こんにちは、あなたの心に寄り添う自分軸アドバイザー、ユキーナ ・サントスこと富塚祐子です。

今回は、標記のテーマで、稲盛氏が次のように経営の要諦をお話されています。

稲盛氏のお言葉は「」で引用させていただいています。

 

「物事を処理するにあたっては、どんぶり勘定で捉えるのではなく、

ひとつひとつ明確に対応させて処理することが大切です。

例えば、伝票なしで現金や物を動かしたり、

現金や物の動きを確認せずに伝票のみで処理する

というようなことがあってはなりません。

売掛金の集金チェックにしても、

どの売上分をどの入金分で受け取ったのかを

個々に対応させながら一対一で消し込むことが必要です。

また生産活動や営業活動においても(総生産)や(総収益)といった

いわゆる収益とそれを生み出すために要した経費を正確に対応させ、

厳密な採算の管理を行うことが必要です。」

この一対一を正確に、確実に実行していくためには、

なぜこの制度が必要なのかを考えることが大切です。

私は次の三つのことを考えると、

この制度の存在意義がわかるのではないか、と思います。

 

1 本当の優しさを考える

2 慣習を当たり前にしない

3 不正をみつける仕組みを考える

 

一つづつ、稲盛氏の説明を引用しながら、話していきます。

 

1 本当の優しさを考える

年配の、実直で優しく、人柄もいい、真面目な営業社員がいました。

その社員の顧客から、何か月たっても売った商品の代金が入金されないのです。

その社員は、気が弱かったために、納品伝票にお客様の印鑑をもらうことができず、

商品が納品されていないことになっていたのです。

お客様は納品伝票がないので支払いの経理処理をしてない、ということでした。

「その営業担当者も自分でお願いに行ったらしいのですが、気が弱いものですから、

お客様に強く言えず、結局そのままにしておいたというのです。

このように気の弱い人が一人でもいると、とんでもないことになってしまうわけです。」

と稲盛氏は言います。

おそらく稲盛氏は、この納品伝票の一件があった時に、

なぜこのようなことになったのか、を考えたのだと思います。

彼はたしかに、真面目で実直で、よく働く、けれども気が弱い。

もともと、納品したら、納品伝票をしっかり受け取り、経理にまわす、

このような仕組みがあれば、最初に納品伝票がない時点で分かったはずだ。

彼もその時に、上司に相談できたかもしれない。

そうだ、物と伝票が、一対一で動く仕組みを作ろう。

「罪を憎んで人を憎まず」ということわざがあります。

稲盛氏はおそらくこのように考えたのかもしれません。

会社の中で発生する不正や、経理・会計上のトラブルはその人間が悪いのではない。

その行動ができるような仕組みがいけないのだ。

人に罪を作らせない、気弱な社員であっても、

売掛金がしっかり回収できる仕組みが必要なのだ。

彼は気が弱いから、と見逃していたら、その人のためになりません。

また、不正が起こったときに、その不正を起こした人に罰を与える、

それだけでは、問題の根本原因が解決しません。

その人のために何がいいのか、何が、その社員の人間性や魂の成長になるのか、

それを考えたときに、一対一対応がでてきたのだと思います。

これは言い換えれば、会社側の優しさということになります。

 

2 慣習を当たり前にしない

日本のある商社で、顧客と組んで架空の売り上げを作り、

次の決算期でその売り上げを消す、という操作をしている、

このエピソードを稲盛氏が話しました。

「私は経営数字というものは経営者が作るものだと思っています。

しかしそれは不正をして作るものではなくて、

経営者のこれだけの売り上げを立てたいという意思で作るものです。

それが実際には伝票操作をしながら、都合のいいように作られている。

中小零細から大会社に至るまで、このような粉飾まがいのことを

行っている経営者はたくさんいます。

品物がないのに伝票だけが動くことなどありえない。

また、何よりも粉飾決算を許すというようなことは、

絶対にあってはならないのです。

そのために私は一対一の原則の必要性を訴えているのです。

たとえ社長であろうとも不正できないように、

つまり、経営者自身を縛るためにも一対一対応の原則は設けたわけです。

またそれは、周りから見た場合、その企業ではフェアな決算が行われている

という企業の透明性を証明することにもなるはずです。

企業経営の透明性を高めるためにも、

この一対一対応の原則は非常に大切なのです。」

→業界で行われていることを当たり前だとしていたら、

このような発想はでてきません。

それが当たり前であろうと、業界の慣習であろうと、

「嘘をついていたら、周囲から信頼されなくなる」ということを、

体験を通して、理解することが大切です。

稲盛氏はこれをおっしゃっているのだと思います。

 

3 不正をみつける仕組みを考える

稲盛氏はこのようにおっしゃっています。

「一対一対応が行われているかどうかを、瞬時に見分ける方法があります。

どの会社でも、売上と利益は毎月変動するものですが、

売上げの変動は仕方ないとしても、売上げ利益率はそう変わらないはずです。

ところが、その利益率の変動幅があまりにも大きいところは、

まず一対一対応ができていないのです。

管理部門がしっかりしていない会社では、

大体一対一対応ができていませんから、必ず変動が見られます。

そのようなところは、グロス、例えば上期なら上期でまとめてみると

利益が出ている、あるいは通期で利益が出ていても、

月々を見れば良かったり悪かったりとまちまちなのです。

そんなことでは自分の会社の状態がいいのか悪いのか、

さっぱりわかりません。」

このような利益のブレがあると不正を見つけることもできなくなります。

会計上の操作がしやすくなります。

そもそも、不正を作らない仕組みが大切なのだと思います。

そのためには、おかしいときにはすぐにわかる、

という仕組みづくりが大切だと思います。

気弱、優柔不断という性格のスタッフでも、

納品処理や売掛金回収がしっかりできるようにする、

悪しき習慣を断つ、そして不正や誤りをみつけやすくする、

だから一対一対応が必要なのだ、と認識する。

スタッフさんと一緒に私も学び、理解したいと思います。

 

 

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今日も最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

 

 

 

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