こんにちは、
今日はファミリービジネスや、家族関係の危機、この回避方法を考えてみたいと思います。
ご自身の身の回り、あるいは家族の関係、職場の人間関係などが、これ以上ない、という位、危機的な状態になってるとします。
例えば、現在の経営者が自分の右腕や番頭等が次々と会社を去ってしまい、孤立したとします。パワハラで、若い従業員も辞めて行きます、お得意様も、どんどん、この会社を見限って、他の会社と契約している、このような状況を想像してみます。
あなたが、このファミリービジネスの後継者だったらどうするでしょうか?
ファミリービジネスに危機が迫っている。この危機をどうやって切り抜けたらいいんだろうか?これを、読者の皆さんと考えてみたいと思います。
私の考える、危機回避方法は次のステップです。
1、原因を探さない
2、この状況が、ひどくなったらどうなるかを考える。
3、自分ができることを考える
4、覚悟を決める
5、感謝を持って話し合う
1、原因を探さない
MBAや、ビジネスコンサルティングをなさっている方は、現状分析して、その原因を探し、原因から解決していこうとされるかもしれません。
例えば、今の経営者が、ワンマンで、部下も誰もついてこない、お得意様もどんどん離れていっている、こんな状況ですから、悪いのはこの「今の経営者」ということになります。この経営者が原因ですから、この経営者を取り除けば、全て解決する。このように考えるかもしれません。
これはどちらかというと欧米的なアプローチかと思います。原因と結果を考え、原因となるものを無くせば、結果がよくなる、ということです。
けれども、東洋的なアプローチでは、原因と結果よりも、すべてのことに意味があると捉えます。
なぜ、この出来事が起こっているのだろうか?という意味を考えてみます。現在の状況は危機的な状況ですが、この危機を乗り越えることで、何がもたらされるのだろうか?と考えてみるわけです。
また、苦労をすることで人間が育つと言われます。会社にとって、困難や苦労は、ある意味、会社が成長するために必要なものかもしれません。
そして、このような危機があることで、事業承継がしやすくなります。
この、現在の危機的状況は、事業承継をスムーズにするための出来事ではないか?このように捉えてみると、状況の違った側面が見えてきます。
2、この状況が、ひどくなったらどうなるかを考える。
設例では、従業員が離れていき、お得意様も離れていきます。
どこまで会社は持ち堪えることができるのでしょうか?
現在の経営者の、役員報酬や退職金はどのように定められているのでしょうか?
こうした報奨金を確保することができるのでしょうか?
報奨金を確保した上で、あとどのくらい、会社は存続することができるのでしょうか?
多くの経営者は、このような計算をやりたがりません。
触れたくないところ、見たくない事実なので、潜在意識の中でこうした事実から目をそらすようにします。
けれども、ここをしっかり見ておかないと、次の行動が取れなくなります。
自分たちの会社の、ギリギリの線を数字でしっかり把握しておくのです。そうすると、この先、次からの3以降の行動が取りやすくなります。
3、自分ができることを考える。
自分が、ここで社長をバトンタッチされたら、一体何ができるでしょうか?
自分が考えた対応策はどのような効果があるのでしょうか?
それを具体的に実行に移していくには、どのような下準備が必要でしょうか?
よく、「話がうまく、頭の良いタイプ」は、リーダーには向かないと言われます。
なぜならば、このようなタイプは、素早く自分の保身を考え、ビジネス自体の存続に頭が回らなくなるのです。
ピンチに表れる次期リーダーですから、保身に走ってはいかんのです。
それよりも、どうすれば集団が生き残っていけるのか?その生き残りを身を挺してでも実現する人物でなければいけません。
だから、次期後継者は、自分ができること、やらなければいけないことを、じっくり考えてみる必要があります。
何度も何度も頭の中でシュミレーションして、カラーでその光景が見えてくるまで、頭の中でシュミレーションをしてみると良いでしょう。
また一方で、後継者である自分は、承継をせずにそこからフェードアウトすることもできます。この選択もある、それでも自分はこのファミリービジネスに向き合っていこう、このように考えることができるでしょうか?
こうしたことも全て考えて、企業にとって何が良いのか?
後継者は、これを考えてみると良いでしょう。
4、覚悟を決める
繰り返しになりますが、今、自分の目の前で起こっている出来事は、意味があって起こっている、と考えることです。
あるいは、後継者の自分に「ピンチを切り抜けるヒント」を与えるために、この出来事が起きているかもしれません。
困難な時に現れたリーダーは、ヒーローです。
そのヒーローは、集団の仲間から認めてもらいやすくなります。
そのようなことを考えると、事業承継は、順風満帆の時ではなく、ニッチモサッチもいかなくなって、どうにも困ったときに行う方が良いのかもしれません。
様々な方の事業承継のタイミングを聞いてみると、親が病気で倒れた、あるいは取引先が大きな痛手を被った、銀行から無言のプレッシャーがある、など、何らかの外部の大きな変動によって事業承継が早められることがあります。
自分は、何ができるかを考えたら、その後は、「よし、この事業を承継しよう」と覚悟を決めることです。
後継者が、その覚悟を決めるために、目の前の危機があるのです。
5、感謝を持って話し合う
よく、事業承継の話をお伺いすると、
やむを得なかった、
仕方がなかった、
他に選択はなかった、
というお話を聞きます。
けれども、このように見ていくとピンチ(危機)のおかげで、事業承継が進む、ということがあるように思います。
そうすると、今、厄介を起こしている人に感謝の気持ちが湧いてきませんか?
今は、本当に困ったちゃんで、誰からも嫌われてる人に対して、ふつふつと感謝が湧いてきませんか?
その人のおかげで、自分の人生が巡っていくわけです。
大きな人生の「運命の輪」がぐるぐる回っていく感じです。
それを引き起こしてくれているのは、今の社長であったり、困った人たちなのです。
そこに感謝を持って、この先の事について話し合うと、事業承継も会社のトラブルも、いろいろなことがうまくいくように思います。
「このまま、会社を続けていくとこのような困難なことが起こります。
私はこのような考えで難局に対処をしていきたいと思います。
それにあたっては、あなたへの感謝を一生涯忘れません。
感謝の気持ちを表すために、あなたには、このような対応させていただきたいと思います。」
覚悟を決めて、感謝を持って、心底、話し合う、事業承継にはこれが一番の近道ではないかと思います。
今回は、物事にはすべて理由がある、この意識で自分の身の回りに起こっている出来事を見ていくと、真実が見えてくる、このような話をしました。
ファミリービジネスや事業承継にとても大切な視点だと思うので皆さんと共有させていただきました。
今日も最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
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