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昨日、読んだ本の話を思い出しました。
その本の著者の方は、M国の諜報機関KBAに勧誘されたそうです。
KBAのリクルーターの幹部の人が、人を落とすには三つポイントがあるとおっしゃったそうです。
1つ目は金、2つ目は女あるいは男、性的な欲望に訴えること、3つ目はこれ以外の地域や名誉だと言うのです。
「この3つを示せば、ほとんどの人は動く」とおっしゃったそうです。
それでも動かない人には、「これまでのあなたの人生では体験できないような素晴らしい経験、体験をさせてやる」と言うそうです。
この四つ目の言葉が特に心に刺さり、この日本人の方は心が傾きかけたとおっしゃっていました。
けれども契約書にサインをするには国籍をM国にしなければいけない、とこのリクルーターはいうのです。
その話を聞いて、この日本人の方は、そんなことをしたら母親が悲しむと思い、我に返ったそうです。
そして、このKBAのリクルーターの方にこのようにいました。
「日本人である事は自分のアイデンティティであり、替えられないものである。その信念は、どれほどお金が積まれようと、どのような条件を出されようと自分自身であるから魂を売ることはできない。
私がここで魂を得るような人間であったならば、また同じようにお金や女、名誉でM国を裏切ることになるだろう。KBAはそのような人物を雇うべきではない。
このようにこの方は答えたそうです。これを聞いたとき、そのリクルーターの方は目にうっすらと涙を浮かべて、「KBAは本当はお前のような人間が1番欲しいのだ」と言ったそうです。
稲盛氏の経営哲学の話を聞いて、心から喜んだアメリカの大学教授や経営者と共通する部分があると思います。
稲盛氏も何度もおっしゃっていますが、経営者は孤独です。
弱みを見せたならば付け入れられる先がたくさんあるでしょう。
そして自分のスタッフや仲間を信じることができなければ、孤軍奮闘、本当に1人で戦わなければならないのです。
戦ったからといって、誰も褒めてくれません。誰も認めてくれるわけでは無いのです。
そうなると、このKBAにスカウトされた日本人のように、
あなたの努力はお金で報われるべき、少し位良い思いをしたっていいではないか、
自分が褒められて当然だ、自分もこのぐらいいい目を見てもいいだろう、
このような判断が入り込んでくるのではないでしょうか?
このKBAにスカウトされた方も、エリート中のエリートです。
その方ですら、日本国籍をなくしてでも、
「自分の努力が有形の褒賞で報われる世界に行きたい」と思ってしまうのです。
ですから、いつも
「何のために生きるのか?一度しかない人生を、この与えられた毎日毎日の1日をどのように生きるのか?」これがとても大切になってくるのだと思いました。
稲盛氏はこのようなとても大切なことを、表現を変えて繰り返し経営者に伝えようとしているのだと思います。
今日も最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
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