こんにちは、
儲けるということは、「信者をつくる」ことだと、京セラの名誉会長稲盛氏からおそわりました。
つまり、
「お客様に弊社の信者になっていただくにはどうすれば良いのか?」
と言うことと、
「スタッフに私の信者になっていただくには、どうすればいいのか?」
と言うことです。
今日は後半、「スタッフに私の信者になっていただくには、どうすればいいのか?」
次に、従業員を信者にするポイントを考えてみたいと思います。
【2】従業員を信者にする
ポイントは主に次の4つではないかと思います。
1存在と役割を考える
2胆識(力)を持つ
3夢と使命と人格に注意する
4信じ続ける
一つづつ説明しますね。
1 存在と役割を考える
これは、リーダーが自分自身の存在と役割を考えるということです。
稲盛氏はこのようにおっしゃいます。
「。。。人間の心の1番奥の奥の中核には、真善美、あるいは、愛と誠と調和に満ちた、とてつもないほどに純粋で美しく、宇宙を宇宙たらしめているものが存在している。。。すべては、『存在としか言いようのないもの』が姿を変えて、この宇宙に現れたに過ぎない・・・・『(我も彼も)みんな同じなのだ』と考えれば、決して傲慢に振る舞うことなどないはずです。」
宇宙から、たまたま自分が社長(リーダー)という役割を与えられて、その能力を発揮するような機会を与えられたとおっしゃっています。
「そう理解すれば、財産を築いたり、名誉をえたり、高い地位に着いたとしても、傲岸不遜な人物に変わっていくような事はありません。いつまでも謙虚に振る舞うはずです。私はそう考えるよう心がけてきました。」
難しい内容ですが、禅・仏教の本などを読んでみると、理解が深まるかと思います。
「存在」は違いますが、人間も動物も、モノも神羅万象の根本は同じ、ということです。
そうすると、今の自分は何か?どうして他の人と違う能力、境遇、人生が与えられたのだろうか?
この疑問が出てくるのではないでしょうか?
それは、天からある役割がたまたま与えられているだけだ、と稲盛氏はおっしゃいます。
お芝居のように、「お前にはこの役割をあたえる。そのために必要な衣装・小道具はこれ、しっかり稽古して、お客様を満足させ、他の役者・裏方と協力して、一生懸命演じるのだ!」と人生の監督に言われるわけです。
それは、たまたま自分であるだけで、他の人でもいいわけです。なぜなら、我われの存在は、「存在としかいいようのないもの」だからです。我々の心の奥の奥は、真善美があり、万物に共通なのです。
自分がもっている衣装や小道具を、自分の特権だ、と勘違いしてはいけない、ということです。舞台公演が終わったのに、自宅に持って帰ったり、友達に自慢するために、私用で使ってはいけない、ということです。それは大きな勘違いです。
早くその勘違いに気づいて、自分の役割、与えていただいた能力・セリフ・役どころ、衣装や小道具、この意味に気づき、聴衆に感動を与えるように、精進する、そうなるのが望ましいのです。
この考え方が根底にあるから、毎日毎日を大切に努力精進することができるのだと思います。
これは同時に、周りの人の役割を考えることにもなります。
リーダーである自分が与えた役割に従って、相手が思った通りに動いてくれないからといって、相手のせいにするようなことがなくなると思います。
一人一人の役割があるので、その役割を真摯に考えることができるのではないかと思います。子供についても同じです。親が決めた「理想の子供像」と違うからといって、子供がすでにもっている能力を無視する、こんなことがなくなると思います。
2 胆力、胆織
スタッフに信者になってもらう2番目はこの胆力、胆織です。これは「実行する力」といえるかもしれません。
例えば、経営者のように、責任がある人であればあるほど、哲学を学び、人間性を高めなければいけません。このように言われています。
けれども、実際に仏門に入り、托鉢や精進を体験しようと決意する、これを実行していく力が胆力だとおっしゃっています。誰にでもできることではありませんが、稲盛氏はこれを実践されました。胆力がある方だと思います。
3 夢と使命と人格
さらに、スタッフに信者になっていただくには、夢と使命と人格が大切だと稲盛氏はおっしゃっています。
例えば京セラの例ではこのように説明しておられます。
夢とは、「京セラを世界一の会社にしよう」という夢を大きく描いて、そこに向かってリーダー自ら突き進むことです。
使命とは、上記の夢の後に「何のためにその会社が存在するのか」という存在意義を明らかにすることです。京セラの存在意義は「全従業員の物心両面の幸福の追求」でした。
人格とは、人生の方程式を通じて、常に反省し、改良を目指していくことです。
人生の方程式とは以下です。
人生、仕事の結果= 能力 × 熱意 ×考え方
能力と、熱意はプラス域だけで変化します。
能力がなくても、熱意があって、努力する人の方が、大きな結果を残します。
けれども考え方は、プラス域だけではなくマイナス域もあるのです。
「人から何かを奪ってやろう」と意識する。
あるいは、自分は絶対に奪われないようにしよう、と意識する、これはマイナスの意識です。このマイナスの意識で行動していくと、能力があって、大変な努力家であっても、結果がマイナスになると稲盛氏はおっしゃっているのです。例で出されているのがホリエモンさんです。
能力・熱意が有り余るほどありました。
しかし、人を出し抜いて、富を独占しよう、富を奪って集めよう、という奪う意識があったように思います。あるいは、「絶対に自分は奪われる側にはならない、奪われる人間は馬鹿だ、俺はそんなバカではない」という驕りや意識があったかもしれません。
これがあると、マイナスが全体の掛け算でかかりますので、結果がおおきなマイナスになる、ということです。
4信じ続ける
この「信じること」というのは自分から積極的に、従業員を信じていくことだ、と稲盛氏はおっしゃっています。
ブラジルの経営者の方のお話がありました。
退職金欲しさに辞めていくスタッフに、必ず自分に相談に来なさいと言い、
割賦販売で物を買うことをやめさせます。
恐れずに自分が胸を開いて相手に近づいていく、相手を受け入れることで、経営者も従業員もお互いに心を開いて話ができる関係になった、とお話しされていました。
相手から自分を信頼してもらう、これより先に、まず自分が相手を信じる、必ず信頼関係が築けると信じていくことが大切だなと思いました。
相手を受け入れること、こだわりを無くすことは、合気道で学ぶことができます。
さて、従業員に信者になってもらう、そのコツは次のとおりです。
1存在と役割を考える
2胆識(力)を持つ
3夢と使命と人格に注意する
4信じ続ける
難しいのは、特に夢と使命と人格、ではないのでしょうか?
とりわけ、リーダーの人格、考え方ですね。
物事の原理原則に照らして、考える癖をつける、これが大切だと思います。
今日も最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
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