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今日は皆さんにある経営者の話をしたいと思います。

その名も、「守銭奴と呼ばれた社長」です。会社の同僚からは毛嫌いされていても、実は経営者としては、上等であった、と言う話です。

昔、日本の会社で働いていた時に、伝説の支社長がいました。

とにかく変わり者で、その方の下には若い営業マンが全然いつかない、みんなすぐにやめたがるというので有名でした。

お昼は就業規則の規定通りきっちり45分、昼休みの間すべての電気を消す、土日も会社に来るのは当たり前、支社長自らが夜遅くまで残って仕事をしていた、ということです。若い営業マンはこのペースに付き合わされるので、次々にどんどん辞めていくと言うことでした。接待や交際なども一切行わず、守銭奴と呼ばれるような方でした。

この支社長は、会社の中のほとんどの方から嫌われていました。会ったことのない人も、その名前を聞くだけで、毛嫌いしていました。

今、自分自身が経営を学んで、実践していく身になって、この支社長のことを考えてみます。

そして、ふと思ったのです。この方ほど正しい行いをしていた管理職はいなかったのだなと。

経営のキモ(要諦)は、「売り上げを最大に、経費を最小に」です。
そうしてみると、この支社長のやっていた事は、すべて正しいことだったのだと思うのです。

私がかつていた会社が、業界の中ではいわゆるモノポリー独占だったからでしょう。そして収益を追求する仕組みも甘いものでした。

お役所的なところがあり、収益を上げると税金を納めなければいけないというジレンマがありました。日本にも世界にも、このような企業はたくさんあると思います。設立目的や事業目的などから税制の優遇制度を受けています。そうすると純粋に利益を追求する事業がやりにくくなるのです。

このような組織を経営する人たちは、無意識のうちに売り上げを最小に、経費を最大にするような行動をとっていきます。当然利益はどんどんなくなっていきます。

私がいた会社はこのような体質が蔓延していたのではないかと思います。その中でも、正しい経営の姿勢を貫いたこの支社長はとても立派だったと思うのです。誰になんと言われても、誰から嫌われようとも、経営者としてのモットーを貫いたこの支社長は偉かったなと思うのです。

ジャパンクレジットの所でも昔、このような記事を書きました。

税金を払いたくない、国や社会からお金を奪ってやろうと思うところからすべての誤りが始まるのです。私がかつていた会社は、そのような意味で考えれば、日本の高度経済成長に助けられた会社であったと思います。

金融がとても重要視された時代でした。企業への融資を行う際に私たちがためていたスキルは必要だったのです。こうしたスキルやノウハウを集めて、企業をつくりました。私たちが日本から受けた恩恵を、日本の国のために、早く還元できる仕組みが必要だったのです。けれどもこうした仕組み作りを行わずに、奪うことばかりを考えてしまいました。

もともと儲かる仕組みと逆のことをするように潜在意識にインプットされてるわけですから、儲かるわけがありません。

儲からない事業の尻拭いを、いろいろな部門や従業員が負っていたような気がします。

これも今となっては本当に懐かしい思い出ですが、自分がその当事者になっていたときは、一刻も早くそこから抜け出すこと、これ以外は考えていませんでした。

話がそれてしまいました。私はこのような企業の矛盾に気がついて、一刻も早くそこから出る道を選びました。けれどもこの支社長は、正しい行いをしながらそこに居続けることを選んだのです。並々ならぬ覚悟だと思います。そして意思の強さとか、経営の手腕には甚だ頭が下がるのです。

私たちのコンサルティングフィーも不動産の価格に左右されます。東京や大阪などの大都市にある支社は当然有利なわけです。けれどもこの支社長のいた都市は、県庁所在地でありながら、過疎の進んだ田舎町でした。そこでそれなりの売り上げを上げていくにはとても苦労なさったことだと思います。

そこで、経費をとことん切り詰めたので、毎年毎年利益を上げることができたのだと思います。当時はどこの支社長も、こうした雇われ支社長でした。自分の任期が終わったら、本社やもう少し大きなところに行って出世する。あるいは地方で顧客を作って自分で独立する、このような支社長もたくさんいました。

その中でも、この支社長は昇進の誘いを断り続け、サラリーマン人生の全てを、この地方都市で過ごしたと思います。これなども、なかなかできることではありません。自分の役割をよく理解していて、それ以上のことをせず、かといって働き不足と思わせることも一切せず、とても立派な姿勢を通されたと思うのです。

当時は気づきもしませんでした。このような考え方を持とうともしませんでした。けれども今しみじみ思うのは、あの社長さんは実は尊敬に値する方なのだなと言うことです。誰からも嫌われる、守銭奴と呼ばれた社長であっても、経営者としてはとても立派な方だと思います。

今日も最後まで読んでいただき、ありがとうございました。