こんにちは、あなたの心に寄り添う自分軸アドバイザー、ユキーナ ・サントスこと富塚祐子です。

今回は、「地味な努力を積み重ねる」というテーマで稲盛氏がお話されています。

大きな夢や願望を持つことは大切なことです。しかし、大きな目標を掲げても、日々の仕事の中では、

一見、地味で単純と思われるようなことをしなければならないものです。したがって、

ときには『自分の夢と現実の間には大きな隔たりがある』と感じて思い悩むことがあるかもしれません。

しかしどのような分野であっても、素晴らしい成果を見いだすまでには、改善への取り組み、

基礎的な実験やデータの収集、足を使った受注活動などの地味な努力の繰り返しがあるのです。

偉大な事は最初からできるのではなく、地味な努力の一歩一歩の積み重ねがあって初めてできるということを

忘れてはなりません。

人生において1つの仕事を成し遂げようとした場合、ジェット機のように簡単に目的地に着ける便利な乗り物はないのです。

地道な一歩一歩を積み重ねていくしかありません。。。それはまさに賽の河原(三途の川)の石塞のように、

1つ積んではまた次の石を積む、という地味な作業の積み重ねです。しかしそれを繰り返しているうちに、

同時に100人、いや1000人が積むような会社になっていきます。1人がやれる仕事というのはたかが知れていますが、

大勢が一致団結して取り組むことによって、またそれを続けていくことで、やがては偉大なことを成すことができる。

そのことに私は気づいたのです。

地味な仕事を毎日毎日繰り返していると、飽きてだんだん嫌になってきます。

そこで私は、嫌にならないためのコツであり、同時に努力を加速させていく方法を自分なりに考えました。

それが『創意工夫をする』ということです。

(京セラが高い技術力を持つようになったのは)…もともと知識があったからでも、

最初から優秀な技術者がいたからでもありません。創業から今日に至るまで、

毎日毎日少しずつ改良改善を重ねていった結果、そのような高度な技術を身に付けるようになったのです。

全員が少しずつでもいいから工夫をする、その集積が、京セラの広範な技術のベースとなっているのです。」

稲盛氏はこのような例をお話しされます。

「工業用ミシンを30台並べ、1枚縫ったらいくらという賃加工で従業員に工賃を支払う縫製工場(零細企業)だとしましょう。

…新しいことに挑戦すると必ず行き詰まって『これはどうしたらいいのだろう』と考えることになります。

いろいろな人に聞くうちに、『それだったら、繊維産業ではないけれども、

こういう産業で同じようなことをしているところがありますよ』などと教えてくれる人に行き渡あたります。

『あぁ、なるほど!こういう素晴らしいやり方があったのか』と気がついて、それを自分のところに共有し、改善していく。

そういうことを次から次へとやっていくと、それまでは型紙や布地を支給してもらって裁断と縫製を行い、

1枚あたりいくらというふうにただの賃加工をやっていたのが、ミシンの縫い方をどんどん工夫しているうちに、

いろいろな縫製技術を身に付けた専門業者になっていくのです。

地味な努力を積み重ねることが大切です。その積み重ねの中で創意工夫をし、改良改善を続けていくことが、

中小零細企業から大企業へと変身を遂げていくただ1つの方法だといってもいいと思います。

稲盛氏は、このようにおっしゃいます。

改善を重ねるコツは次のようなことではないかと思います。

1 日課(ルーティーン)を見直す

2 情報を足でかせぐ

3 早く人を助けたいと思う

 

ひとつづつ説明します。

1 日課(ルーティーン)を見直す

「例えばボタン穴をかがるにしても、この前まではこうやってミシンで縫っていたけれども

今度はこうしてみようというふうに、いろいろな工夫を試みるのです。」

「命令でもって人を動かすのではありません。問題意識を提示すれば自然に人がそこに集まり、

周りに渦を作っていきます。そのような社風が必要なのです。」

「『同じことを繰り返す』というのは私の性にあいません。そのために、『昨日よりは今日、今日よりは明日、

明日よりも明後日』と、毎日工夫を積み重ねていく努力を怠らないように常に心がけてきました。

科学する心といいますか、『なぜこうなるのだろう』『もっと良い方法はないだろうか』とあらゆることに疑問を投げかけ、

また自分で考え工夫をし、社員にも訴え続けてきました。」(p184)

毎日の仕事の中に、不便に感じていること、おかしいなと思いながらも惰性で流していることがあるのではないかと思います。

稲盛氏は、このように、毎月の仕事を見直すことをまずお話しされています。

毎日のルーティンを見直す姿勢を持とうと思います。

2 情報を足でかせぐ

「このように、次から次へと芋づる式に技術を身に付けていくわけです。つまり、大学などで得た学問ではなく、

人から教えてもらう耳学問によって技術は進んでいくのです。大学どころではなく、

高校もやっと出たという程度の経営者でも、こうやって知恵をつけていけばいいのです。

そうやって発展していったのが、京セラです。この原点は、松下幸之助さんにあります。松下幸之助さんは、

小学校も出ておられず、すぐに丁稚奉公に行かれました。その後は、もっぱら耳学問で知識を伸ばしていかれたのです。

なぜ耳学問だけで伸びたのかというと、そこに創意工夫があったからです。『なんでやろ』と常に疑問に思い、

そこから工夫を重ねていく。この松下幸之助さんの精神が、松下電器産業をあれだけの大きな企業にしたのです。」

とあります。今は、ネットがこれほど発達している時代ですから、ほとんどの情報は、ネットで取ることができます。

けれども、ネットに上がってこない情報というのも、まだ相当数あると思います。

自分の耳に入ってくる情報にアンテナを立て、どんな情報が欲しいのかを、いつも明確にイメージしておく、

これだけでも、改善のヒントに近づけるのではないかと思います。

3 早く人を助けたいと思う

「人は実は、だれでも人の役に立ち、喜ばれることを最高の幸せとする心を持っています。

この『仲間のために尽くす』という事は、『世のため、人のために尽くす』ということに比べると

狭い範囲の利他業ではありますが、大変大事なことなのです。(P82) 」

言うまでもなく、自分が創意工夫を重ねることで、自分だけではなく、

仲間がより快適に仕事ができるようになります。そして同時に、『同僚の〇〇さんが頑張っているようだから、

自分も考えよう』、という気持ちにスタッフがなっていきます。

そして、困っている人を早く助けてあげよう、そう思って考えます。そうすると、天や神様は、

必ず何かヒントを与えてくれると思うのです。

このような人たちが増えていくと、会社の雰囲気も素晴らしいものになるように思います。

創意工夫を重ねるためのヒントは、1ルーティーンに着目する、2 足で稼ぐ情報を大切にする、3 早く人を助けたいと思う、

このようなポイントではないかと思います。私自身なかなか実行できてるとは思えませんが、

地道な努力を積み重ね、一歩一歩近づいていきたいと思います。

創意工夫を重ねること、これについて考えるヒントをいただきました。

ありがとうございました。

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