こんにちは、
昨年から始まったコロナ禍で、我々経営者は、世界的に変化を余儀なくされています。この先どのような社会になるのか、先が読めない、このようなお話もたくさん聞きます。
時代の流れにのるヒントをお話しています。
なぜこのような時代の先を読むことができるのか、そのヒントを稲盛氏のお言葉から探してみました。
今日は下記の4-5を中心に説明します。
1 不安を受け入れる
2 目の前の仕事に全身全霊で打ち込む
3 どんな時代に住みたいのかをイメージ
4 心(意識) の働きに気づく
5 損する選択肢をとる
4 心(意識) の働きに気づく
新製品の開発の話をされています。その製品には、10年かかって試作品ができたけれども、その試作品が再現できないと担当者が言った、という話です。
「開発チームのリーダーを問い詰めたところ、彼は『この開発はとても難しい。京セラだけでなく、世界中の大手企業が研究していますが、みんなギブアップしかけています。これはうまくいかないと思います』と言いました。つまり、この開発チームのリーダー自身が、不可能だと思いながら開発していることが、できない原因なのです。この開発が成功すること、また開発に従事する自分自身を信じていないのです。このままでは、再現もできなければ量産化もできず、事業を立ち上げることができないと考えた私は、ある決断をしました。」
スタッフを全員入れ替えて、開発場所も入れ替えて取り組んだところ、半年で開発することができたとおっしゃっています。
「そのようにリーダーを交代し、できると信じるチームに生まれ変わった結果、10年かかってもできなかったものが、それから半年もたたないうちに、成功することができました。」
→ これが、「潜在意識の働き」なのです。最初のチームリーダーは、「できない」状況でいることに、メリットを感じています。
もし仮にできてしまうと、また別のものに挑戦しなければいけなくなる。
できない自分でいた方が、周囲から愛される。
挑戦して失敗したら恥ずかしい。
たまたまできただけ、これがわかると自分の能力のなさがばれてしまう。
このような不安や意識があると、自分の行動は無意識的に「できない理由」を真剣に探します。自分のすべてのエネルギーを、「できない理由探し」に使います。
ここに(できない理由探しに)自分の人生の貴重な時間を費やす事は、やはり悲しく、愚かなことです。
私も含め、世の中のほとんどの人は、この「できない理由探し」を、無意識的に行っているわけです。
ですから、心から自分を信じる事が、とても大切になります。この先の時代の鍵は、どれほど自分の能力を信じられるかにかかっています。
5 損する選択肢をとる
稲盛氏が、大学を出て就職した松風工業での話が書かれています。
「入社してみると給料が支給日になっても出て来ません。会社にお金がなく、銀行で借りる方策を立てており、1週間ほど遅れることが毎月のように起こる会社でした。同じ時期に大学を出た者が5人ほど入社しましたが、結局1人辞め、2人辞め、その年の師走に入ると、私と京都大学を出た人間と2人だけが残りました。。。。先日、田舎に帰った時に、当時私が(仕送りとともに)母に書いた手紙が、仏壇の引き出しから見つかり、読んでみると当時の私の心境が赤裸々に綴られていました。同時にまた、貧乏であった故郷の両親、妹、弟たちを思いやる心情がその文面に溢れていました。自分の書いた手紙でありながら、涙がポロポロ出ました。そういう逆境の中で頑張ってきました。」
「今でも京セラの社歌の中に、『未踏の境、拓きて進む』という箇所があります。見たこともない未踏の境地を進む中で、新天地が開けると信じ、必死に努力し続けるのです。その努力が必ず大きな成長を導いてくれると私は信じています。」
「革新的なことにチャレンジしていく場合。。。それはあたかも、海図のない大海原を、羅針盤のついていない小舟でこいでいくようなものです。周囲は墨を流したように真っ暗闇で何も見えず、自分の船がどこにあるのかも分かりません。そういう状況に置かれれば、人はえてして自信がなくなり、足がすくむものです。『これからどこに進めばいいのか』と不安になり、迷うはずです。その時に唯一頼りになるのは、自分の心の羅針盤です。。。。自分を信じ、心から雑念、妄念を取り払い、一切の邪念なく、純粋な心で目の前の障害に真正面から向き合うならば、必ず解決策が見つかり、成功へと至る道が開けていきます。成功を信じる純粋な心を持つことができるかどうかが、事業の成否を決めていきます。」
→ 「損をしたくない」これが、戦後の高度成長期に生まれた日本人の中に見られる思考パターンです。
人と違っていると損をするから、人と同じ方が良い
前例がないことをやると失敗する、結果、自分が損をする、だから挑戦しないほうがいい
親の考えと違うことをする、そうすると損をする、だから親の考えに従ったほうがよい
損をしたくない人は、もともと海にも出ないでしょう。
そして、1人で小舟に乗るような状況に、絶対に自分をおかないでしょう。
そして、先程の研究開発に携わったリーダーのような人生を送ります。
常に損をしないように、常に失敗をしないように、という恐怖と不安を潜在意識に落とし込んで生きることになります。
その結果、目の前で実現されるのは、強い恐怖と不安です。
みんなが辞めていく会社に、自分1人残る、
成功するともわからない研究に打ち込む、
新製品の開発を次々と行う
通信事業の巨人、NTTに対抗して会社を作る
破綻した航空会社を再生する
損得でこれらを考えてみます。
ほとんどの人が、そんなことをしたら「自分が損をする」と思うのではないでしょうか?
おそらく日本人の9割以上の方が、自分ならそんな選択はしない、という選択を稲盛氏はやってこられたのです。
その結果、稲盛氏がなさった事は、全て時代の追い風を受けました。稲盛氏は、充実と幸福で満たされた人生を送ってこられたのだと思います。
損得ではなく、純粋な心で選択する、自分の進む方向を決める、それが、これからの時代の流れに乗るコツだと思います。
さて、まとめますと、この「先が読めない時代」を生きる、その流れに乗るには、次のことが大切だと思います。
1 不安を受け入れる
2 目の前の仕事に全身全霊で打ち込む
3 どんな時代に住みたいのかをイメージ
4 心(意識) の働きに気づく
5 損する選択肢をとる
まず、今の私がやる事は、2番目、ご縁をいただいた毎日の仕事を全身全霊をかけて誠心誠意やっていくことではないかと思います。端から見たら、なぜそんなことを?と思える仕事かもしれません。
けれども私は、嫌だなという気持ちはありません。興味を持って、面白いなと感じながらお仕事をさせていただいてます。
クリエイティブな発想のヒントをいただいています。
とてもありがたいことだと思います。
生きていることに感謝する、そんな日々を送りたいと思います。
今日も最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
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