こんにちは、あなたの心に寄り添う不動産・投資アドバイザー、ユキーナ ・サントスこと富塚祐子です。

大規模改修をやるべきか?ぼろホテルとメンタルブロック1 の続きです

ホテルなどの装置産業は、時間が経つと設備がどんどん古くなります。そうすると、お客さんも入らなくなり、売り上げが落ちていきます。そこで、改修を思い立つわけです。この設備投資には大きな借金が必要になります。それをするべきかどうか、ある経営者のEさんが稲盛氏のアドバイスを聞きました。Eさんのホテルには、すでに19の借金がありました。大規模改修の費用は5です。

稲盛氏は熟考され、「もし私があなただったら、5も使いません。。。。私ならパッチワークでとことんやります」と答えられました。

その理由は、以下の通りです。

 

1 売上は不確実である(目先の妄想には落とし穴がある)
2 先入観を捨てる(パッチワーク上等)
3 全従業員できれいにしていく(従業員の心が変わるのが一番大切)
4 必要以上に業者をたよらない(業者の数字には裏がある)
5 もてなしの心が一番大切(本質がわからないうちは何をしてもダメ)
6 全員で日々の経費を減らしていく(細かいことの積み上げが一番効く)

 

4 必要以上に業者をたよらない(業者の数字には裏がある)

鹿児島県国分市の妙見温泉の旅館の婿養子さんが、買ったときにはどこにでも転がっていそうな粗末な旅館だったものを、5年間で京都でもあるような素晴らしい数寄屋造りの旅館に仕立て上げられた話が載っています。「。。。露天風呂も地元の農家のおじさんと一緒に作り上げたもので、石ころは下のせせらぎから拾ってきたそうです。例えば旅館の主人がお茶やお花にも趣味があったりすれば、客室の床の間にぽっとお香が焚かれていたりします。入っていくとなんとも感じが良いのですが、お香が焚いてあるだけだから、コストとしてはそれほど違いません。そして床の間の方には、その辺の道端に生えていた薮椿が一輪、生けてあるのです。絵心や趣味のある人なら、コストもかけずに、そういうことができるわけです。ところが、私かあなただったら、お花の先生にお願いして、毎日1本ずつ花を生けていただくということになります。それでも感じは良いのですが、主人に絵心や趣味があるのならば、自分でやることが旅館やホテルのオーナーには必要だと思います。。。。。」

 

→ 私は海外に行った時に、人の家にお世話になったり、招かれたりすることがあります。その時には、少しお花を買い、お庭の緑や、街路樹の枝などをちょっといただいて、お花をいけさせていただくことがあります。

こうしたことが、とても喜ばれることがあります。

こうして生けたお花を見る方が、「どこからこの枝を調達されたのですか?」と尋ねられます。この家のホストの方が、「祐子が外の街路樹から切ってきた」と話すと、大変驚かれます。海外の方には、こうした発想がないので、驚かれたのかもしれません。買わなくても、そこにあるもので、十分に心が豊かになる。このようなことを、お伝えできるだけでも、お花を学んで良かったなと思います。

5 もてなしの心が一番大切(本質がわからないうちは何をしてもダメ)

「設備も大事でしょうが、1番大事なのは、やはり従業員の心です。いちど泊まったお客さんが、従業員の明るい笑顔と素晴らしいもてなしにびっくりされて、また泊まりたいと言われるようなホテルであって欲しいのです。。。。一般に、素人の私どもが建物や設備は全部作れても、経営については、ヒルトンホテルやホテルオークラなどに頼むという、専門の業者の方々に経営をお願いします。しかし、それでは我々がやる意味がないので、ホテル京セラがすべて直営でやっています。ホテルの従業員も私どもの工場の中で「ホテル業をやりたい人、手をあげよ」と募集をした人たちです。レストランもそうです。すべての経営を誰にも頼まないで京セラで行っています。これは無茶と言えば無茶ですが、そうしなければ特長が出せないのです。どこにもない素晴らしいおもてなしの心を持った従業員で経営するということにならないのです。また私の気持ちを少しは理解してくれて、そういう心構えでやってくれているものですから、普通のホテル経営にはない位、素晴らしい業績を上げています。奇跡としか言いようのない位、うまくいっているのです。

→ これは、商売の真髄を、経営者と全従業員が理解するということだと思います。

この商売の真髄は、エネルギーのやりとりと言えるかもしれません。

どのようなエネルギーを自分が持っていて、それをどのようにお客様に伝えていくかだと思います。

自分の心が、感謝など、プラスの思いや意識で満たされ、それをお客様に伝えていく、これが人間の社会のあり方ではないかと思います。

今回、稲盛氏がお話しされましたJAL再生の細かなエピソードも載っています。お客様に接する、CAやパイロットの方が、心を込めたご挨拶をする、これだけで、人の心を動かすことができるのではないかと思います。

6 全員で日々の経費を減らしていく(細かいことの積み上げが一番効く)

「償却前の利益から半分を返済に回し、残りの半分をパッチワークでいいからリニューアルに使うのです。その場合、金融機関からの援助がなければお金が足りないと思います。運転資金その他は必要ですが、もう少し地味なことで切り抜けていくべきではないでしょうか。」

 

→これは全員が、「収益を最大に、経費を最小に」を心がけて、毎日を過ごしていくことで達成されると思います。

さて、まとめますと、大規模改修をする前に、コツコツと小規模なリニューアルを続けることが大切とおっしゃいます。その理由は次の通りです。

1 売上は不確実である(目先の妄想には落とし穴がある)
2 先入観を捨てる(パッチワーク上等)
3 全従業員できれいにしていく(従業員の心が変わるのが一番大切)
4 必要以上に業者をたよらない(業者の数字には裏がある)
5 もてなしの心が一番大切(本質がわからないうちは何をしてもダメ)
6 全員で日々の経費を減らしていく(細かいことの積み上げが一番効く)

潜在意識の働きで考えると、大規模改修案は社長の意識が現れたものです。

社長が、自分自身と向き合うことを避けているわけです。

利益がでないのは・・・
本当は自分自身の経営手腕が悪いのかもしれない。
自分に従業員がついてこないからかもしれない。
あるいは、お客様の本当の心を自分がつかんでいないからかもしれない。

これを考え出すと、自己否定につながります。
槍の矛先を自分に向けるわけです。
これは、多くの人が避けるところです。

だから、外形的なもの、物理的なもの「だけ」が原因だと自分に言い聞かせるわけです。

うちのホテルは売り上げが下がっている。
それは社長である自分の責任ではない。
従業員のあなたたちの責任ではない。
この設備が古いからだ。

このような思いが、潜在意識に浸透すると、改修の方向に意識が向きます。
自分の心と向き合わず、問題の根本原因を外に求めた結果です。

社長のEさんが、ご自身の心と向き合えば、早くに別の方向性が見えていたかもしれません。

自分にとって、ホテル業は何なのか?
そもそもホテル業をやる意味は何なのか?
それは本当に自分がやる必然性があるのか?
会社にとって、従業員にとって、地域にとって、何が1番良いことなのか?

 

このようなことをじっくり考えていくことが、あるいは必要だったのかもしれません。
年始にあたり、すばらしいメッセージをいただいたと思います。皆さんと共有させていただきました。

今日も最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

 

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