こんにちは、
今回、稲盛氏は、ご自身の経営者としての原点のお話をされています。
ご自身の原点として、このような考え方があったから、現在の自分がある、とおっしゃっているように思います。
ですので、今回改めて、稲盛氏の教えと、それをどのように日々の仕事に生かすのか、これを考えてみたいと思います。
一番中心となるのは、「人間として正しい道を歩く」、ということだと思います。
「」は稲盛氏のお言葉です。
稲盛氏が尊敬する西郷隆盛翁は、このように言っているそうです。
「どんなに大きいことでも、またどんなに小さな事でも、いつも正しい道を踏み、真心を尽くし、決して偽りのはかりごとを用いてはならない。人は多くの場合、あることに差し支えができると、何か計略を使って、いちどその差し支えを押し通せば、後は時に応じて何とか良い工夫ができるかのように思うが、計略をしたための心配事がきっと出てきて、その事は失敗するに決まっている。正しい道を踏んで行う事は、目の前では回り道をしているようであるが、先に行けばかえって成功は早いものである。」
この具体例として、第二電電の話をされています。
インフラや経営資源があった企業がすべてなくなっていった、とお話されます。
「・・・・現在、その新電電の中で生き残っているのは第二電々だけです。それも売り上げ5兆円に迫る通信会社KDDIとして、隆々と栄えています。西郷南洲が言っているように、ことを成していくのに策略を用いれば、一旦はうまくいくように見えます。しかし長いスパンで見れば、それは決してうまくいかないのです。策をめぐらし、戦略戦術を練ってみたところで、あまりにも難しい事業だとみんなが足踏みし、逡巡します。その時に『世のため人のために』というような思いを信念にまで高め、ただ懸命に努力を続けた企業だけが成功したのです。」
あと2ヶ月で2021年も終わります。ありがたいことに弊社は、2件、不動産関連の契約をいただくことができました。
そのうち1件は、物件の所有者様から直接弊社にご依頼があったものです。
単体では小さいので、周辺の土地と合わせての売却も検討いたしました。その中で、既存の建物の解体費用が問題になりました。こちらに関与する、不動産業者様が、解体費用の操作を試みました。これは、その不動産業者様のお客様に利益をもたらし、他の所有者様は損を被る、という結果を意図したものでした。
ここで、西郷翁や稲盛氏がおっしゃるように、『策を弄した』のです。その結果、各人が、隣接地と合わせての売却ではなく、単独での売却に踏み切っていくようになりました。『策を弄した』けれども、その思う通りにはならなかったわけです。
私のお客様には、必ずこの物件を売却するという強い思いがございました。そのお客様の思いのおかげだと思います。とても良い条件で、しっかりした買主様に売却させていただくことができました。今は、こちらのフォローをしっかりやらせていただいています。
あともう一つは、日本国内の、大手の不動産業者やコンサルタントが全て断った仕事です。
条件が非常に難しく、手間暇がかかり、特殊な技能も必要になります。けれども、その割には報酬が安い、それで皆さん、お断りになられたのだと思います。
弊社は、喜んでそのお仕事をお引き受けさせていただきました。
そしてどうすれば、不動産の開発業者様、購入者様が気持ちよく取引を行うことができるか、ここに全神経を集中して考えました。
人間として何が正しいのか、ここに軸足をおいて、あらゆる困難な局面を考えてきたと思います。「買主様の不安を解消するためにこのような措置を取ろう」
あるいは「売主様はこの部分を大変心配しておられる、だからこのように説明させていただこう。」等、検討を重ねました。
何が事実かを把握し、この業務の最初から今まで、大きなことも小さなことも、キチンと手続きを踏んで、売主買主、お互いが疑心暗鬼にならないようにオープンにしました。
契約の主要な部分は、お互いが譲り合うことで、合意をすることができました。私は、売主様、買主様、双方が、それぞれ相手方に、感謝と敬意を持っている、これをとても強く感じます。売主様も買主様も、どちらもとても素晴らしい方達だと思います。
とても難しいお仕事だと思いますが、1年足らずで、ここまでスムーズに事を成すことができました。このような案件に関わることができて、良かったなとしみじみと涙が出てきます。
不動産の取引は、金額が大きいので、「策を弄する」方達が多いように思います。
けれども、西郷氏や稲盛氏がおっしゃってるように、物事の本質は単純明快で、正しい道を、正しいままに、淡々とひたむきに、一生懸命努力すれば、必ず成就する、これを、身をもって体験させて頂きました。貴重な体験をさせていただいて、本当にありがたいと思っています。
稲盛氏の得度のお話を政道玄室氏が語っていらっしゃいました。
「何かものを一つ持つと、苦しみも一つ増えます。仏教では『執着が苦しみの元になる』と言います。ですから、幸せに生きていくためには、ものであれ、考え方であれ、折に触れ、身辺整理をし、荷物を手放すことが大切です。持ってばかりで捨てることを知らないと、心のバランスが崩れてしまいます。呼吸と一緒で吸ってばかりで吐くことを知らなければ、うまく生きていけないのです。…面白いことに、そうやって抱えていたものを一つ一つ手放していくうちに、だんだん自分の物の見方が変化していくの知ります。以前は大切に思っていたものが、それほど大切でなくなってくる。…その本質を知ることで、当たり前の生活に戻ったときに、力強く生きていくことができる。稲盛さんご自身も、会社を離れて修行をされる中で、きっと自然にそういう過程を経られたのではないかと思います。その証拠に、得度された後の方が、日本航空の再建等さらに大きな仕事をされているのは、皆さんご承知の通りです。」
→ 稲盛氏も、毎回、きつく戒めているのが『えせインテリ』です。学歴やキャリア、これまで自分が築いてきたものにしがみついて、物事の本質を見落とす人々です。私は自分が『えせインテリ』だと自覚しています。これまでの自分は、自分の存在意義を人から認めてもらおう、自分が他よりも優れてなければいけない、他人よりも高いところにいる人間だと認めてもらわなければいけない、このように思っていました。これは手放すことができなかった執着です。
けれども、お客様に満足いただく、「和」を作り出す上では、自分のプライドなど何の役にも立ちません。
ここに少しずつ気づいてから、相手に照準を合わせること、それを少しずつ理解できたように思います。
それが、一歩一歩、弊社がお仕事を進めていく上で何か役に立っているのではないかと思います。
ここで稲盛氏がおっしゃっているように、「謙虚にして奢らず、さらに努力を!」が大切だと思います。現在の努力が未来を作る、そのように思って、慎重に一歩一歩進めていきたいと思っています。ありがとうございました。
今日も最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
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