまたま自分が父親の息子に生まれたものですから、専務の器ではありませんが、専務を演じなければならなくなりました。ぜひご協力をお願いしたい』と言うのとでは、随分違います。その謙虚さこそが、たとえ中小企業の社長であれ、専務であれ、常務であれ、人を感動させ『この人の為ならば』、とついてきてくれる元になるのです。」

 

 

→ フィロソフィーの中でも、とても大切な箇所だと思います。「謙のみ福を受く」これを、いつも心に抱いて、謙虚なリーダーをイメージしたいと思います。

まとめますと、時代の変革期で成功者となるには、次の要素が必要だと思います。

 

1 素直な心

2 捨てる(執着しない)

3 嘘をつかない

4 謙虚さ

 

私はまだまだ、どれもできていないと思います。素直になる、弱い自分をさらけ出す、そして嘘をつかない、これは、今すぐこの瞬間からでも始められるように思います。新しい時代を生き残っていかなければいけません。我々のお客様や、将来のスタッフに対しても、今すぐこの瞬間から変えられる事は、すぐに変えいてきたいと思いました。

ありがとうございました。

今日も最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

 

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