こんにちは、
このブログでも度々紹介しています京セラ名誉会長の稲盛氏は、
「会社は社長の器以上にはならない」と言われています。
そして、潜在意識の働きについても、非常に注目してお話をされており、
心に思い描いた通りになる
潜在意識に透徹するほど強烈な願望を抱く
など、お話しされています。
私は、このような稲盛氏の言葉と、さらに心理学の要素を取り入れながら、社長さんのメンタル、心の動き、意識を分析しています。
そうするとやはり、社長さんの無意識が会社の経営結果になって、数字に現れてくるなというのが手に取るように、よくわかります。
今回は、大塚家具の財務内容、特に利益率などと大塚久美子社長のメンタル、「意識」を見てみたいと思います。
まず、公開されている中から、利益率を出してみると次のようなことがわかります。
最初に久美子社長が所長に就任したときには、わずかな改善がありました。
けれどもそこから、大きな損失が広がっていきます。
これらは全て、久美子社長のこれまでの人生、この方の「人となり」、
ご自身の潜在意識の中にあるメンタルブロック等を探ってみると説明することができます。
大きな特徴としては次のようなことです。
1 自己犠牲魂
2 家具=自分 認められたい
3 良質なものには価値がある
1つずつ説明をしていきます。「」内は久美子社長のインタビュー記事から引用させていただいています。
1 自己犠牲魂
引っ越しのたびに家具を買い替えたりもしましたが、その場合、子供部屋にはだいたい“お古”が回ってきます。それがとても不満で仕方がなく、子供のころはいつも「本当はこんな部屋に住みたいのに」「家具はこんなふうにしたいのに」と思っていました。
さらに、本当は違うのだけれどもあえてドジなところをアピールしたり、本当はご自身で自覚しながら、貧乏くじを引かれてきたのではないかと思います。
貧乏くじを引く、1番損な役割をするのは自分、と彼女の潜在意識が思い込んでいる、
久美子さんの発言から、このような意識を伺うことができます。
これが、巨額の損失をだし、ヤマダ電機の傘下に入るという流れにつながります。
世間から非難されるのは私、それが私の役割、と思われていたのだと思います。
2 家具=自分 認められたい
こうした自己犠牲の行動は、自分の本心(潜在意識の深いところ)に「わかってほしい」という思いを作ります。
けれどもご自身でそこに蓋をされているので、それが表にでることはありません。
久美子社長が唯一、私をわかって、とアピールできるのは「家具について」だけでした。
家具についてこのようにおっしゃっています。
「家具選びではもちろん、機能性や収納性も重視しますけれど、いわゆるスローライフ的なものも大事にしたいと思っています。そのために、あえて手間のかかる家具を身の回りに置いています。定期的にワックスをかけて磨いてあげないといけないような家具を置くことで、「こういうものを使う生活をしたい」という気持ちの表れにはなると思うのです。」
また、仕事や人生についての価値、ここについても強いご自身の執着があるように思われます。
「ただ、そのときどきで事態をどう受け止め、どう判断するかは自分次第。「どうなるか」よりも「どう生きるか」。自分の身に起きた出来事を「どう価値のあるものにしていくか」を考えながら、これまで生きてきました。」
そこから、高級で質の良い家具は久美子さん自身の投影ではないかなと思います。今は時代遅れになっているけれども、末永く使える良質の家具と言うのは、久美子さん自身の心の表れではないかと思うのです。
それは、たとえ今の時代の流れと沿っていなくても、
自分を認めて欲しい、
受け入れてほしい、
無視しないでほしい、
という心の表れでもあります。
久美子さんご自身が、これをオープンにする事はタブーだったわけです。
この感情は彼女の50年間の人生の中で、いつもいつも封印して抹殺してきたものでした。
だからこそ、自分の家具についてはそれを抹殺してはいけない、という思いが強くあったのでしょう。
時代遅れであっても、ニーズが少なくなっている商品であっても、ビジネスモデル(ビジネスの定義)を変えていくということが難しかったようです。
3 良質なものには価値がある
久美子さんの発言にこのようなものがあります。
「「こうありたい」という環境をまずつくり、環境の方からリマインドしてもらう。なりたい自分になるためのインテリア、努力を後押ししてくれるような環境づくりをお手伝いしていきたい。」
ですから久美子さん自身は、環境がいかに大切か?と言うことに気づいておられたわけです。
ですから大塚家具自体も、「家具を売る」ビジネスから「プライベート環境プロデュースビジネス」への転換を図ることができたであろうと思います。
おそらく、久美子社長ほどの才覚がある方なら、自分たちのビジネスを再定義して、そこに向けて全員のベクトルを合わせ、邁進していく、これができたのだろうと思います。
けれどもそれができなかったのは、いつまでも使える良質の家具が自分の分身であり、誰からも認められない自分を自分でいたわることができなかったからだと思います。
では、久美子社長はどうすればよかったのか?という処方箋を考えてみます。
1 社長のメンタルブロックを緩める
2 自分たちのビジネスを再定義する
3 事業の目的と意義を明らかにする
4 全員のベクトルを合わせて、目的達成に向かう
1 社長のメンタルブロックを緩める
会社はトップの器以上にはならないのです。
そして、トップの意識やメンタルをこれほど反映するのが会社なのです。
ですから社長の方は、何よりもまず、ご自身のメンタルに気づいて、それをとことんケアすることが大切です。
ケアしていけば、自分の執着がなくなります。
執着がなくなるとは、久美子社長の場合、家具への執着を手放すことができるということです。
2 自分たちのビジネスを再定義する
その上で、家具を売ることではなく、人間を中心とした、人間のための環境デベロッパーと、自分たちのビジネスを再定義してみると良いと思います。
3 事業の目的と意義を明らかにする
これには、これまで大塚家具で働いてくれたスタッフ、そしてこれから入ってくるスタッフの、「全従業員の物心両面の幸福を追求する」これを事業の目的として掲げられるのが本当なのではないかなと思います。
社長のメンタル、こだわりを貫くよりも、一人ひとりの従業員が幸せになることの方が、はるかに大切です。このような思いを持つことができれば、久美子社長の人生は本当に幸せなものになるのだと思います。
久美子社長の記者会見や、発言の中では、あらゆるところで、とても謙虚な姿勢が見受けられます。
ただ1つ謙虚になり切れないのが家具を売る部分です。
久美子社長は、心のそこから良いと思うものをお客様に売ってしまう、これですね。
良いかどうかを決めるのはお客様であり、売り手はあくまでもそのお手伝いをする。
私の信じる価値観が、万国共通受け入れられるとは限らない、このような認識を持っていただくことがとても大切だと思います。
4 全員のベクトルを合わせて、目的達成に向かう
一人ひとりの従業員に向かって、あなたの幸せのために、私に力を尽くさせてください、とお話しすれば、ほとんどの従業員の方はついてきてくださると思います。
そこで、再定義したビジネスを目的達成のために、皆さんのベクトルを合わせていけば良いのです。
おそらく、久美子社長には次の魅力があります。
もともとの人となり、
家具に対して、誰よりも強い思いを持っていること、
久美子氏の真面目な態度、
こうしたものを評価している従業員の方もたくさんいらっしゃると思います。
久美子社長が、「私は、心のそこから従業員の幸せを追求する」と胸を張って言うならば、従業員の方はついていかない訳はないと思います。
ここまでピンチに追い込まれて、トップが身を呈して、死ぬ気になって頑張ろうと言えば、大塚家具の方たちは、皆さんそれに応えてくれるのではないかと私は思います。
人はそれぞれ自分の心のブロックを持って生まれてきます。
けれども、約50年間、「損な役回りをする」ことを自分に課してきた久美子社長です。
この先は、ご自身の魂が喜ぶことをしていただきたいなと思うのです。
今日も最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
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