こんにちは、
今回のお話では、京セラの名誉会長、稲盛氏が1981年に京セラ内部で教育用にお話をされた内容です。
幹部教育で最も大切なことを稲盛氏がおっしゃっています。
そのポイントは下記です。
1 捨て身(とって変わられる覚悟)
2 考え方を磨く
3 両極端を兼ね備える
4 私心をなくし、集団を代弁する
5 集団の利益を最優先する
6 物事を成し遂げる原動力は熱意
7 思い・念
8 すさまじい願望を持つ
9 常に多角化を考える。
10 人材は群生する
今日は6番以降を説明します。
6 物事を成し遂げる原動力は熱意
ものを作る、つまり物事を成し遂げるのは熱意なのだということです。哲学ではないのです。私は今まで、物事を成し遂げる原動力は哲学だと思って説いてきたのですが、実は熱意なのです。根性、執念です。その執念がものを作り上げる元なのです。もうダメだと言う時が仕事の始まりなのです。まだダメになっていない時でも、もうダメだと言って辞めていくような人であってはいけません。昔から、根性が足りなくて京セラをやめていく人がいたし、頭の良い人に限って先に辞めていきます。しかし、そういう人に限って、その後もうまくいっていないのです。京セラに今いる役員の中にも、昔はあまりパッとしなかったような人もいます。昔のことが不思議に思われる位です。
→ 熱意や執念、「ど根性」は本当に大切だと思います。特に、弊社のように会社の規模が小さいうちは、なおさら必要だと思います。他社と比較して、なぜお客様が弊社に依頼をくれるのかと言えば、どんなことがあってもあきらめない、もうダメだと思った時から心を入れ替えてさらに頑張る、この「ど根性」があるからだと言われるようになりたいです。
7 思い・念
こうして皆さんに話をすると、私は非常に疲れます。私は皆さんに理解してもらおうと一生懸命話しますから、普通の人が話すのと違い、私の言葉にはエネルギーが飛び交っているという感じがするはずです。受ける皆さんの側も、一生懸命聞いてくれますから、波長が合い、話が済んだ後、私はがくっと疲れます。それはまさに昔から言う「言霊ことだま」です。言葉には魂があって、それが飛び交うのです。だから感銘を受けたり感化を受けたりするのであって、ただ「しゃらしゃら」といっても「何か聞いた気がする」という程度では、後に何も残らないはずです。言葉が魂を揺さぶり、魂に共振を起こさせるという事は、エネルギーが飛んで皆さんの中に入っていく場合にしか起こりません。私はエネルギーを出して話すので、ものすごく疲れるのです。
→ カウンセリングや、心理学の立場から、人間の言葉や行動を分析してみます。そうすると、相手に伝わるのは、言葉の字面ではなく、その話手の「意識」、これが伝わるということがわかります。 行動をする人、言葉を発する人が、どんな意識を持っているのか?これだけが相手に伝わります。傲慢であれば傲慢さが、謙虚であれば謙虚さが、これだけが相手に伝わると言っても過言ではないと思います。
意識と言うのは、大きく分けて二つです。相手に何かを与えようとする意識なのか(プラス)、それとも相手から何かを奪おうとする意識なのか(マイナス)、大きく分けてこの2つです。
自分自身が、人に何かを与えようという意識で言葉を発し、行動する時、宇宙の中に流れている「与える意識」、プラスの意識と反応することができます。自分が人から奪うことばかりを考えていると、プラスの意識とチャンネルを合わせることができないのです。私はプラスの意識をなるべく多く発するようにしていきたいと思います。
8 すさまじい願望を持つ
腕力を振るうなど、物理的な力を使うことよりは、「思い」とか「念」のほうがはるかに力があるのだと思います。だから、熱意、執念、意志がものを作っていく、物事を成し遂げていくのです。世の中で成功した人とか、名人と言われる人はみんなそうです。凄まじい迫力で、仕事に取り組んだ人たちばかりです。そうでない人で成功した人は一人もいないはずです
凄まじいほどの願望について、このように書かれています。
下の者から、「私たちは今後どうなるのですか?」と聞かれて、「われわれはこうなるのだ!」というのが間髪を入れずに返事できる位でなくてはおかしいと思います。漠然と今日1日が暮れていく、などというのはとんでもない話です。今月は・・・来月は・・・一年先はこうしていきたいと毎日のように考えているのでなければ、リーダーとしてふさわしくありません。例えば、どうしてもこうしたいと思ったとします。そう思えば、実現させるためには、自分には専門の知識がない、設備も足りないとなってきます。そうした、たくさんある足りないものをなんとか埋め合わせようとして、そこに工夫が生まれます。合理化一つについてもそうです。毎日、思い詰めていますから、新聞を見たり、雑誌を見たりしても、あの機械をここに持ってきたら効率が上がるぞとか、あの機械をあのように改造してみよう、といったひらめきが次から次へと生まれ、工夫が行われてくるのです。
9 常に多角化を考える
人生方程式が正しいか正しくないか、試してみようということで、京セラは異業種、異分野に進出したのです。人生方程式の正しさを証明する手段として、また京セラがたまたま一山当てて成功したのではないということを証明するために、異業種、異分野への進出を図ったのです。つまり、誰もが「京セラにはこんな事業はできない」ということを成し遂げたなら、我々の方程式が、事業経営を始め、物事を成就させる要素を完備していることが証明できると思って始めたわけです。
通信機器事業について、「トライデント社が京セラグループ入りするときにみんなが『人がみんなやって失敗した電卓なのに、その後から事業を始めてどうするのか。みんなが撤退するという時になって始めるのはどうかしている。やめるべきだ』と反対しました。しかし私は、『いや、戦いが済んで日が暮れて、電卓メーカーは死屍累々としている。始めるなら今からだ、死屍累々とした中で生き残っているメーカーが優秀であり、その中で伸びるか伸びないかによって、本当の実力がわかる』と言ってこの事業を始めました。
→スタッフがどうすれば正しい考え方に目覚めるきっかけになるのか?稲盛氏はこれを考えていたのだと思います。
10人材は群生する
これから21世紀にかけて、現代日本の経済を支え、またそのリーダーシップをとっていくものは、僭越だけれども、私から直接薫陶を受けたものがなっていってほしいと思っています。実業家になろうと政治家になろうと何になろうと、うまくいくには1つの道しかないのです。物事の本質に至るには、いろいろな道があるのではないのです。たまたまナンバーワンになるという場合があっても、それは持続するものではありません。成功を持続させていくために必要となるものがあるわけです。
心の中に描いた映像、願望、念をすさまじい執念と意思で遂行していくことが必要です。心に描くわけですから、その心が邪であると、いびつな映像しか描けません。だから、心をきれいな状態に保つために、正しい考え方がいるのです。
以上から説明された、リーダー教育の本質と要諦は下記です。
1 捨て身(とって変わられる覚悟)
2 考え方を磨く
3 両極端を兼ね備える
4 私心をなくし、集団を代弁する
5 集団の利益を最優先する
6 物事を成し遂げる原動力は熱意
7 思い・念
8 すさまじい願望を持つ
9 常に多角化を考える。
10人材が群生する
中でも特に大切なのは、魂を伝えるということだと思います。今回、私は自分のメンタルを掘って、「一人でいる、孤独になる、孤独のうちに死ぬ」これに対する強い恐怖があることを知りました。これを克服するのではなく、受け入れて、それならば、自分の魂・スピリッツを他の方に伝えようと思うのです。人と共有することで、その思いは永遠になります。この思いを伝えることに全身全霊をかけて取り組もうと思います。
今日も最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
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