こんにちは、あなたの心に寄り添う自分軸アドバイザー、ユキーナ ・サントスこと富塚祐子です。
今回は、標記のテーマで、稲盛氏が次のように経営(会計)の要諦をお話されています。
稲盛氏のお言葉は「」で引用させていただいています。
稲盛氏は、「キャッシュベースで経営する」として特に次のことをおっしゃっています。
1 儲かったお金はどうなっているか(現金の有無)
2 資産か、費用か-「バナナのたたき売り」でその違いをみる
3 土俵の真ん中で相撲をとる(十分な資金)
4 勘定あって銭足らず(資金不足)
ひとつづつ説明します。
1 儲かったお金はどうなっているか(現金の有無)
「 そこで私はやっと現金の収支の実から成り立つ会計であれば出てこないような固定資産、
棚卸資産、受取手形、売掛金などというさまざまな勘定科目がバランスシートに
表されていることがわかった。苦労して利益を出してもそれをそのまま新しい
設備投資に使える訳ではない。売掛金か在庫が増加すれば、
お金はそこに吸い取られてしまっているし、借入金を返済すればお金が消えてしまう。
儲かったお金がどういう形でどこに存在するのかということをよく把握して
経営する必要があると、その時、私は痛感したのである。 」
→ せっかく売上げをあげても、売掛金が回収できなかったり、
借入金返済や納税のために現金が吸い取られてしまい、現金が残らないことがあります。
売上とは何か、儲かるとはどういうことか?を考えます。これは、
不動産等の投資を行う上でもとても大切な視点です。これだけ家賃収入がある、
と思っても、コロナのようなことが起これば、家賃収入は入らず、
税金や借入金の返済だけが増えていきます。その時になって、
支払いのもととなるお金を探しても遅いのです。こうした事態も想定して、
資金繰りをしなければいけない、と思います。
2 資産か、費用か-「バナナのたたき売り」でその違いをみる
「 売上が3000円あって仕入れた原価は1000円だから儲けは2000円あるはずである。
ところが勘定してみるとお金はそんなにない。りんご箱に300円布2000円棒切れ200円と
(販売用の)道具に2500円払っているので手元には500円しか残らないわけだ。
仮にそこへ税務署が来てあなたは2000円儲かったからその半分の1000円を税金として
払えというとする。手持ちの500円からなぜ1000円も税金を払うことになるのかと問うと、
『りんご箱と布と棒は費用ではなく資産だ』と言う。
『1500円の資産と50円のお金2000円になり、 それに税金がかかる』
というのである。。。。。こうしてみるとどのような利益が数字の上で出ていようとも、
結局安心して使えるのは手元にある自分のお金、キャッシュしかないことになる。
つまり企業を発展させるため新たな投資を可能にするものは自分のものとして
使えるお金以外にはないのである。」
→ この先、収益を生み出さないのであれば、その支出は、「資産」ではなく、
「経費」として処理しなければいけません。これを考えてみると、
消耗品一つを買うにしても、慎重になることが大切だと思います。
そして経営とは、自由になる(設備投資にまわせる)キャッシュをどれだけ多く持てるか、
だと思います。これを考えると稲盛氏がおっしゃる経常利益10%以上というのは、
必要最小限の目標だと思います。
3 土俵の真ん中で相撲をとる(十分な資金)
「 お金のことを常に心配していては仕事ができない。そのためギリギリの資産繰りは
決してしないようにしなければならない。手形が落ちないといって必死に金策に走り回り、
ようやく手形を落とし、あたかもすごい経営努力をしているかのように
思い込んでいる人がいる。しかし、つねに金策に走り回って自転車操業しているようでは、
本当の経営を行っているとはいえない。マイナスの経営をやっとのことで
プラスマイナスゼロの水準に戻しただけのことである。。。。。土俵際に追い詰められ、
苦し紛れに技をかけるから、勇み足になったり、きわどい判定で負けたりする。
それよりも、どんな技でも思い切ってかけられる土俵の真ん中で、
土俵際に追い込まれたかのような緊張感を持って勝負をかけるべきだ、ということである。
これは企業財務に関して言えば、『つねにお金のことについて心配しなくても、
安心して仕事ができるようにすべきだ』いうことであり、
そのような強い思いが京セラを早い時期より無借金経営に導いたのである。」
→十分なキャッシュの蓄え、余裕のある経営がいかに大切かを思います。
それと同時に、十分なキャッシュがあると、「土俵際に追い詰められたような緊張感」を
もつことが難しいです。十分な蓄えはあっても、常に危機感と臨場感をもって仕事に臨む、
人生に臨む、これが大切だと思います。
4 勘定あって銭足らず(資金不足)
「 私はよく「勘定合って銭足らず」という言葉を使ってキャッシュベースで経営することの
重要性を強調している。毎年なんとか決算上は利益が出ているのに実際の資金繰りは苦しく、
いつも資金が不足しているというような会社をよく見受ける。
これは「キャッシュベース」ではなく決算上の「利益ベース」のみで
経営している結果であろう。しかし本来的には事業活動から得られる利益こそが
キャッシュの大きな源泉である。だからもし会計学はキャッシュとは完全に切り離された
決算上の利益を計算するものでしかないのなら、実際の経営には使えない
無用の学問ということになりかねない。」
→キャッシュが不足するのなら、その原因をとことん追求しなければいけません。
売上げの回収に問題があるのか、借入金が大きいのか、固定資産や在庫が多いのか、
それを一つ一つ解決していくことが大切だと思いました。
まとめますと、儲かったお金(利益)は現金として会社にあるべきです。
それがないのであれば、儲かったお金は何に形を変えているのかを分析し、
必ず現金支出が必要になる項目をカバーできるのか、常に計算し、把握する必要があります。
さらにそこから、十分な利益を確保することが大切になります。
今日も最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
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