こんにちは、
士業ビジネス、飲食やレストラン等では、優秀なスタッフの定着率が悪い、という問題があります。
経営者のAさんが、京セラの名誉会長稲盛氏に質問をしました。
どのようにすれば定着率が高まるのかという観点から稲盛氏がお話をされています。
そのポイントは下記です。
1 経営理念をしっかりさせる(利他の心を経営理念の中心に置く)
2 一生懸命に説き続ける
3 業績が良くなることを見せる
4 オンリーワンを目指す
5 追わない
6 自ら選ぶ
今回は、4-6を説明します。
4 オンリーワンを目指す
「この専門家事務所の社長、Aさんは自分の会社をナンバーワンかつオンリーワンの事務所にするとおっしゃいました。本来なら、一匹狼が群れているような事務所だった。それでも業績は良かったのでしょうけど、みんながこの会社にいて良かったと思ってくれるようになり、そして団結していけば、これほど強いものはないと思います。それがまさに先程の業績にも現れているわけです。専門家の数も10年前の3倍に膨れ上がり資格者の数も増えました。しかし一方で専門家を必要とする需要が減っていますとおっしゃいましたが、その中では力のある立派な事務所にしか、お客さんが来なくなります。」
中小中堅企業の皆さんも、また料理屋さん、レストランにしても、あるいは美容院や理髪店にしても、多くのところが同じような悩みをお持ちなのだと思います。早く仕事を覚えて売り上げに貢献してもらいたいのだけれども、一旦、腕を磨いてしまえば、独立できるのではないかとなってしまう。独立しないまでも、俺にはこれだけの力があるのだから他の会社はもっと高い給料で雇ってくれるのではないか。。。となってしまう。
それだけにどうやって求心力をつけ、皆をまとめていけば良いのかという問題は、経営上の一番の問題になるわけです。大体、頭の良いインテリほど使うのに難しいものは無いのです。」
→頭が良くて成績優秀な方ほど、数字で見せると、半信半疑ながら、話を聞く姿勢がでてくるのではないかと思います。
5 追わない
以前の機関紙で、手塩にかけて育てた右腕が辞めていく、どうすれば良いか?という質問が稲盛氏になげかけられました。稲盛氏は、「人間としての原理原則を解き、このように人の道に外れることをすれば、あなたの人生は幸せなものにはならない、このように稲盛さんが言っていたと言いなさい」とおっしゃっていました。
人間が人の道に気づけば、お金や地位や名誉に心を動かされることが少なくなると思います。
私は人のお悩みを聞く機会があります。また困難なことがあり、苦しんでいる方を見かけることもあります。こうした悩みや困難は、全て例外なく、このご自身が作られているものです。ご自身で自分が作っている悩みの原因に気づけば、悩みはたちどころに解消します。けれども、人にはそれぞれ、その人の人生の課題があります。その人の魂が学んで気づくまで、その人に気づきを与えるために、困難なでき事が繰り返し、その方の人生に起こってきます。借金を繰り返す、結婚・離婚を繰り返すなどはその例です。
スタッフが会社をやめたり他社に移ったりするのは、その方が向き合う問題から目を背けているのです。この会社を辞めても、また次の職場で同じような悩みを持つはずです。その方が、問題に向き合うのは今のタイミングでは無いのだな、と思うと、その従業員を雇い入れておこうという執着がなくなるのではないでしょうか?
人は人生のいずれかのタイミングで、必ず学ぶ時があります。あるいは学ぶ事はなくして、今回の世を終わるかもしれません。けれどもその方の次の人生では、また同じ課題が出てくるのです。それは、その方が自分自身の課題に気づいて直していくしかありません。他の人にはどうすることもできないと思います。
その意味で、去っていくスタッフは、追うことができないのではないかと思うのです。
6 自ら選ぶ
頭が良く、良い学校を出ていてインテリで、成績優秀なタイプの人材は、自分に自信があります。京セラのような急成長のベンチャー企業には、よし自分の力を試してやろう、と思って入社してくるかもしれません。
それでも、京セラの一番の強みは、フィロソフィーです。
仲間のために頑張ることや、格好の悪い、いわゆる「どさ回り」、お客さんの前で自分のプライドを捨てること、このようなこともすべて経験することが必要です。フィロソフィーを導入している会社では各人がこのような下積みを経験するようになります。インテリの方は、自分は努力をして優秀なのだから、なぜわざわざこんな肉体労働をするのだ?意味のない仕事をするのだ?と格好悪い仕事をすることに抵抗があるかもしれません。このような下積みの仕事は、インテリの人が嫌だと思う経験です。京セラではこのようなことを経験しなければならないのです。
なぜなら京セラは、このような経験を通して従業員の魂を磨き、従業員の物心両面の幸福を追求しているからです。
最初からそれができないスタッフ、従業員は、やはり長続きしないのではないでしょうか?そしてそのような人たちは、やはり経営トップが慎重にふるいにかけて選んでいく必要があると思います。
さて、士業などの専門スキルが重要になる仕事で、どうすれば離職率を下げることができるか?という事ですが、ポイントは下記になります。
1 経営理念をしっかりさせる(利他の心を経営理念の中心に置く)
2 一生懸命に解き続ける
3 業績が良くなることを見せる
4 オンリーワンを目指す
5 追わない
6 自ら選ぶ
中でも1番大切なのは、フィロソフィーを説くことと、会社自らが、「自分たちの会社はこのような会社だ!」、ときちんと特徴を表立ってアピールし、それに合わない人は、たとえインテリであっても、有名大学を出ていて十分な経験があっても、バサバサ切っていく、このような姿勢が、ある意味必要ではないかと思いました。3
今日も最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
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