こんにちは、
さて、今日は家族関係・人間関係に関わる話題です。
年末年始に、私は、動画配信のサブスクを無料期間だけ登録しました。
なぜか去年の年末ぐらいから、岩下志麻さんが気になっていました。
動画などで拝見すると、志麻さんは、若い時から全然、変わっていないなと思いました。
今、80歳を超えているそうです。
けれども、その雰囲気や品格、醸し出すオーラが全然、衰えていないように思います。
その秘密は何だろう?これが気になったので、
岩下志麻作品を、なるべく見るようにしました。
考えるテーマがたくさんあって、とっても面白かったのは、映画「疑惑」です。
これは松本清張原作の、推理サスペンスものです。
この物語の主人公は桃井かおりが演じています。
北陸の酒造メーカーの御曹司がいます。(仲谷昇が演じています。)
この御曹司は、結婚して長男をもうけますが、妻に先立たれます。
そしておそらくこの当主が40代の時、クラブのホステス(桃井かおり)と知り合い、
彼女を妻に迎えます。
この新しい妻には、詐欺などの前科もあり、親戚一同がこの結婚に大反対でした。
けれども、この御曹司は、このホステスに心を奪われ、別れることができずに悩みます。
そこから、思いがけない事件に巻き込まれ…というお話です。
ちなみに岩下志麻は、桃井かおりの弁護人、バツイチの女性弁護士の役です。
証人尋問のシーンなど、なかなかうまかったです。
さて、今日は、人間関係を考える上で、なぜ男性がいわゆる悪女に惹かれてしまうのか?
これを考えてみたいと思います。
心理学などを参考にして考えてみると、s
次の3つの理由があると思います。
1 「自由」の疑似体験
2 劣者配置
3 親や家への復讐
1つずつ説明しますね。
1 自由の疑似体験
こちらの御曹司は、生まれた時から、〇〇家の跡取りとして育てられています。
〇〇家をつぐものとして、
やってはいけないこと、
こうあらねばならないこと、
それが、この御曹司には、あまりにもたくさんあったのだと思います。
この作品のラストに近いところで、桃井かおり演じる久満子は、自分の弁護士(岩下志麻)に、このように言います。
「人が私のことをなんと言おうと、私は自分自身が好きなのよ。あんたは自分のことが嫌いなんでしょ。私がうらやましいのでしょう?」
この久満子の生き方は、自由奔放です。
久満子は、何の我慢もしません。
自分の好きなことを、やりたいようにやって、自由に生きています。
けれども御曹司には、それは許されない。
彼からみたら、久満子の生き方は、究極的に自由な生き方でした。
自由に生きてる人、これを自分の身近に置く。
そうすることで、御曹司はこの自由を疑似体験できます。
少しでも自由を味わいたい
このような思いが、御曹司には、あったのかもしれません。
自分はこんな風に自由には生きられない、
けれども、彼女を見ていることで、
まるで自分が自由に生きているような気持ちになる、
こういう欲望がこの御曹司にあったのかもしれません。
2 劣者配置
この御曹司は、古くから伝わる、名門の酒造メーカーの跡取りです。
おそらく、この家の創業者やこれまでのファミリーのトップは、
とても優秀な方だったと思います。
その中で、自分が優秀でなければならない、というプレッシャーが生まれます。
人間として優れていなければならない、御曹司はこのようなプレッシャーを受けて育ちます。
そうすると、無意識のうちに、自分より、はるかに劣る人間を身近に置くようになります。
そうすることで、自分の優位性を確認することができるからです。
自分は優れている、これを実感したい、御曹司はこのように思ったのかもしれません。
これはある意味、歪んだ物の見方です。
人間としてダメ、
世間からも誰からも、ダメ人間の烙印を押される、
こんな人が身近にいたら、自分は絶対的な優位にたてます。
御曹司は、こんな人を周りにおきたかったのかもしれません。
その劣る人を見ることで、
こんなに欠陥だらけの人間でも、生きていてもいい、
生きていることができる、
それを感じたかったのかもしれません。
けれどもこの理屈だと、やがて破綻します。
自分の中に、自由を愛する自分と、窮屈だけど決められたレールを歩く、優等生の自分、
この二つが存在するわけです。
この相容れない二つの性質を、一つの人格の中で、うまく折り合いをつける。
これは難しいです。
御曹司の潜在意識の深いところに、「優秀でなければならない」、
という思いがあります。
ですから現実に現れるダメ人間(久満子)と、
自分の中の認識(完璧でなければならない)が、かけ離れて行きます。
そのギャップを埋めるために、とても苦しみます。
また、自分の中にあるコンプレックス(劣っている)をいつも自分の目の前に置いています。久満子を通じて、劣っている自分をいつも意識するのです。
これも、自分を追い詰める行動になります。
この映画の奥深いテーマは、
どうやってこのギャップを埋めたのか・・・
というところにあるのかもしれません。
3 「親」や「家」への復讐
三つめはこれです。
つい最近、受験会場で、受験生が人を傷つけつけるという事件がありました。
これも、この受験生の親に対する復讐と見ることができるかもしれません。
この事件の当事者は、今まで、自分が本当に伝えたかった感情を押し殺して、我慢に我慢を重ねてきました。
そしてそれが限界を超え、人を傷つけるという形で現れました。
これは、自分に我慢を強制した人たちに復讐をしている、
と解釈することもできるわけです。
「疑惑」の主人公の御曹司は、親戚一同が卒倒するような悪女を妻にすることで、
ある意味、「復讐」をしたかったのかもしれません。
これは本人の顕在意識の働きではなく、潜在意識の働きです。
ですので本人は意識することができません。
けれども、実際に「起こっている事実」を見てみると、
このような背景が見てとれるのです。
このメカニズムについては、私のカウンセリングの師匠、高橋ゆり子さんが詳しく書かれています。
さて、まとめてみると、真面目な男性が、悪女を奥さんにしてしまう理由、
それは次のようなことだと思われます。
自由願望の投影、劣者配置、復讐です。
では、どうすればこれ(悪女を妻にする)を避けられるのでしょうか?
それは、ゆり子さんのブログにも書いてあります。
親と子供が、本音で語り合える関係を作ることです。
ありのままの子供を、親が100%受け入れる環境、
これを整えることです。
この内容は、とても深いテーマです。
ですので、この先の配信でも書いていきたいと思います。
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今日も最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
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