こんにちは、
天が助けたくなるリーダーの資質を話しています。
画像はこちらからお借りしました。http://www.peshawar-pms.com/acts/water_index3.html
この2つの話から、どのような条件があれば、天が味方してくれるのかを考えてみたいと思います。天が助けたくなるリーダーの資質は次の通りです。
1 きれいな心を持つこと(野心がないこと)
2 けなげにひたむきに努力すること
3 サムシンググレート(偉大な力)を信じること
4 自分の持っているものを世に伝えること
5 流れに逆らわない(与えられた仕事を懸命にやる)こと
今日は、4-5についてお話します。
4 自分の持っているものを世に伝えること
稲盛氏が、JALの再建を図った時に持っていったものはフィロソフィーとアメーバ経営の2つでした。この2つは、稲盛氏が数十年にわたる経営者としての体験の中で築いてこられた経営の要諦です。
中村医師は、アフガニスタンの大干ばつに対して、井戸を掘っていきました。けれども、医師は井戸では十分に耕作ができないと思い至りました。そこで川から水を引き込む灌漑事業に着手されたのです。その時に、中村医師は日本の様々な河川を見て廻られました。その中でも、ご自身が生まれ育った故郷の大牟田市の川が、過去、同じように氾濫を起こし、そのための治水から灌漑事業がなされたということに思い至ります。
中村医師は図書館などで古文書や昔の文献をたくさん集め、どのように治水をしていったのかご覧になりました。そこで得た知見をアフガニスタンに導入したのです。最先端の日本のテクノロジーを持っていくこともできたでしょう。それでは設置と維持管理にあまりにもお金がかかりすぎます。アフガニスタンの地元民の手でできることをやっていかれたのです。そこで役に立ったものは、自分が生まれ育った故郷や環境でした。
天や偉大なもの、サムシンググレートは、すでに自分の持ち合わせで何かができるように人間を作ってこられたのだと思います。自分に何かが足りてないと思うよりも、既に十分持っているもの、ここに着目すると考えている仕事がスムーズにできるようになります。
5 流れに逆らわない(与えられた仕事を懸命にやる)こと
「2009年末の事、私は日本政府と企業再生支援機構から、強い要請を幾度も受けていました。そのたびに「私の任ではない」と断り続けていたのですが、やがてそれも叶わなくなり、日本航空の債権を引き受けざるをえなくなりました。
しかし、引き受けると決めたものの、日本航空の債権について、私に自信や勝算があったわけでは決してありません。全くなかったと言っても良い位です。私だけではありません。日本航空が破綻した当初は、報道機関を始め、誰もが、この会社が長年抱え、なかなか解決がつかなかった様々な課題から、決して再建はうまくいかないだろう、二次破綻は必死だろうと考えていたことと思います。2010年2月、そんな山ほどの経営課題を抱え、倒産した企業に、航空運輸事業の経験など全くない私が、たった2人の京セラの役員と自分で作り上げた経営哲学フィロソフィーと、経営管理システムアメーバ経営だけを携えて向かっていったわけです。」
稲盛氏のそれまでの人生の試練は、やはりJALを救う=日本経済を立て直すことのために使ってほしい、と天が思われていたように私には思います。
中村哲先生も、アフガニスタンで灌漑事業を成功させるのですが、それまでのご自身の人生の全てが一つ一つのことが、アフガニスタンへとつながっていたとご自身の本の中でもおっしゃっています。
中村先生はクリスチャンとして、医師としてパキスタンに向かいました。現地のハンセン病患者を治療していきます。その中で中村医師が治療する地域が広がっていきました。そして、アフガニスタンは戦乱に巻き込まれ、さらに干ばつに見舞われます。人々は、安全な水さえあれば、生き延びることができるのに、水が無いためにたくさんの人がなくなっていきます。その状況を見て、中村先生はいてもたってもいられず、井戸を掘ることを始めます。
そして、中村医師は、アフガニスタンの方が、飢えることなく暮らすには何が必要なのか?ここに考えが至るようになります。医師は、最終的に用水路を作り、耕地を作る事に着手されます。
世界で最も大きい手作りの作品、と中村先生はこの用水路のことをこう呼んでいます。私も、なるほどこの灌漑事業は手作りだと思いました。先生を始め、作業員は、重い石などを運ぶための重機を使いました。けれども、土留めはアフガニスタンの植物で作られた籠を中心に作られています。この土留め嚢を作っていったのは、現地のアフガニスタンの方々でした。彼らは、こうした積み上げる作業が基本的に好きな民族だと、医師が書いています。中村医師が「もう今日は作業をやめよう」と言うまで、彼らは黙々と土留め用のかごを積み上げていきました。彼らの願いはシンプルなものです。飢えることなく三食のご飯が食べられること、そして家族みんなで暮らせること、彼らの願いはこの2つでした。ここに耕地ができれば、地元の人々は、難民になって他の国に行き、犯罪などに手を染めなくてもいいのです。安心して家族と一緒に暮らすために、炎天下の中でも、彼らは黙々と努力を続けた、と中村医師は書いています。
このような現地の方の思いに触れて、中村医師はご自身の人生を、その事業にささげるようになったのだと思います。
これが美談で終わってはならない。為政者が、我々がやったことをみれば、どうすれば国民が難民化せず、定住し、農業などの産業を興すことができるかがわかる。国や為政者が我々の事業を真似て、国策として行えばいい。中村医師はこれを意図しました。
偉大な事業、これを成功させるには天が味方してくれることが必要です。天が味方してくれるには、天が用意した流れに逆らってはならないのだと思います。
言い換えるとそれは、我々、一人一人が、今、自分の目の前にあること(仕事)を精一杯、丁寧に取り組んでいくことではないかと思うのです。
誰にも、自分の人生に、この先何が待っているかは判りません。偉大な事業を成し遂げる人には、そのようなレールが敷かれているのです。ですから稲盛氏や中村医師がやったように、我々に必要なことは、そのレールに沿って、自分が、今、何ができるかを必死に考え、その役割をこなしていくことだと思います。
稲盛氏は、ある製造会社の創業者であり経営者でした。その創業・経営のノウハウを持って、航空運輸業(サービス業)の事業を立て直せ、ということを天が稲盛氏に望まれたのです。
また、中村医師には、アフガニスタンの人々が、ここで安心して生活できるように灌漑事業(土木事業)をやれと天が医師に望まれたのです。
このように、自分の得意分野とは全く違うところに天がレールを作っていることもあります。けれどもそれが、私たち一人ひとりに必ず実行できるように天はそれまでの我々の人生を導いてくれているのだと思います。
さて、まとめますと、天が助けたくなるリーダーの資質は次のようなものです。
1 心が綺麗で野心がない。
2 努力
3 信仰(謙虚)
4 持ち合わせをフル活用
5 流れに乗る
ここで、もう一つ見ておきたいのは、お二人の偉大な日本人がなさった事業の目的が、具体的、現実的であったことです。稲盛氏がやった事は、JALを利益率世界一の航空会社にしたこと、中村先生がやった事は、アフガニスタンの荒野に耕地を作ったことです。
天はこのように、具体的、現実的で人々の幸せを実現することができる、このような目標に対して最大限の力を貸してくれるのではないかと思います。
目標が現実的であるかどうか、これもリーダーがチェックする内容ではないかと思います。
今日も最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
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