こんにちは、あなたの心に寄り添う自分軸アドバイザー、ユキーナ ・サントスこと富塚祐子です。
さて、今日はファミリービジネスの危機管理、主要事業転換のお話です。
コロナになって、廃業したファミリービジネスも数多くあったと思います。
その中で、企業の永続性を保つための秘訣を以前、お話しました。
ファミリービジネスの継続性を保つために主として、次の方法があるとお伝えしました。
1)事業の多角化を測っておくこと、
2)地理的に多様化しておくこと、
3)他のファミリーと縁戚関係を持つこと、
4)他の地域に移れるようにしておくこと
5)オーナー業に特化しておくこと(内部留保を貯めて他の企業に投資する等)
詳しくはこちらを参照ください。
不信と自信_世界のファミリービジネスのトレンド
さて、最近のファミリーキャピタルの記事で、こちらのマース家のファミリービジネスの
新規事業について紹介されていました。
マースは、M&Mやスニッカーズ、ミルキーウェイ等、
おそらく世界で1番有名なチョコレート製品を製造するアメリカの会社です。
さらにこの会社はペットフードなども多く世に出しています。
アメリカで3番目に裕福なファミリー企業であり、
マース一族の保有資産は約98億ドル(日本円にすると1兆円近く)
になるそうです。
彼らの主要ビジネスは、食品の製造業です。
けれども2015年位から、いわゆるシンクタンク(研究機関)を立ち上げました。
その内容は、サスティナビリティ(持続可能性)のビジネスモデル研究です。
サスティナビリティ、SDG s等と密接に関連しています。
すべてのステークホルダー(関係者)が利益を享受できるようなビジネスモデル、
これについて研究し提案する、このようなシンクタンクを設けています。
私はこれを、このマース家のファミリービジネスの、1つの業態転換だと思っています。
また同時に、株主に特化していく作戦(内部留保を使った投資活動)と考えています。
スイスに本部を置く、ファミリービジネスの研究機関IMDも関わって、
このサステイナブルビジネスモデル研究に、
ヨーロッパやアメリカの多くのファミリービジネスを取り込んでいくのではないか、
と思っています。
そこで、主要なファミリービジネスに対して、
いち早く株主になり、オーナーの地位を確立し、
株主として、マースファミリーの資産を増やしていく、
これがこのマース一族の狙いではないかと思いました。
このマースがお金をだしているシンクタンクが
目的としている事は次の2つです。
1 企業の関係者(ステークホルダー)それぞれが利益を享受できる仕組み
2 利益を最大化するビジネスモデル
この2つを主要な研究目的としているのです。
しかし、私は、これらの2つは、わざわざ海外から学ぶ必要がないものだと思っています。
日本が高度経済成長を経験した時、
この時すでに、日本の企業は、こうした目標を掲げ、達成していたのではないかと思います。
京セラの名誉会長、稲盛氏の例を挙げます。
1 企業の関係者(ステークホルダー)それぞれが利益を享受できる仕組み
→ 京セラは、株主よりも、経営者よりも先に、全従業員の物心両面の幸福を追求するとうたっています。
全従業員の物心両面の利益を最大にする、ということです。これを目指して企業活動を続けていれば、
結果として、企業が大きく成長し、経営者や株主も潤うようになる、このような理論です。
理論というか、真理ですね。
株主や、経営者が「従業員をコントロールしてやろう」と思って、
企業経営をしているうちは、この高みには行き着かないのです。
最初から、全従業員の物心両面の幸福を追求することを目的にすれば、
大きな幸福の循環が生まれる。
これが実は宇宙の真理であり、日本の企業は、はるか昔から、これをやってきたということになります。
2 利益を最大化するビジネスモデル
このマースの研究機関は、利益を最大化するポイントとして、
などいろいろなポイントを挙げています。
けれども、これも京セラでは三十年以上前に、既に取り入れていたことです。
これがいわゆるアメーバ経営というものです。
事業を小さな単位にし、その単位の責任者が経営者と同じ意識を持ち、
自分のアメーバの経営成果を最大にしていく、というものです。
これが結果として、企業全体の利益を最大にすることにつながります。
持続可能性や、SDGs、サスティナビリティなどが世界的なキーワードになっています。
日本の企業も、世界の流れに乗り遅れまい、と必死になっています。
それでも実際は、それ以前に、日本には、日本人が独自でうちたてた、
こうした素晴らしい経営のノウハウや、
ファミリービジネスの経営判断指標があったように思います。
欧米の企業から発信されている内容を、金科玉条のものとして捉える必要はありません。
そうではなく、他の視点が必要です。
それについては、自分たちは、もうとっくの昔にやっていたなぁ、
それを、世界の人に共有してもらうにはどうすれば良いのか?
このような視点にたって行動するのも、利益最大化のための、1つのやり方ではないかと思います。
世界のトップクラスのファミリー企業がかかげているのは、
関係者全員が幸せになる仕組み
そしてさらに、企業の利益を最大にする仕組みです。
お手本は海外ではありません。
既に日本にあるのです。
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