こんにちは、
今回も京セラフィロソフィの前書きにあたる部分をご紹介します。
「心を高める」という段の前書きです。「」内は稲盛氏のお言葉です。
一人の人間としてこの世に生を受けて生きていく、その人生の目的、意義とは何だろうかということを、私はこの数カ月にわたりずっと考えていました。そして、思案の後に、『心を高める』ことこそが、人生の意義であるという結論に達したのです。
『心を高める』、
『心を立派にする』、
『心を純化する』、
『心を浄化する』、
『美しい心を作り上げる』、言い方こそ違え、このように努力することこそが人生の目的であり、人生を意義あるものたらしめるのは、まさに心を高めることにある、そのことに、めぐりめぐって私は気がついたのです。」
『仏教聖典』のなかのお釈迦様の言葉を稲盛氏は引用されています。
「この世界は心に導かれ 心に引きずられ 心の支配を受けている
迷いの心によって 悩みに満ちた世間が現れる
すべてのものは みな心を先とし 心を主とし 心から なっている
汚れた心でものを言い また身で行うと
苦しみがその人に従うのは
ちょうど牽く牛に車が従うようなものである
しかし もし善い心でものを言い または身で行うと 楽しみがその人に従うのは
ちょうど影が形に添うようなものである
悪い行いをする人は その悪の報いを受けて苦しみ
善い行いをする人は その善の報いを受けて楽しむ
この心が濁ると
その道は平らでなくなり
そのために倒れなければならない
また 心が清らかであるならば
その道は平らになり 安らかになる
心が濁ると、我々が歩む人生は耐えられなくなって、そのために、われわれは倒れてしまうであろう。一方、心が清らかであれば、人生という道は平らになり、安らかに生きることができるだろう。
お釈迦様は、心というものをこのように表現しておられるわけです。
これは経営にも当てはまることです。
心が清らかであれば、経営は安定したものとなります。「心を高める」という事は、心を善い方向に導いていく、心を美しくしていくことであり、それは人生や経営までも好転させていくもとになるのです。」
→ 「心を清らかにする」、これについて稲盛氏が上のように書かれています。
私は、フィロソフィについて、まだまだ学びの途中です。
ですが、この箇所を読んで、「心を清らかにする」とはどのようなことか考えてみました。
「心を清らかにする」とは、おそらく次の2つではないかと思います。
1 潜在意識に善を持つ= 宇宙の愛を信じる
2 自分に嘘をつかない= 内面の統一
ひとつづつ説明します。
1 潜在意識に善を持つ= 宇宙の愛を信じる
これは、私たち一人一人が、世の中や世界をどのように見ているか、ということだと思います。清いものばかりではなく、俗にまみれたものも存在する、これがこの世界です。
潜在意識とは無意識です。
顕在意識ではっきり理解し、認識していないけれども、ぼんやりと、おそらくこうではないか、あるいは、「必ずそうに、違いない」、と思っている「前提」です。
性善説や性悪説と考えてもいいと思います。
自分が性善説にたっているのか、それともすべては悪だと認識しているのか、この違いのようにも見えます。
このような立場の違いがあり、その中でも、物事を素直に捉え、宇宙に流れている愛を見つけること、これが大切だと思います。
世の中には悪がはびこっている
権力者には、巻かれなければやっていけない
弱者はいつも虐げられる
この世に愛などあるはずがない
これらはすべて、世の中をひねくれてみた、マイナスの考えです。
こうした思いは、人間の潜在意識の中に染み込んでいきます。
そうすると、その人の目の前には、潜在意識で思い描いた現実が現れることになります。
しかし、宇宙に溢れているのは愛です。
これが我々のお腹の底に、胆識として落とし込まれることが大切です。
我々の潜在意識が善になった時、心の浄化が進むように思います。
それを稲盛氏は、「心を清らかにする」という表現をされているのだと思います。
2 自分に嘘をつかない= 内面の統一
世の中では、嘘をつくことが、日常になっています。
メディアやマスコミを見ても、世界の情勢や時事問題を見ても、嘘がとても多くなっているように思います。
悲しいことに、日本の社会も、嘘が多くなったように思います。
私も、かつては無意識のうちに、嘘をたくさん言っていたように思います。
だから自分の人生は、幸せではなかったのだと思いました。
自分が心から幸せを感じることが、少なかったように思います。
心理学の観点で嘘を考えてみます。
つまり嘘と、心と体の関連性を見てみます。
強い自己否定、
他人への攻撃性、
被害者意識、
現状に対する不満、
こうした傾向は、嘘と関連しているように思います。
you嘘の根底には、自分が自分を信じることができない、この思いがあるからです。
これは自分の中で、内面の不統合をひき起こします。
それが、心の不統合を起こします。
自分の中にいくつもの自分がいて、一人が他を許せず、一人がまた別の人格を否定し、騙します。こうした心の動きが絶えず続くと、人の心は、濁って、よどんでいきます。心を曇らせます。
心が曇ると、正しい判断ができなくなります。
やがてはその人の体や健康を害するようになります。
会社のトップが正しい判断を行うことができないと、経営結果が悪くなります。
会社の存続の危機にもなりかねません。
大元は、会社のトップが嘘をつく、ここに原因があります。
トップの心が濁れば、会社の「氣」、「雰囲気」、「社風」、「空気」がよどんできます。
この先、伸びていく会社は、進取の気質にあふれ、自由でのびやかな氣、エネルギーにあふれていなければなりません。
会社の社風や空気を決める、すべては「氣」であり、その「氣」をきめるのは、トップの心になります。
トップの心は清く、透明で、エネルギーが溢れたものでなければいけません。
そのために、日々、トップの心の濁りをとることが必要です。
自分に嘘をつかないこと、これが心を綺麗にするために、必要不可欠なものであると思います。
清らかな心とは、次の二つを満たすものだと思います。
愛を信じること、そして、正しく、正直であること、これから心の清らかさ、内面の統合が生まれてくると思います。
このテーマは折に触れて考えてみたいと思います。
考える機会をいただき、ありがとうございました。
今日も最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
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