コロナ禍の経営大変な経済情勢を乗り越えるためにその１

「大変な経済情勢を乗り越えるために」考える事についてお話をされました。

1 自分の内面と向き合う、自分が本当に求めているものを知る

2 自分に与えられているものに気づく

3 常に創意工夫を重ねる

4 苦労の意味を考える

5 宇宙の理(ことわり)を考える

今日は４－５についてお話します。

4 苦労の意味を考える

稲盛氏はこのようにおっしゃいます。

しかし、私が経営に苦労し、辛酸をなめることで、雇用する従業員やその家族を幸福にすることができたばかりか、京セラの工場や事業所がある地域社会の振興に寄与し、さらには日本経済の成長発展の一翼を担い、国家の繁栄、国民の幸福にいささかなりとも貢献することができたのではないかと思います。

このことを思う時、これまでの苦労が報われるような思いがいたします。自分たちが「世のため人のために」貢献できたという思いが、これまでの苦労を無常の喜びに転化してくれるのであります。

先ほど米国の強欲経営者の話をいたしましたが、この多くの人々に貢献できたという喜びこそが、経営者に与えられる、最高、最上の報酬なのではないかと思います。

この米国の強欲経営者として、紹介されていたのは、先程のファルド氏とこの方です。「これも米国の投資銀行大手で、サブプライムローンによる巨額損失により、バンクオブアメリカに買収された、メリルリンチの最高経営責任者(CEO )スタンレー・オニール氏は、その引責辞任時の退職金が1億6000万ドルだったといいます。」

このオニール氏は黒人です。大変貧しい生まれだったと聞きます。

稲盛氏も、オニール氏も、どちらも恵まれた環境でないところから人生をスタートしました。

苦労があるから、今の自分の成功がある、と自分中心の見方をしたのがオニール氏です。

苦労があるから、他の方を幸せにすることができたのだと、外へ意識を向けたのが稲盛氏だと思います。

より多くの方を幸せにしたい、幸せの範囲を広げていきたいという考えがあったので、プラスの意識が乗ったエネルギーがどんどん広がっていったのだと思います。

5 宇宙の理(ことわり)を考える

このような重要なことに目を向けるには、自分を取り巻く、より広く大きいものに目を向けていくことが大切だと思います。

稲盛氏はこのようにおっしゃいます。

人類が今までと同じように、欲望を原動力として、もっと便利で豊かな生活を望み続けても、地球の許容能力の範囲までしか発展しないのは当然です。そして、その限界が来るのは、そんなに遠い将来ではなく、せいぜい30年、40年と言う短い時間軸なのであり、このままでは現代文明は崩壊し、人類は破滅するしかないのです。

閉塞状況にある人類に新しい活路を開くためには、利他の心、あるいは愛が必要だということです。今、経済危機にあたり問われているのは、経営の手練手管ではありません。「真の企業経営とはどのようなものか」という問いかけなのです。

盛和塾の皆さんは、まずはいかに苦しい状況にあろうとも、必死になって企業経営を安定させていく努力を払っていただき、同時に周囲におられる人たちを幸せにしていくことに努めていただきたいと思います。

そのような皆さんの思いと行いが、皆さんの心を高め、経営を伸ばすのみならず、世界を変えることにもなることを信じております。

先日、下村満子さんの「行き方塾」に参加させていただきました。

そこで、村上和雄先生の「『笑い』が病を治す？! 『心』と遺伝子の不思議な関係」のお話をお伺いしました。

近い将来、人間の遺伝子を、ほぼ全て解読することが可能だそうです。われわれの体は約60兆個の細胞でできていて、その一つ一つの染色体の核には30億の膨大な遺伝子暗号が羅列されているということでした。まさにアンビリーバブルで、人知を超える宇宙の力のようなものを思います。