引き際が悪い先代社長、どうすればいい？

こんにちは、あなたの心に寄り添う不動産・投資アドバイザー、ユキーナ・サントスこと富塚祐子です。

今日はファミリービジネスについての話です。

先代の社長が居座っている。
暴君のように、権力を発揮して、次の社長の出る幕がない。

このような状況、あるあるです。

どのようにしたら良いのか、1つのヒントを考えてみますね。

とても面白い、経営者のタイプ分けがありましたので紹介します。

中には、耳が痛い表現もあるかもしれませんが、お付き合いください。

自ら経営者の方、この先どんな風にして事業の引継ぎを考えていますか?

後継者の方、あなたの前任者、お父様あるいはお母様は、どのようなタイプですか?

このタイプ別にまず分けてみて、対策を考えるといいかもしれません。

1 君主型

在任時は会社の規模を大きくすることに力を入れ、企業成長に貢献する。
自発的に引退しないために、自身が亡くなるか社内のクーデターが発生するまで引退しない。

２　将軍型

しぶしぶ引退するものの、後継者が後任にふさわしくないことを理由とし、復帰を画策する。
復帰後は救済者として君臨し続ける。

３　大使型

最もきれいな引退。引退後も会社と密接な関係を保ち、後継者のメンター（相談者）となる。

４知事型

潔い引退。引退後は新天地を開拓し、会社との関係を持たない。

J・ソネンフェルド1992「トップ・リーダーの引退」新潮社より

私がお話を聞いたり、見ている中で、最も多いのは1番と2番だと思います。

ファミリー企業の社長様で3番、4番の方は極めて少ないと思います。

ここで問題になるのが、次の後継者、次の社長の事業のやり方ですね。

君主型、暴君型であっても、現在の社長は、いずれは年齢や健康から次世代への引き継ぎを考えるでしょう。

その時に準備が整っていないと、次世代の後継者はとても苦労すると思われます。

どのような準備かというと、従業員のマインドセットです。

1番や2番の場合、古参の社員は、これまでの社長の「イエスマン」になっていたら楽でした。

イエスマンになって、言われたことをやっていればよかったわけです。

社長が気持ち良いと感じることをしてあげる、これで、君主や将軍はご機嫌でした。

そして自分も長年、良い給料を得てきたのです。それなりの地位ももらったでしょう。

それが、新しい若君になると話が違うのです。

若君のやり方に従っていては、自分の幸せが確保できません。

そして若君の指示に従って、言うことを聞いたとしても、その結果は何でしょうか?

古参の社員にとっては、若君の言うことを聞くことのメリットは無いのです。

ITやパソコンを覚えろ！と若君はいいます。

この年でそんなことを覚えたくありません。

覚えて、会社の収益を改善して、何になるのでしょうか?

オーナー家の財産を増やすために、この老体がこき使われる、そう思ってしまうのがオチです。

ですから、コミュニケーションが大切なのです。

前の君主制から、次の若君が民主的な企業経営をしたいとします。

全員から支持を得て、協力をしてもらえないと困るのです。

けれども、古参の社員が協力しない。これはよくあります。

京セラの名誉会長の稲盛氏はおっしゃっています。

ファミリービジネスの場合には、1番最初によくよく、若君が古参の社員に頭を下げて頼み込まなければならない、とおっしゃっています。

確かに、頑張っていただいても、〇〇家の資産が増えるだけ、そう思われるかもしれません。
それはある意味、事実です。
けれども、私は、それ以前にあなたがた従業員の幸せを第一番に考えます。
そのために会社を存続させます。
ですからどうぞ、私に力を貸してください。
このようにお願いをしないといけないとおっしゃっています。

なるほどなと思うわけです。

君主型の社長に仕えた人は、自分も知らず知らずのうちに、その振る舞いが身に付きます。

意識していなくても、自分が君主のように振る舞ってしまいます。

将軍型の社長に仕えた人は、自分も知らないうちに将軍のような態度になります。

横柄な態度をとって、部下や取引先に接するようになります。

これが、企業が没落していく1つの原因ではないでしょうか?

先代の社長の残していく影響は強烈です。

その影響をとても受けているのは、先代の社長の腹心の部下たちです。

その腹心の部下たちをなだめ、何とかして協力をしてもらう、そのために次世代の後継者は考えなければなりません。

どうすれば相手が気持ちよく協力してくれるのか?

相手の1番の懸念は何で、どうすればその懸念を取り除くことができるのか?

こうしたことを自問自答してみてくださ。