こんにちは、あなたの心に寄り添う自分軸アドバイザー、ユキーナ ・サントスこと富塚祐子です。

前回は、従業員をモチベートする、社長が自分の分身を育てるには?そのコツをお話しています。

やはり、中小零細企業で、ビジネスを広げていこうとすると、人数を増やしていくことが必要です。けれども、名もない中小零細の企業に、優秀な人材が来てくれるはずもない、という前提もあります。

 

能力があり、熱意があり、そしてしっかりした考え方を持っている方々が、自分の会社で働く意義を見つけてくれるには、私の会社は「他では得られないような付加価値」を提供することが必要だと思いました。

それではどのような付加価値を与えれば良いのか?

この観点から、京セラの名誉会長、稲盛氏がおっしゃっているポイントは、次のとおりです。

1  自分の分身を作ること
2 信者を作る
3 仕事の意義を説く
4 ビジョンを掲げる
5 ミッションを確立する
6 フィロソフィーを共有する
7 おのれを無くす(とって変わられる覚悟)

 

今回はポイント4-7をお伝えします。

 

4  ビジョンを掲げる

 

「企業に集う人々が、共通の夢、願望を持っているかどうかで、その企業の成長力が違ってきます。素晴らしいビジョンを共有し、こうありたいと会社に集う従業員が強く思えば、そこに強い意志力が働き、夢の実現に向かって、どんな障害をも乗り越えようという、強大なパワーが組織に生まれてくるのです。
この夢、願望に至るパワーの原動力こそが、ビジョンなのです。「会社をこのようにしたい」というビジョンを描き、それを従業員と共有し、そのモチベーションを最大限に上げていくことが、企業を発展させていくにあたり、大きな推進力になるわけです。」

 

 

5 ミッションを確立する 

「言葉を変えれば会社の使命を明らかにし、それを従業員と共有するということです。」

京セラは、「全従業員の物心両面の幸福を追求する」ということをミッションにされています。

この幸福とは何か、これに対する答えが、ブラジルの盛和塾でのエピソードに表れています。ブラジル盛和塾の塾生の方の発表がありました。ブラジルの中小企業の経営者の方たちが、彼らの子供と一緒に、事業を拡大してきたというお話がありました。それを受けて稲盛氏がこのように話されています。

 

「ブラジルの場合には、私の考え方、人生観、価値観を勉強された塾生の方々が、息子たちにもブラジルの盛和塾に入塾してもらい、ともにフィロソフィーを学ばれています。2世、3世と世代を重ねているため、日本語がよくわからない方もいらっしゃるので、私のフィロソフィーをポルトガル語に翻訳し、ポルトガル語で勉強されていました。そしてフィロソフィーを学ばれた子供たちは、親に対して感謝を述べるとともに、自ら事業を受け継いでいく決意を表明されたわけです。親御さんは親御さんで、これまでの越し方を振り返り、将来、子供たちに託していくにあたり「こういう考え方で事業を経営してくれよ」という話をされたわけです。
何かドラマのワンシーンを見ているようで、お話を聞きながら涙が出て止まりませんでした。嗚咽が込み上げ、ついには声を上げて、私は泣いてしまいいました。発表の間、涙で前が見えない位に感動しました。日本を離れて異国に来て、頼るものが何もない中でがんばっておられる。その中で人生の支えになっていく考え方、人生観、価値観を手に入れ、それを親子で共有して生きていく。私はもう81歳になりましたが、そうした感動的な話を聞き、またブラジルの塾生のみなさんが救われ、喜んでおられる様を見て、ボランティアで盛和塾という経営塾をやってきて本当によかった、続けてきた甲斐があった、と自分で報われる思いがしました。
やはり、人間は生きていく中で、他人様の役に立ち、他人様が喜んでくださり、他人様が幸せになってくださることを成すことが一番大事なことだと私は信じています。」

 

この、人の役に立つ喜び、これを目指すのがリーダーであり、私もこのようなリーダーを育てていきたいと強く思っています。

「親孝行はすべての徳の根本であるという言葉があります。利他の始まりは親を思う心からなのです。つまり、人を慈み、人を大切にするという、その利他の始まりは親を思う心からです。そうした純粋で美しい心を持っている人であれば、素晴らしい経営者にもなれるはずですし、素晴らしい人生を送ることができるはずだと私は確信しています。」

→私の父は4年ほど前に亡くなりました。「謙のみ福を受く」という言葉の通り、いつも腰が低く、大変、謙虚な父親でした。

父親が元気だった頃、私は1度も父親を尊敬したことがありませんでした。自分は、なんと未熟で、愚かな人間だったのかと思います。

この業を背負って、私はこの先、弊社で共に頑張ってくれる仲間たちのご両親を自分の親のように大切にさせていただきたいと思います。またある意味、私の子供たち(弊社のスタッフとなってくださるパートナーの方々)を、これまで私の代わりに育ててくれた方、という思いを持って接しようと思っています。

  6 フィロソフィーを共有する 

 

経営者自身がフィロソフィーを学び、それを通じて社内で共有することを努めていかなければなりません。

私は、損益計算書の分析をする機会をいただきました。昨日は、大塚家具と、こちらの大手不動産会社様の損益計算書分析しました。

稲盛氏がおっしゃるように、会社は絶対に社長の器以上にはなりません。それであるならば、社長は生涯、自分の理念を高めていかなければならないのだと思います。

 

7 おのれを無くす

「私は、企業統治とは、まずはこれらのことを徹底して行い、従業員に共鳴し、賛同してもらい、そのモチベーションを高めていくこと、それしかないと思っています。」

 

フィロソフィーの導入を始める企業さんの中で、フィロソフィーの輪読会を始めたところ、従業員から反発があったという話を聞きます。

どのような反発かと言うと、従業員の方がこのようにおっしゃったそうです。
「これは稲盛さんという偉大な経営者のやっていることで、それをそのままコピーして、これまでのうちの会社と、全く違うことをやろうとしているのは、全く理解できないし、賛同できない。」
と言われたそうです。

ここにはいくつか見方があります。けれども1番大きなものは、この発言をした従業員の方は、「自分で自分のことを馬鹿にしている」ということです。

俺がこんなことをやったって何になるんだ、
どうせうまくいくわけがない、
柄にもない馬鹿なことをして、恥をかいて終わりだ。
人から馬鹿にされるのがオチだ。

社長だってそんな器じゃないくせに、
よくこんなこと言って恥ずかしくないな。
ばかばかしくてやってられない!!

このような思いがあるので、稲盛さんがおっしゃることのように「真正面からの正論」には素直に反応することができないのです。

もし私が、この会社の社長であったならば、このように答えようと思います。

あなたは、自分で自分のことを馬鹿にしてらっしゃいますね。

自分で自分のことを馬鹿にする人は、どんなことをしても幸せになることができません。弊社の目的はあなたの物心両面の幸福を追求することです。

自分で幸せになりたくない方を私の方で幸せにすることはできません。

しかし、幸せになる気持ちがあるのであれば、自分で自分を馬鹿にするところをまずは変えていきましょう。

もちろん、私は経営者の質としては稲盛氏とは雲泥の差がある、一介の人間です。

けれども心を変えました。だから行動が変わりました。私の行動はばかばかしく見えるかもしれない。あなたが馬鹿にしたくなるような内容かもしれない。
けれどもどうぞ馬鹿にしてください。私がばかにされることは、あなたが幸福になるうえで重要ではない。
私はあなたの人生を豊かにすることを決してあきらめない。

このようなことを、言葉や表現を入れ替わり、立ち代わり使って、真剣に解いていこうと思います。

おのれを無くすとは、とって変わられる覚悟だと思います。

従業員をモチベートすることの究極の意味は、社長が「自分自身を捨てきれるかどうか」ということだと思います。

社長が、従業員からこのように突っ込まれて格好悪い思いをする。

人前で恥をかく、情けない思いをする。

この社長の内面のダメージと、従業員が幸せになる事を比べたら、後者の方が断然価値が高いのです。

自分の人生の目的は、自分が傷つかないようにすることではない、こう考えてみます。

そうすれば、従業員が幸せになる事、これをそのまま会社の目的にできると思います。

社長が下記にこだわる限り、人は育ちません。

自分自身のこだわり、

プライド、

社長として君臨したいという思い、

他よりも一番になりたい、

認められたい、

他を支配したいという欲望、

 

社長がこれらにしがみつく限り、自分の分身を育てることなどできません。

この言葉の意味が、今回の稲盛氏の話から本当によく伝わりました。

今回は本当にタイミングよく従業員をモチベートするという内容でした。

私も、弊社のスタッフの方を心のそこからイメージしてこの内容を真摯に受け止めたいと思います。

今日も最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

 

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