大手との提携による資金調達―経営問答「収益向上せぬまま拡大は危険」１

こんにちは、あなたの心に寄り添う自分軸アドバイザー、ユキーナ ・サントスこと富塚祐子です。

今回は、標記のテーマで、稲盛氏が次のように経営の要諦をお話されています。

稲盛氏のお言葉は「」で引用させていただいています。

 

「質問：経営不振のホテル業です。大手に一部経営権を譲渡し、

資本を注入してもらい、建て替えを行うことの可否についてご教示ください。」

「回答：収益性向上が急務、収益向上せぬまま拡大は危険、まず利益があがる体質にする。」

 

ここでは稲盛氏が、問題点を客観的に分析され、

下記の現状把握に必要なことをお話されています。

 

 

ひとつづつ説明します。

 

1　売り上げ・利益の推移をみる

「身も蓋もないようなことを言いますけれども、

ご自分の考えで事業の展開を図ろうとするのに

大手資本の参画を求めるというのは無謀な判断だと思います。

厳しいことを申し上げますが業績の推移を見ますと

売上は少し伸びていますが 営業利益は全く伸びがありません。

借入金の金利負担が大きいために、経常利益はあまりにも低い状態です。

一方で、償却費は毎年増加してきています。

これだけの償却をしておられますから、利益は大きくなくとも

キャッシュフローが確保されて、借入の返済が進んでいかなければなりません。

しかし現実には逆に借入の方も増えているという状況です。

まず考えなければならないのはこの足元の収益性と

財務状態をどのようにして向上させるかということです。」

 

→台湾のTSMC社は、利益率が50%以上あるそうです。

おそらく早い段階から、このような高収益体質にする

努力が行われていたのではないかと思います。

弊社は、利益率が維持できているかというと、

かつての利益率が維持できていません。

自分の心を見直し、事実をそのまま謙虚に受け止めたいと思います。

 

2　自分の心をみる

「『天は自らを助くるものを助く』という

ことわざがありますけれども、実にその通りなのです。

自分で自立していくという力がありませんと銀行は融資をしてくれません。

自分で雨をしのげる人にだけ 銀行は傘を貸すのです。

大きな計画を実現するため大手資本と提携するというお話なのですが、

実は自分でやっていく力が元々ないために大手資本から

お金を貸し出してもらおうということになっているわけです。

ある程度の規模の売上があって、それが少しずつでも

増えているのに利益は低いどころかいっこうに伸びない、

借入金は増え続けているというのが足元の現実です。

これではこの先行き詰まるのは明らかです。

このような状況をそっちのけにして、何か新しい手を打って

起死回生を図ってみても、決してうまくいかないと思います。

とにかく、自分の内容を自力で良くして行くことがどうしてもまず必要です。」

 

→稲盛氏も、松下幸之助さんも「 思う」ことの大切さをおっしゃっています。

今回の質問者の経営者の方は、直接おっしゃってはいませんが、

ある種の「あきらめ」があったのではないかと思います。

このような思いがありませんと、実際数字で表すのが難しいのだと思います。

自分は思いが足りていないのではないかと、もう一度問い直しています。

 

３　投資・金融機関の意図を理解する

「30年に一度という大きな設備投資の資金を銀行から借りるとします。

そうすると当然、銀行は大手資本の保証を要求してくるはずです。

大手資本としては保証をするというのは自分が銀行から

借り入れをすることと同じ訳ですから、

おそらく経営権は実質的に100%確保しようとするでしょう。。。。

大手資本は最終的に自分の責任となってくるお金を

この事業に注ごうとするわけですから、

非常にクールに行動しなければならないわけです。

資本の論理として、当然自分が投資をしたものを保護する、

守ろうと考えるわけです。」

 

→先日、ある経営者の方が、雇われ社長だった時と、

自ら株式を持ち、オーナー社長になった時では、

責任・決意と自分の意志が違うとおっしゃっていました。

このような体験をすることで、お金を出す側の心理や

立場がよくわかるようになるのだと思います。

他者からの資本注入を考えるときには、

相手の心を理解することはとても大切だと思いました。

 

さて、まとめますと、

 

 

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今日も最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

 

 

 

 

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