こんにちは、
岡田監督も、稲盛氏と同様にチームのフィロソフィーを作られたそうです。
そのフィロソフィーは次の六項目です。
2 Our team 我々のチーム
3 Do your best 最善を尽くせ
4 Concentration 集中
5 Communication 意思疎通
6 Improve 進歩
今日は4-6を説明します。
4 Concentration 集中
「今できることに集中してほしいということです。動物は今を生きるために精一杯生きています。人間は、新皮質が発達したおかげで、済んだことを悔やんだり、先のことを心配して、今やらなければならないことをやれなくなる。僕はそういうのが大嫌いです。『今やれることに、ベストを尽くせ!』と、選手によく言いました。。。。運は誰にもどこにも流れています。それをつかむか、掴み損ねるかです。常に掴む準備をしておくためには、手を抜かずに、今できることをきっちりとやり続ける。そういうことをコンセントレーションに込めています。」
→ これが、稲盛氏がおっしゃるように、毎日毎日を「ど真剣に生きる」ということだと思います。
5 Communication 意思疎通
「これは、お互いを知ることで、つまりコミニケーションするということです。よくチームワークが大切だと言われますが、残念ながら、これまで全員が仲良しというチームは一つもありませんでした。でも、仲良しじゃなくてもいい。『あいつとは反りが合わないけれども、あいつにパスをしたら絶対に点を入れてくれる』と、お互いに認めあえればいいのです。それで仲良しなら、もっと良いのですが、認め合うことが1番大事なのです。そして認めてもらう努力をすることもコミュニケーションで、その究極は挨拶だと言っています。挨拶はコミニケーションを取る準備ができているというサインです。。。。僕は選手とは一線を引いているところがあるけれども、コーチやマネージャーは選手と喋りながらスパイクを磨いていたり、部屋で一緒にゲームをしたりしている。そういうところからの情報をきちんと入るようにしておかなければ、やはり難しいのです。それには本当に気を使います。」
→ 私の尊敬する、タロット占い師の守田矩子さんは、「好き嫌いは感情だけれども、愛するはアクションです」と言われます。相手を認めようとする態度、これが挨拶であり、愛の表現ではないかと思います。
6 Improve 進歩
「今は守ろうとするな。常にチャレンジしろということです。(調子が悪く落ちてしまった選手に)『おいちょっと待て。お前は“以前はできていたプレー“と言うけれども、なんで後ろを向いている?何のために落ちているのだ?落ちているのは、より高いところに行くために落ちているのだ。ジャンプするときには1回しゃがむだろう。低いところを見てどうする。前より高いところを見なければならないのに』と言います。より高いところに行くために沈んでいるのに、低いところを見てどうするのかという意味をインプルーブに込めています。よく『黄金時代を取り戻す』と言っているチームで、取り戻したチームは無い。絶対に無理です。その黄金時代よりも高いところに行くために落ちているのに、低いところを見ている。それも後ろを見ているのです。
→さらに、岡田監督の言葉で、とても興味深いものがあります。「最後は勘で決断する」
です。
「監督になった頃は、相手のディフェンスは上背があるから背の高いフォワードにしようと考えていました。しかし経験を積んでくると、『でも何か違うぞ、こいつだな』というものが出てきます。そしてその方が当たるのです。ところが、選手はふてくされるのではないか、マスコミに叩かれのではないかと思って決断をしたら、大体はダメになる。素の自分というのか、無心にできるだけ近い状態、捨て去った状態にすっとなって、チームが勝つためにはどうするのか?そこにぱっと浮かんできた答えを取る勇気が出てくる。
→ 合気道の本質と同じことではないかと思います。そして、稲盛氏もおっしゃっているように、1つのことを極めると、とても素晴らしい人間性が身に付く、というのと似てると思います。
さて、監督が挙げていた、チームが必ず勝つためのフィロソフィーは、以下の通りです。
1 Enjoy 楽しめ
2 Our team 我々のチーム
3 Do your best 最善を尽くせ
4 Concentration 集中
5 Communication 意思疎通
6 Improve 進歩
ここから考える事は、我々の遺伝子に組み込まれた、「集団を生かす知恵」ではないかと思います。岡田監督がすべてあげられた事は、全部この1点に集約するような気がします。
「僕は、どん底であえいでいるときに、『遺伝子にスイッチが入った』ような気がしたのです。これは生物学者の村上和雄先生がよく言われていることです。僕らは皆、氷河期や飢餓期を越えてきた先祖の強い遺伝子を持っている。けれども、便利・快適・安全の社会にいたら、そのスイッチが入らないのです。ところが、経営者でも腹の座っている人は、倒産、闘病、投獄、戦争だという、どん底になったときにポンとスイッチが入る。僕も、あの、のたうちまわっていた時、スイッチが入った感覚がしました。」
岡田氏はこのようにおっしゃっています。岡田監督は、ある意味、日本の首相と似たようなプレッシャーを受けた方です。稲盛氏も、自分を追い詰める、とおっしゃいますが、やはり、自分たちの遺伝子の声を聞くことが「間違わない生き方」の秘訣だと思います。
今日も最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
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