こんにちは、あなたの心に寄り添う自分軸アドバイザー、ユキーナ ・サントスこと富塚祐子です。
最近の海外のファミリービジネスのトピックをみていると、
AIをいかに使うかということに注目が集まっているようです。
AIをビジネスに使うといっても、ビジネスを拡大する、
という目的だけではありません。
主に、事業承継や、相続、遺産分割等について、
この生成AIに注目が集まっているようです。
これまでは、こうした相続や遺産分割は、すべてファミリーの顧問弁護士・会計士等が
主体になって行っていました。ですので、次のような不都合や問題点が指摘されていました。
1 秘密性・機密性:ファミリーの中の知られたくないこと、
細かな事まで弁護士等に知られてしまう。
2 力関係:弁護士等の影響力・発言力が強くなる。
3 比較可能性:世間で広く行われているやり方と、自分達の考えの比較ができない。
4 選択妥当性の検証:いくつか選択肢がある中で、最終的に良いものを選んでいるか、
自信が持てない。検証ができない。
5 遅効性:結果の良し悪しがわかるまで時間がかかる。
このような問題点がありました。
これらの問題点について、生成AIですと、
様々な観点から課題の解決が可能になります。
1 秘密性・機密性
→ これは、相手が生身の人間ではないAIですから、徹底的に秘密が守れると思います。
ですが注意したいのはセキュリティーの問題で、AI弁護士のようなサービスができるとすると、
そのサービスをモニター(管理・チェック)する会社が必ず存在するわけです。
そうなりますと、AIは口がかたくても、その管理会社会社にはいずれにしても、
秘密が握られてしまいます。
自分で(あるいは自社で) 相続のためのAIの仕組みを作らない限り、
秘密が漏れてしまうリスクは存在すると思います。
一方、生身の人間は、すべての秘密をその人と共有するという事はありますが、
その方が専門家として行動し、「 秘密は墓場まで持っていく!」 と決意をしてくれれば、
ある程度は、秘密は守られると思います。
2 弁護士との力関係
生身の人間の場合、相手に弱みを握られていると、交渉がなかなかしづらいです。
けれども、AIの場合は、このような心配はありません。ですが、
こうしたAIを使ったサービス会社などが現れ、AIに巧みに
交渉力をつけさせるようなインプットをしてしまうと、AIがマニュアル通り
交渉をしてくることになりかねません。交渉事は、相手が読めれば、
おそらくうまくいくと思うのですが、AIの場合、そのパターンを読むまでに
時間がかかるかもしれません。 あるいは、予想外の行動をするAIに
悩まされるかもしれません。 これも全て、そのAIを開発する側の倫理観や
仕事のスタンスと影響してくるのかなと思います。
3 比較可能性
私が、別の事例でAIをつかって課題の解決法を検証したところ、その回答・解決策は、
ほとんどがアメリカを中心にした内容でした。グローバル的に見たら、
もっと他にも解決策や回答はあるだろう、と思われるような質問に対しても、
アメリカを中心とした回答が返ってきました。という事は、AIは今のところ、
アメリカを中心としたデータベースを見に行って、学習しているということです。
AIに学習させるには当然ながらデータベースの取り込みが必要です。
日本の事業承継事例や、遺産分割相続等の事例は、訴訟にならない限りは、
実態に即したデータを詳細に集めることが難しいです。
このような意味からも、本当に他と比較して「標準的なもの」、
あるいは「大多数が使っている考え」を把握することは難しいです。
そして、それを自分たちの事業承継等のケースと比較するのも、厳密な意味では難しいと思います。
4 選択妥当性の検証
これにはさらに時系列的な分析が必要です。事業承継計画・遺産分割・財産分与において、
Aという選択をしたファミリーが、その後、5年後10年後あるいは20年後にどのようになっているのか?
これを調べてみないと、最終的に、そのAという選択があっているのか、
まちがっているのかの判断はできません。
このような観点からも調べてみることが必要です。これも、ある程度データがあればできると思いますが、
今のところ日本でのデータ(事例)の積み上げは限定的だと思って良いでしょう。
そして、歴史が浅いこともあり、海外からのデータの積み上げは可能だと思いますが、
その国の、特殊な習慣が反映されるように思います。ですから、こうしたデータからAIが考えた結論が、
日本のファミリービジネスに適用できるか? は微妙だと思います。
5 遅効性:結果の良し悪しがわかるまで時間がかかる。
→ 実際に検証するには時間がかかりますが、AIを使うと時間を短縮できたり、ある程度予測がききます。
結果を判断するには、AIにシミュレーションをとことん行わせる、これが必要です。
これもある程度のデータがあれば可能になると思いますが、結果を評価するための、
指標を定めておくことが必要だと思います。つまり、どのような結果になれば
その事業承継案は「合格」なのか。また、どのような結果になれば「だめ」な判定になるのか。
この定義付けをしっかりしておくことが必要になると思います。
そのためにも、ファミリーとは何か、ファミリービジネスとは何か、
その目的と意義を、いつも、しっかりと定めておくことが大切だと思いました。
今日は、AIをどのようにファミリービジネスに生かせるか、
相続や遺産分割の観点から考えてみました。
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