お金持ちはあこぎなことをしている・・・なんとなく納得、そう思ったあなた、あなたのおお金に対する思考、変えていきませんか?マイナス思考チェンジャー、ユキーナ ・サントスこと富塚祐子です。
今日は、お金持ちの成功の秘訣です。ファミリービジネス繁栄の秘訣、とでもいいましょうか?
Prosperity, Longevity, 英語では永続性をこのように表現します。
それはズバリ、プラスエネルギー(貯金)をたくさんしていく、ということだと思います。
サントリーの創設者の方の例をお話しますね。
年末に、鳥井信治郎伝、「美酒一代」(杉森久英著 新潮文庫) を読みました。
この中で、これはファミリービジネス永続性の鍵ではないか?と思うことがいくつかありました。ピックアップして皆様にお伝えしたいと思います。
鳥井氏は大変、信心深いことで知られていました。神仏への感謝をいつも忘れず、社内には一時期、神社仏閣への行事を行う専門の部署があったと聞きます。終戦後の鳥井氏のエピソードで、このような表現があります。
「米軍が。。。新大阪ホテルに陣取ると、(信治郎は)すぐに司令部に乗り込んで行った。目的はウイスキーの取引であった。これには周囲の全てが驚いた。戦争中、ひたすらお国のためだけを思い、『兵隊さん達の延命のためや、これを飲んでもらったら、たまにあたらん』と、山崎の瓶詰め工場にしめ縄を貼り、盛んにお経や祝詞をあげさせた信治郎である。その敵のところに売り込みに行くのである。これほどの不徳義は無い。」
とあります。さらに、
「親しくなったアメリカ人たちを、しばしば雲雀ヶ丘の自宅へ招待するようになった。『私はまったくうんざりして、なぜこんなにしなければならないのだろうと、不服だった。後年、この行為が仇になって、米軍の督税官ににらまれるようになったのだから、父としては全く浮かばれない思いであったろう。しかしこの米軍将校達の評価が、口から口と言い伝えられて、今日のサントリーに対する高い世評の基礎になったことを思えば、父の行為は、やっぱり立派に報いられたということができよう』」と次男の佐治敬三氏がおっしゃっていた言葉が引用されています。
また、鳥井氏のご長男が亡くなられたところで、このような表現がありました。
「再び順風に乗り始めたかに見えた鳥居信治郎に、突然不幸が襲った。「サントリーオールド」を発売する直前、9月23日に、長男の鳥井吉太郎が急逝したのである。吉太郎は、まだ33歳であった。病気は心臓性喘息による心筋梗塞であったが、病名の決定が遅れているうちに、命取りになってしまったのである。「日本の医学は、なっとらん」あまりのことに鳥居信治郎は、葬式の時もひどく怒っていた。クニ夫人にしても、吉太郎にしても、現在の医学なら、多分死なずにすんだだろう。クニ夫人に続いて、後継者とみなしていた最愛の吉太郎に突然逝かれて、信治郎は呆然となった。」
ここから考える事は、信治郎氏の意識、というか思いです。
恨みを抱かず、与えることができるものを与え続けている、という意識・思いを感じました。
信心深いという事は、とても大切なことだと思います。人間が努力して何とかなることと、そうでは無いことを明らかに極めていた、ある意味で「諦めていた」からこそ、鳥井氏は神仏の他力を信じていたのだと思います。
日本と外国が戦争しなければならなくなった。戦争に突入した。これは1つの事象であって、敵国に恨みを抱くものではない。
今は敵も味方もない、自分たちの持っているものが、求められるのであれば、それは惜しみなく拠出しよう。
鳥井氏の行動は、私にはこのような意識の表れだと思います。
自分たちが被害者で相手が加害者である、相手の敵国に、塩を送るとは何たることか?このような意識は見られないのです。
昨年10月にワシントンDCに行きました。私の友達がワイショップをやっています。そこで正面の棚に置かれていたのは、サントリーのウイスキーでした。日本円で12万円程度もするでしょう。すぐになくなってしまうとおっしゃっていました。これを求めてるお客様が、入荷したらすぐ教えて欲しいとリクエストが来るそうです。
これが、サントリーの評判です。私が外資系で働いていた時も、たくさんの同僚がサントリーはとても良い酒だと言っていたのを思い出します。外国人のお客様を山崎の蒸留所に連れて行くと、皆さんその品質に驚くことが多いです。
1899年に鳥井氏が開業してから120年、世界で認知度を高めたサントリーになったわけです。この永続性と成功の秘訣の一部は、この創業者の「プラス貯金」だと思うのです。
戦争では確かに、日本国のために戦わなければならないでしょう。けれども、たとえ戦争があっても、相手に恨みを抱かない、この意識は並々ならぬものだと思います。
親戚や、従業員、大切な人が戦争で失われたこともあったと思います。けれどもいわゆる敵国に恨みを抱くことをしなかった。そして自分たちの持っているウイスキーを供給した、余すところなく与えることを第一に考えていた。
このような意図ではないかと私は思います。
そして、自分の最愛の息子を失った時も、医者を責めることも、病院を責めることも、ましてや周囲の誰かを責めることもしなかったわけです。
そして密かに、すべての感情を怒りの下に隠していたように思います。
怒りはその奥に第二の感情があるといわれています。なぜ、そのことにそれほど腹が立つのか?ということを掘っていくと、その怒りの奥にある感情が見えてきます。
自分を認めていないから腹が立つのか、自分を馬鹿にしたから腹が立つのか、自分の思いをわかってくれないから腹が立つのか、なぜその出来事にそれほど腹が立つのか?これを掘っていくと、潜在意識に落とし込まれた「自分の思い」が見えてくると思います。
鳥井氏には、表現できない位の深い悲しみ、喪失感、虚しさ、苦しさなどがあったかもしれません。それでも、そういったものを全て表には出さず、怒りの下に隠していた。そのように思えてなりません。
とてつもない悲しみを乗り切るために、人は何かのせいにしたくなります。そして自分の身を被害者の位置に置こうとします。
そうすると、自分が何かを奪われた、「傷つけられた被害者」になってしまいます。そうするとその被害者は、その足りないもの、奪われたものを埋めようと、人から何かを奪うことを無意識でするようになってしまいます。
人から何かを奪っていくと、それはまた、必ず自分も何かを奪われることになります。こうして「奪う・奪われる」のマイナスのスパイラルが始まっていきます。
けれども鳥井氏は誰かを恨むことがありませんでした。怒りの矛先は、日本の医療に向いたのです。これはその後の、サントリー財団の活動にも影響があったのかもしれません。
これが、サントリーが120年続いた1番の理由ではないかと思います。
創業者に被害者意識がなく、恨みを抱くことがなかった、プラスの意識を持って、あるものを与える、これを続けていったこと。これがとても大きな成功の秘訣のように思います。
今日も最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
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