こんにちは、あなたの心に寄り添う自分軸アドバイザー、ユキーナ ・サントスこと富塚祐子です。

今回は京セラフィロソフィの「常に謙虚であらねばならない」について考えます。

稲盛氏はこのようにお話されています。

「世の中が豊かになるにつれて、自己中心的な価値観を持ち、自己主張の強い人が増えてきたと言われています。しかし、この考え方ではエゴとエゴの争いが生じ、チームワークを必要とする仕事などできるはずはありません。自分の能力やわずかな成功を鼻にかけ、傲岸不遜になるようなことがあると、周囲の人たちの協力が得られないばかりか、自分自身の成長の妨げにもなるのです。

そこで集団のベクトルを合わせ、良い雰囲気を保ちながら最も高い能率で職場を運営するためには、常にみんながいるから自分が存在できるという認識のもとに、謙虚な姿勢を持ち続けることが大切です。

 

中国の古典に「謙のみ福を受く」という言葉があります。傲慢な人間は幸運、幸福は得られない、謙虚な心の持ち主しかそれを得ることができない、という意味です。謙虚、つまりへりくだると言えば、何かみっともないような感じを抱かれる人もあるかもしれませんが、それは誤りです。人は、自分に誇るものは何もないからこそ威張り、ふんぞりかえって自己顕示欲を満たそうとするものなのです。たとえ控えめに、謙虚に振る舞うことによって他人から馬鹿にされても、それは馬鹿にする人間が間違っているのです。

 

企業経営では、集団のベクトルを合わせて、心と心で結ばれた良い雰囲気を保ちながら、高い能率で職場を運営していかなければならないわけです。この素晴らしい企業風土を醸成するためにも、経営者自身が謙虚な姿勢を持たなければなりません。経営者が率先垂範してそのような姿勢に努めることにより、従業員が後に続くことができるのです。」

 

稲盛氏はこのようにおっしゃっています。

 

私も、この箇所がとても大切だと思っています。

自分の人生を豊かにするために、そして会社経営をうまくいくようにするには、

この姿勢と考えが魂まで染み込んでいないといけないと思います。

 

謙虚な姿勢を保つためにはどうしたら良いのでしょうか?

私は次のことが、とても大切ではないかと思います。

1  弱い自分を認める

2 与えられているものに気づく

3 大嫌いな人をみる

 

ひとつづつ、具体的に説明します。

 

1  弱い自分を認める

自分は人よりも賢くなければいけない

自分は人から尊敬されなければならない

自分は人から好かれなければいけない

自分は人よりもお金を持ってなければいけない

 

このような思いがあると、人は、傲慢になります。

自分の親や経済力、影響力を他人に誇るようになります。

そうではなく、自分は弱い存在である、と気づくことで、上のような意識が薄くなります。

自分はとても弱い存在だけれども、従業員を守るために、より立派な人間になろうと努力している。このことが大切なのだと思います。

自分は、本当は弱い、これを知っているからこそ、他人の弱さを受け入れて、許すことができるのだと思います。

そして、弱い自分も受け入れてくれた世界や周りの人々に、自然と感謝が湧いてくるのではないか、と思います。

 

2 与えられているものに気づく

 

今の世の中では、ほとんどの人は、「持っていないもの」、「自分に欠けているもの」がとても気になります。

 

そして自分にはこれがない、と思った瞬間に、人は他の人から奪うことを考えます。

 

ないもの、は物質的な物にかぎりません。

名誉や尊敬、愛なども対象になります。

親子間や、兄弟の間で、自分には「ない」ことを実感すると、多かれ少なかれ、

親子の間で、あるいは兄弟の間で争うようになります。

 

こうした争いをさけるためにも、与えられているもの、既に自分がもっているものに着目することが大切です。必要なものはすべて与えられている、と考えることで、奪う気持ちがなくなります。そして、与えられていることに感謝の気持ちが湧いてきます。

これがあって良かった、と思うところから、人は謙虚になります。

 

3 大嫌いな人をみる

 

30代の頃まで、私は、自分の父親が大嫌いでした。

今から思い返すと、自分はなんと愚かで傲慢で鼻持ちならない、

嫌な人間であったかと思います。

 

私の父は、親から引き継いだ商売(ガソリンスタンド)を自分の代でつぶしてしまいました。人から騙される、経営の能力がない、家族を養うことができない、こんな父親を、私は心の底から軽蔑していました。

 

けれども、私は自分で経営をするようになりました。

そして、稲盛氏から、人生の方程式や、生き方、経営の要諦を学ぶ機会をいただきました。

 

そこで気づきました。

私の父親ほど、謙虚で素晴らしい人はいなかった、ということに気づきました。

父はけっして敵を作りませんでした。

私の母親は、老人ホームで経理の仕事をしていました。以前は家業の経理をしていましたが、お店が人手に渡ったので、別の経理の仕事を始めたのです。老人ホームの寮母さんから、母はよく次のように言われていたようです。

「あなたの旦那が働いてるガソリンスタンドによく行くけど、どんな若いお兄ちゃんよりも、あなたの旦那が一番、真面目に一生懸命働いてるよ。」

 

人は、見ていないようでもしっかり見てくれているのだなと思いました。

父のお葬式の時に、葬儀屋さんが、父の写真を見て、

「あぁ、スタンドのおじさんだね」と優しく言ってくださいました。

町内会の仕事を引き受けたり、父は、いろんな方から好かれていたようです。

それは誰よりも腰が低く、人と争わず、穏やかな人だったからだと思います。

 

父親から、謙虚な姿勢を学ぶために、私はこの人の娘として生まれてきたのだと思いました。

これは私の例ですが、自分が不快感をいだく人が自分の周りにいるとしたら、その人は、「謙虚さ」を教えてくれているのかもしれません。心理学では、他人は自分を写す鏡です。そして、自分に一番必要なことを、他の人が自分に教えてくれている、と考えることもできます。

まとめますと、謙虚さを持ち続けるためには、1自分の弱さをみとめる、2「ある」に気づく、3身の回りの不快な人から学ぶ、ことが大切だと思います。

 

今日も最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

 

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