こんにちは、あなたの心に寄り添う自分軸アドバイザー、ユキーナ ・サントスこと富塚祐子です。

今回は、標記のタイトルで稲盛氏がこのようにお話ししています。「」は稲盛氏のお言葉です。

「大胆さと細心さは相矛盾するものですが、この両極端を併せ持つことによって初めて完全な仕事ができます。

この両極端を併せ持つという事は、『中庸』をいうのではありません。

ちょうど綾(あや)を織りなしている糸のような状態をいいます。縦糸が大胆さなら横糸は細心さというように、

相反するものが交互に出てきます。大胆さによって仕事をダイナミックに進めることができると同時に、

細心さによって失敗を防ぐことができるのです。大胆さと細心さを最初から併せ持つのは難しいことですが、

仕事を通じていろいろな場面で常に心がけることによって、この両極端を兼ね備えることができるようになるのです。

 ものすごく情が深く、優しい人間性を持っていながら、ときにはズバッと社員の首を切れるという冷酷さ、

非常さということもあります。あるいは、大変な理論家で、合理主義一点張りに見えて、

一方では人間的、感情的な一面も持っているということもあるでしょう。つまり、大胆さと細心さ、温情と冷酷、

合理性と人間性、それぞれ両極端の性質が、1人の人間の中に綾を織りなすように存在しているわけです。

経営者が『うちの社長は人がいい』と社員から言われてるような会社は、大抵、経営がうまくいっていないものです。」

この理由や重要性を、稲盛氏は次の3つのポイントで説明されています。

1 中小企業の人材不足

2 役割分担(営業、製造、財務等)

3  半聖半俗

 

1 中小企業の人材不足

「例えば、本田技研が成功したのは、スパナ1本、ハンマー1丁で素晴らしいエンジニアオートバイを作ることができた

本田宗一郎さんというものづくりの天才と、会社を経営するという面で、経理に明るく金勘定のできる

藤沢武夫さんという名番頭の2人が揃っていたからです。また同様に、松下電器は、あの松下幸之助さんと、

これも名番頭と言われた高橋新太郎さんの組み合わせがあり、ソニーの場合、技術者である井深大さんと、

営業手腕に長けた盛田昭夫さんのコンビがあったから、それぞれ発展したといわれています。

つまり、両極端の性質を1人の人間が持つ事は難しいので、自分の不足を補う名参謀、名番頭が必要になるわけです。

ところが中小企業には、この例は当てはまりません。

人材不足の中小企業で、そのような格好の補佐役が簡単に見つかるはずがないからです。

ですから中小企業では、トップである皆さんが相矛盾する両極端の能力を兼ね備え、

かつ正常に機能させていかなければなりません。中小企業の経営者でたいした才能があるわけでもないのに、

そのような高いレベルの能力を要求される。しかし、泣いてでもそれをやらなければならないのです。」

2 役割分担(営業、製造、財務等)

これは、会社の主要な部門についてその部分を指揮する者が必要になるということです。

その能力に長けたものが、その部分を取り仕切り、責務を果たしていかなければならないということだと思います。

稲盛氏は、京セラの創業期は、ご自身で、製造から販売、経理に至るまで、自分で見ていたとおっしゃっています。

これは、会社の主要な部門についてその部分を指揮する者が必要になるということです。

その能力に長けたものが、その部分を取り仕切り、責務を果たしていかなければならないということだと思います。

稲盛氏は、京セラの創業期は、ご自身で、製造から販売、経理に至るまで、自分で見ていたとおっしゃっています。

また、人材の育成について、このようにもお話しされています。

「会社が小さいうちは、経営者が全てを自分で見ることができますが、会社が成長し、大きくなるにつれ、

全体を1人で見る事は難しくなってきます。そこで京セラの規模が大きくなっていくにつれて、私の考えを理解し、

私と同じ位の能力もあり、会社を愛し、会社のために経営について頑張ってくれるパートナーが欲しいと思ったものです。

特に中小零細企業では、そうした人間を社内で見つけるのは容易なことではありません。

夜一人になったときなどに、よく西遊記の孫悟空の話を思い起こしました。

孫悟空のように、毛を抜いてプッと息を吹けば、私と同じ能力を持った瓜二つの人間が現れてくれないか。

そうすれば、『お前は製造のこの分野を見てくれ』、『お前は、営業のこの分野を見てくれ』と頼むことができます。

『そんな孫悟空のような奇跡が起こる力を、神様、私に与えてください』。

荒唐無稽な話とお笑いになるかもしれませんが、当時は本気でそう思ったものです。」

→ 言い換えると、このように人が育つまでの間は、経営者自身が、

どうしてもこの役割をこなさなければいけないということだと思いました。

3  半聖半俗

「私自身も矛盾したものを持っています。『この前あれほど大胆だった自分と今こうしてびびっている自分と、

どっちが本当の自分なのだろう』 と悩んだことが何回もありました。日頃が非常に優しい、

部下思いの私であったのに、ある時『泣いて馬謖を斬る』自分がいた。

そのくらいの失敗で部下をクビにしなくても良いではないかと思う私と、いや小さな事かもしれないが、

これをこのまま放っておいたのでは組織全体が死んでしまうと断罪する非情な私、どちらが本当の私なのだろう、

と思ったものです。悩んでもなかなか結論が出ず、自分自身を次第に信用できなくなってくる。

このような悩みを社員に言えば、経営者としての信用を失いますから、悶々とひとりで悩んでいました。

その時に米国の作家、FSフィッツジェラルドの言葉に触れたわけです。それは、次のようなものでした。

『第一級の知性とは、両極端の考え方を同時に合わせ持ち、かつ、それらを正常に機能させることのできる人間である』

 

大胆であるべき時に大胆であり、細心であるべき時に細心でなければならないのです。このことを知った私は、

『あァ、正反対の性質を持っていても、それは矛盾ではないのだ』と安心しました。」

この、相矛盾する性質を合わせもつことが難しいということを稲盛氏がお話ししています。

「私自身も、それができるように、これまで頑張ってきたつもりです。この項目で述べられている事は

トップとして非常に大事なことですので、ぜひ理解していただきたいと思います。」

→「半聖半俗」という言葉がありますが、この両極端を持ち合わせるということだと思います。

神聖なものを大切にしますが、同時に俗世間にいきる、このような矛盾を一つの個人の中に併せ持つ、

ということだと思います。俳優や役者になったような気持ちで、役割を徹底的に演じ切る。

聖なるもの、俗なるもの、双方に同じように意識を向けていこうと思いました。

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