お金で買えないもの ー フィロソフィ：「宝物をみつけるステップ」

こんにちは、あなたの心に寄り添う自分軸アドバイザー、ユキーナ ・サントスこと富塚祐子です。

今回は、合氣道大家で、

山蔭神道宮司でいらっしゃった

佐々木将人先生＊の著書、

「日本人よ母心に帰れ」から、

標記テーマをとりあげたいと思います。

佐々木氏のお言葉は

「」で引用させていただいています。

 

「お金で買えるもの。

人生とは旅にして、人を求める旅である。

旅とは、帰るところがあるから旅である。

難民とは、帰るところがないから難民である。

いかに文明が進歩しても、世界の人々が一人ひとり、

現実に帰るところは家庭である。

家庭は夫婦によって始まり、

生命は夫婦が結ばれることによって誕生する。

ゆえに、家庭は『天地創造』の原点である。

しかも人は皆、時代の順逆も、男女の別も、

貧富の差も、親を選ぶこともできない。

そして、また、赤ん坊は

親がいなければ生きられないように、

人は、空気、水に、食べ物もさることながら、

人間の作った金がないと

生きられないのも事実である。

赤ん坊や動物に金をやっても、

見向きもしないのに、人はなぜ金を追うのか。

人間社会では、金は、

物や人との縁結びの神であるからである。

『金欲しや、地獄の沙汰も、金次第』で、

金さえあれば何でもできるからである。

しかし、人生を深く洞察すると、

金で買えないものがあることに気づく。

親も、時代も、若さも、金では買えぬものである。

そう思うと、ふと立ち止まり、

『何のために生きているのか』と迷う時がある。

その時、教え諭し、導いてくれるのは、師である。

安楽は物にあり、安心は心にあり。

安楽な生活をしている金持ちでも、

死の恐怖や、遺産相続で兄弟相争い、

暗い人生を歩いている人も多い。

金がなくとも、幸も不幸も心次第。」

このような言葉から、今回は、

お金で買えないものを考えてみたいと思います。

皆さんにとって、

この問いに対する答えはいろいろあると思いますが、

それを考えるヒントを挙げてみたいと思います。

 

 

 

1つずつ説明します。

 

1 家族の大切さを実感する

佐々木氏のお言葉

「冬の寒い日は、吹雪が隙間から入り込み、

朝起きると、枕元には雪が積もっているほどの、

貧乏な家で育ったが、

母のいる我が家がどれほど良いか、

なにものにも変えがたく、

子供心にも絶対的場所であった。」

 

（当方のコメント）

→ 家族は四六時中一緒にいることが多いので、

一緒にいることが「当たり前」と

思ってしまいがちです。

それでも、もしパートナーがいないとしたら、

親がいないとしたら、子供がいないとしたら、

自分の生活はどうなるか、

このようなことを想像してみると、

今ある幸せを実感できるかもしれません。

 

2 自分の感覚に意識を向ける

佐々木氏のお言葉

「この世に生まれてきて、

二度三度どころか、何度も悩み苦しむ時がある。

詩人の高田敏子さんも、人生

何のために生きるのかと悩み苦しんだ時があった。

うら若き十九歳の春、人生に行き詰まり、

自ら命を絶とうと決心し、恥ずかしくない顔に、

と鏡に向かって化粧を始めた。

ふと、髪を見れば、この前切ったばかりの前髪は、

眉を隠すほどに伸びているのに気がついた。

今、私は命を絶とうとしているのに、

髪はこれを知らずに伸びている。

見れば、爪もまた切ったばかりなのに、

すっかり伸びている。

じっと見ながら、我にかえった高田さんは、

体とは何であろうか。体は自分であろうか。

自分とは何か。体か心か。

自分は死のうと思うのに、体は生きようとしている。

心臓も休みなく動いている。

あぁ、なんと私は弱い人間であったことか、

と死を思いとどまった。

そこから心の詩人となった。」

 

（当方のコメント）

→ このように、

頭が思考でいっぱいになっている時や、

心が忙しすぎるときには、

体で感じる感覚、体感に

意識を向けてみると良いと言われています。

私は先日、

仕事の合間に京都の鞍馬山に行きました。

あまり観光客もなく、山道を歩いていると、

周囲に人がいなく、360度、風の音や鳥の声、

木の葉が重なり合う音、

こうした自然の静寂しかない空間に、

自分がいることに気づきました。

そして同時に、今、自分は、

ノイズがない空間にいるのだなと思い、

安心感や開放感、幸福感に

満たされるのを感じました。

体感も、自分が自分の心と対話するための

大切なフィルターだと思います。

 

3 先人(師)の言葉を見る

佐々木氏のお言葉

「金は人と物の縁結びの神ならば、

心こそ人と宇宙を結ぶ縁結びの神である。

金も心も豊かである方が良く、

使い方次第で善悪となる。。。。

りんごの落下に万有引力を悟ったように、

現在、今の自分が、神仏に生かされていることを

教えてくれるのは師であり、本である。

ゆえに人生は人を求める旅である。

旅には帰るところがある。

第一義的に安心立命の帰るところは、

臍下丹田に鎮座するもう一人の自己の悟りである。」

 

（当方のコメント）

→ 「愚者は経験に学び、賢者は歴史から学ぶ」

といいます。また、

「歴史は繰り返さないが、韻を踏む」

という言葉もあります。

人間というのは、人類の永遠のテーマであり、

この世に人類が存在したのと、同じ位長い間、

人間についての学びが

蓄積されているように思います。

「求めよ。さらば与えられん」

という言葉のように、

自分からアンテナを立て、

積極的に学びに行かないと、

ありがたい言葉も自分の耳を

素通りしてしまうかもしれません。

師を求める姿勢、学ぶ姿勢を

大切にしたいと思います。

 

 

さて、まとめますと、

今回のテーマ「お金よりも価値があること」は、

我々一人一人が考えるテーマです。

これを考えるために、

家族の存在を味わい、

思考ではなく、

体感を大切にし、

そして積極的に師を求める

ことだと思います。

私自身、このような行動をしていこうと思います。

 

 ＊佐々木将人先生 

　
 昭和4年山形県長井市に生まれる。

 苦学の末、中央大学経済学部・同法学部専攻科卒業。

 防衛庁事務官を退職後、
 合気道開祖・植芝盛平翁と出会う。
 武道と人間の修行に打ち込み、合気道師範となる。
 その間、人生の道を求めて滝行、
 坐禅、「一九会」、「稜威会」と修行に励み、
 ついに人生の師・中村天風先生と巡り会い、
 師事する。
 縁あって、山蔭基央先生と結ばれ、
 山蔭神道の神官となり、上福岡西宮宮司を勤める。
 昭和52年フランス政府文化庁に招かれ、
 パリの「人間性回復道場の神道教授として渡仏。
 同60年再渡仏。合気道指導の傍ら、
 武道、茶道、華道など日本民族の
 誇りうる伝統文化と人の道を説く
 「佐々木説法」で全国を奔走。

 

 

今日も最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

 

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