こんにちは、
京セラフィロソフィーの中で、「見えてくるまで考え抜く」という項目があります。
「私たちが仕事をしていく上では、その結果が見えてくるというような心理状態にまで達していなければなりません。最初は夢や願望であったものが、真剣に、こうして、ああしてと何度も何度も頭の中でシュミレーションを繰り返していると、ついには夢と現実との境がなくなり、まだやってもいないことをまでもが、あたかもやったかのように感じられ、次第にやれるという自信が生まれてきます。これが『見える』という状態です。こうした『見える』状態になるまで深く考え抜いて行かなければ、前例のない仕事や、創造的な仕事、いくつもの壁が立ちはだかっているような困難な仕事をやり遂げることができません」
とあります。今回は特に、この「見えてくるまで考え抜く」について、具体的なポイントを教わったように思います。そのポイントは次の通りです。
1 思うこと
2 事業計画を作り込むこと
3 経験を活かすこと
4 先を読むこと
5 リアリティ(現実感)を感じること
6 成功体験を持つこと
1つずつ説明します。
1 思うこと (集中)
「仕事のことを一生懸命考えている時間が、1日のうちの最低6割から7割を占めていなければなりません。。。。。私は99%、会社のことを考えてきました。そうでもしなければ、経営者として怖かったからです。私が社長として全神経を会社に注いでいる時だけ、企業という組織が生命体になるのです。つまりは、経営者がいかに自分の仕事にコンセントレーション(集中)するかが大事なのです。」
2 事業計画を作り込むこと
例えば、先程の飲食店の場合、現在13店舗であり、今はちょうど店舗拡大のチャンスだとします。あくまで例えですので、真に受けずに聞いていただきたいと思います。今日の私の話を聞いて、『あの店のベテランの店長を新しい店舗に回そう。既存の店舗であれば、2番手の彼でも十分に(店長の任を) 担えるだろう。展開が難しい店舗に1番のベテランを持っていこう』と頭で考える。
物件も豊富にあれば、銀行に聞いてみても十分な資金を出してくれる。そこで、今ある13店舗に対して、向こう一年半の間にもう7店舗を作って、全部で20店舗に増やそうと構想し、具体的に売り上げ目標を設定していく。
そういう具体的な目標を立て、まだ店舗を作っていないうちから、まるで既に店舗があるかのように想像するのです。
3 経験を活かすこと
ちょうど将棋を指すように、シミュレーションを繰り返していきます。例えば、『銀行から3000万円を借りてきて店舗を作った。従業員は何人で、売り上げはあの界隈であればこのぐらいだ。売り上げがあまり良くない原因はサービスが悪いからだろう』というように考え尽くすわけです。
4 先を読むこと
ですから、飲食店の場合であれば、売値に対して、その3割以下で仕入れが出来るような値決めをして、一生懸命売れるように頑張る。。。一生懸命売上を追求した結果、その月の売り上げから経費を全部引いた残りが利益になる。。。大切な事は、店長にその責任を担ってもらうということです。つまり税引前純利益が10%位あって、経営している店舗全てが黒字だというのであれば、確かに事業展開のチャンスです。
私は事業を実行する前には、必ずそういう具体的な目標を立て、まるで映画を見るようにシミレーションします。毎晩、下手な映画を見るよりもずっと面白いものです。お金は1銭もかからないわけですから、資金も入りません。たとえ失敗したとしても、全部頭の中だけのシュミレーションですから、やり直しはいくらでもききます。そのように頭の中で繰り返し繰り返しシミュレーションをしますから、実際に事業を始めてからの失敗はあまりないのです。
5 リアリティ(現実感)を感じること
頭の中でシミュレーションを繰り返しているうちに、ふつふつと成功した時の姿が湧いてきて、『できそうだ』という思いになってきます。それを私は『見える』といっています。よく部下にある課題を与えて考えさせて、『見えてきたか?』と問います。見えてきたものがモノクロでは、まだダメです。カラーで見えて来なければいけません。カラーで見えてくるようになれば、実際に資金を投入して事業を始めます。そうすれば、九分九厘成功します。
6 成功体験を持つこと
先程の飲食店の話に戻りますと、( 不景気に新しい店舗を出すのは、)確かに今はチャンスです。チャンスですが、ここで気をつけていただきたいのは、今、経営している13店舗のレストランが、1店舗ずつの独立採算でぴしっと損益計算書が出てくるようになっているかどうかということです。
大事な事は人材がいるか、いないかです。事業というのは、資金や店舗となる物件があるから展開するのではありません。人がいるから展開できるのです。。。。問題はそれほど優秀ではない人を、どう立派に育てるかです。
その会社の器にあった人しか来ないのです。それに対して、『うちは人材がいないから』と言っていたのでは、天に向かって唾を吐くようなものです。天に吐いた唾が全部、自分の顔に落ちてきますから、これほど愚かな行為はありません。。。。その人たちを経営者と従業員が一体になって、本当に芋の子を洗うようにして研鑽を積ませていき、「金の人材」にするのです。。。。神様が与えてくれた宝だと思って、一緒になって努力をすることが大切です。
→ 合気道で、「宇宙の心、我がうちに」という考えを学びました。「自分の存在のひとつひとつに、細胞の一つ一つに、宇宙の意志が宿っている」、という意味だと思います。それは、自分自身も、自分の会社のスタッフもどちらも同じです。お互いが相手の存在のなかの宇宙に気づき、そこに感謝し、エネルギーを注いでいく、こうしたことでお互いの信頼関係が得られるのではないかと思います。
こうして信頼して任せて、経験をつみ、シミュレーションの精度をあげる。こうした努力が必要ではないかと思いました。
さて、まとめますと、強く思い、四六時中考え、経験を投入し、仲間とともに研鑽する。こうしたことが計画を成功させるキモだと思いました。
今日も最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
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