こんにちは、
どのような用途で使っていったら、1番儲かるのか?これを考えています。
儲かる用途を見極めるポイント、それはズバリこれです。
1 用途地域・道路を調べる(法規制)
2 地域にあるもの、ないものを調べる
3 時代の流れを読む
4 計算する(採算をみる)
5 限界をみる(伸びしろ・さげしろ)
さて前回は4番目の「計算する(採算をみる)」というお話をしました。
実際に数字を当てはめて、どの想定が1番儲かるのか?これを計算してみました。
今日は、その先、「限界をみる(伸びしろ・さげしろ)」をお話ししたいと思います。
その数字がどれほど上下にぶれるのか?これを考えてみたいと思います。
その時に考えるポイントはここです。
1 家賃を変化させる
2 空室率を変化させる
3 経費率を変化させる
4 建築費を変化させる
5ブレの大きさをチェックする
1 家賃を変化させる
まず家賃からいきましょう。
皆さんが投資を考えるのは、戸建て住宅や簡単なアパート等の住宅ではないかと思います。
皆さんも体験としてよくお分かりだと思います。
住宅の家賃は、新築の時が1番高くて、その後、徐々に落ちていきます。
古い物件になると、家賃が低くても埋まらないことがあります。
これを前提に考えますと、少し高い家賃を想定する、これはやりにくいかと思います。
けれども、今ある物件が古いもので改修を考えている、この場合だったら違ってきますね。
改修を考えたら、地域の新築と同じ位の値段で貸せるかもしれません。
これを考えて家賃を上に上げてみます。
あげると言っても10%から15%程度ではないでしょうか?
現在が極端に安い場合を除いて、私はこれ以上、住宅の家賃を上げてシュミレーションする事はあまりしません。
逆に下がる場合はどうでしょうか?
下がる場合はどこまで下がると想定すれば良いでしょうか?
これは、その地域の築年の古い、似たような物件の家賃を調べます。立地が近くて、建物も間取りも似ている、ただ建物は古い。このようなものを選びます。そしてそこの賃料はどのくらいか確かめてみるのです。
こちらは、2割から3割位、落ちるかもしれませんね。
これが、いわゆる底(そこ)の家賃水準です。
コンサルティング会社によっては、家賃指数を過去10年以上さかのぼって調べることができる資料を出しています。
全国賃料統計 https://www.reinet.or.jp/?p=23235
このような家賃指数を見て、例えば平成のバブルが弾けた時、あるいはリーマン後の不景気の時、を見てみるとその時の家賃水準が分かります。
過去30年位の中で、1番低い水準はこのぐらいだったのかなという見当がつきます。これもひとつのご参考にしてみてください。
2 空室率を変化させる
次は、空室率です。
最初の私の想定では年間8%でした。
これは、まあまあ固い線ではないかと思います。
それでも、立地が良いものであれば、その半分ぐらいまでは好意的に見ることができます。
8%の空室率を4%に設定するという事ですね。
これは、前に住んでた人が空いたら、すぐにリフォームとお掃除をして、次の入居者さんが入るという状況です。
伸びしろを見るには、この空室率を4%くらいにしてもいいと思います。
もちろん一棟全体を、どこかの企業が社宅等として借りてくれるという場合は別です。
では空室率の下ぶれをどう見るかと言う事ですが、そうですね、10%から12%位でいかがでしょうか? 15%程度空いてしまうとなると、これは家賃設定に問題があるように思います。その地域の家賃がガタガタと落ちていくという事ですので何か理由があるはずですね。
新しい駅ができて、人がそちらの周辺に移ってしまった。
あるいは自殺などの事件が起きて、周囲の人がそこに住みたくないと思うようになってしまった。
このような特殊な事情が考えられると思います。
ですので通常の想定でしたら、空室率は10%ちょっとぐらい見れば充分下振れが検証できると思います。
3 経費率を変化させる
次に経費率を考えます。
本当は、経費はいくつかの項目で成り立っています。
維持管理費、修繕費、固定資産税などの公租公課、損害保険料です。
これを一つ一つ見ていくと分析の精度が上がります。
けれどもここは、簡単にざっくりと計算することが目的なので経費率、という一定の指標を使っていきます。
どのような時に経費が多くなるか?ですが・・・
例えば、思ったよりも修繕にお金がかかってしまう、
あるいは、前の大家さんから引き継いだ管理会社がいて、管理費をなかなか下げてくれなかったなどが考えられると思います。
これも「上ぶれ・下ぶれ」としては上下に5%位、プラス、マイナスしてみてはいかがでしょうか? 経費率を25%で見積もっていたならば、経費率が30%かかってしまう場合、あるいは、20%で足りる場合などシュミレーションしてみてはいかがかと思います。
4 建築費を変化させる
そして最後はこちらの建築費です。
これが1番上下の「ぶれ」が大きいと思います。
建築費を考えるには、建築費の指数があります。
建築費指数
私たち専門家はこうした指数を参考にします。けれども皆さん一般の方が採算を弾こうと言うのであれば、既に出ている前回ご紹介したこちらの地価工事等の公表資料を参考にされることをお勧めします。
なお、国土交通省から、このような地価公示の資料が公表されています。例として、東京都世田谷区 1番の公示地価格の評価算定資料です。
さらに、不動産業者さんや工務店の方と仲良くなって情報を仕入れてください。
具体的なアパートやマンションなどを見て、これは坪いくらぐらい出てきたの?
と聞いてみると良いでしょう。仲良くなれば教えてくれると思います。
こうして、最新の建築費を仕入れたら、そこからそうですね、プラス、マイナス、2 割位は伸びしろ、下げしろを見ておいた方が良いと思います。
5 ブレの大きさをチェックする。
これを基にしてシュミレーションをやってみます。
まず伸びしろの方ですね。
上にどのくらい価格が伸びるかというシュミレーションをやってみました。
前回の例で、
家賃は9000円、
空室率4%、
経費率23%、
建築費を坪当たり750,000円で計算してみました。
そうすると1坪あたりの土地の値段は約62,000円程度と算定されました。
次に「下ぶれ」を考えてみます。
家賃が坪6000円、
空室率が12%、
経費率が30%、
建築費が坪850,000円として考えてみました。
そうすると、坪あたりの土地の価格は約11,000円となります。
前提条件が変わったときの「上ぶれ・下ブレ」が大きいですね。
前回計算した時のような、3つのパターンのそれぞれでも、同じように「上ぶれ下ぶれ」これを見てみます。
そうすると、容積率200%いっぱいまで使って建てたときの上ぶれと下ぶれが1番少ないという結論が出ました。
「上ぶれ下ぶれ」が少ないという事は、リスクが少ないと判断できると思います。
その意味からも、容積を目一杯使って建物を建てた方が、将来的にも安定する、これが言えるようです。
実は、この3回にわたってご説明した内容は、不動産の投資採算分析です。
不動産があります。
これをどうやって活用したら良いのだろうか?
何が1番良い使用方法だろうか?
これを考えたときに、地主さんが実際に行うのは、こうした採算分析なのです。
建築することができる建物は何なのか?
これを捉えた上で、その建物でどれぐらい儲かるのかを考えます。
その儲けの中で、今このくらい儲けが出ると計算できた。
けれどもこの数字が上にブレたり、下にブレたりする事はないのだろうか?
当然このような疑問がでてきますよね。
だから、このような上ぶれ・下ぶれのシュミレーションが必要なのです。
このシュミレーションを専門的には、感度分析等といいます。
例えば、建築費がこの先、年間5%の割合で上がっていくとしたら、という想定をします。
この一定の想定のもとで、土地値がどのようにぶれるのか?
これを見てみるのが感度分析です。
最終的には感度分析まで行った上で、どのような建物を作ったらいいのか判断します。
ところが、地主さんは、必ずしもこれをされているとは限りません。
このような建物を建てたらどうかな?
この思いつきで始めます。
そして思いつきができたら図面を引きにかかります。
そして銀行と話をします。融資がついたらそこで建築を始めます。
これでうまくいく場合もあります。
うまくいくとは、すべての必要諸経費や金利を支払って、自分の手元にいくらかお金が残ると言うことです。
けれども必ずしもそうではない場合があります。
せっかく作ったはいいけど、建築費と必要な経費を引いていったら、自分の手元にはほとんど残らなかった、あるいは借金が残ってしまった。
このような話も時々、聞きます。
さらに、街でみかけた不動産について、その投資採算性を考えることがあります。
お金がかかってそうな建物で、あまり繁盛していないようなレストランがあったりします。この建物を借金して作っていたとしたら、返済できてないのではないかなと思うことがあります。
かつてバブルがはじけた時に、不良債権として回ってきたのはこのような物件でした。
さて三回にわたってお話させていただいた、有効活用法、儲かる用途の見つけ方、まとめますね。
1 用途地域・道路を調べる(法規制)
2 地域にあるもの、ないものを調べる
3 時代の流れを読む
4 計算する(採算をみる)
5 限界をみる(伸びしろ・さげしろ)
です。いかがでしょうか?
この中でも大切なのは、時代の流れを読んでシナリオを作る。
それをしっかり数字で計算する。
ブレが少ない用途で考える、これではないでしょうか?
もちろんこれはあくまでも目安なので、
実際の投資分析・有効活用分析は、
ぜひ専門家に相談してみてくださいね。
不動産の投資分析、儲かる不動産活用方法、はいかがでしたか?
不動産の投資を考える方には、知っていただいても良い内容ではないかと思ってお話しさせていただきました。
今日も最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
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