こんにちは、
今日も会社経営のお話です。
皆さんもご存じのように、経営の要諦は、収益を最大に、経費を最小にです。
経費を最小に抑える、これは従業員の一人ひとりができる利益の作り出し方だと思います。
一方で収益を最大に、これはどうすれば良いのでしょうか?
極上のセールスマンがいればいい、これも解決策です。
腕の良い、すでに顧客を抱えている営業を引き抜いてくれば良い。これも1つのやり方です。
けれども、立ち上げたばかりの企業、中小企業に優秀な営業マンを引き抜いてくることができるでしょうか?
ひき抜いてきた営業マンが、うちの顧客も引き連れて、他に移ってしまう可能性は無いでしょうか?
経営者なら皆さん、こんな心配があるかと思います。
それならば、とても優秀な営業マンを自社で育てればいい、社長さんはこのように思うはずです。
では、どうやって育てるのか?
その疑問に、京セラの名誉会長の稲盛氏が答えています。
ケーススタディーは、営業マンが失敗して帰ってくるところから始まります。
「」内は稲盛氏の言葉です。
「こら!!と言って突き放すだけではいけないのは当然です。
営業にも、いろいろなタイプがいます。お客様のところから帰ってきて、注文いただけませんでしたと報告してくる。
そういう報告では私は納得しませんでした。。。。そんなときには、お前がどこそこの研究所に尋ねたときのことから報告してみろ、といったものです。
そこの誰々に会いたいと言ったら、留守だったので、その下の誰々に会ってこんな話をした、その人がこういった、と言う具合に、あたかも自分がそこにいたような臨場感ある報告をさせました。
特に雑なタイプの人間にはそうさせました。。。。
そして、向こうさんがそう言ったのだったら、断れたという事では無いではないか。
うちには技術がないと言われて、お前が説明できなかったのが問題なのだ。
研究主任の方なら、製品の価値がわかるはずだから、もう一回、その人を尋ねてみろと、
このように、俺だったらこうする、といった会話をしました。」
さすが稲盛氏です。営業のキモというのがよくわかります。
この営業マンの育て方には、いくつかポイントがあります。
1 自分の先入観を外し、事実を客観的に見るトレーニングをさせる
人は、あらゆる事象を自分のフィルターを通して捉えます。
周りの人の言葉や目に入ってくる情報の全てを、自分の好きなようにとらえます。営業の方が、自分が責められる、自分が人から見下される、と思っていると、この先入観を通して全ての情報をとらえます。自分の目や耳から入ってくる情報を、自分の中でうまく組み合わせ、自分が責められる、相手から見下されるという解釈を作ってしまうのです。
例えば、「〇〇という技術があれば、この製品のこの問題が解決できるのですが…」とお客様から言われたとします。
「自分が責められる」、と思っている人は、
「お前の会社は、〇〇という技術すら持っていないだろう、その技術も持っていないのに、よくうちの会社に来れたな?」
と相手の言った言葉をこのように捉えるのです。
よく見てください、よく聞いてください。相手は一言もそんな事は言ってないのです。
けれども、この営業マンが自社に帰ってきて報告をすると、
「先方は〇〇という技術を持っている、大手としか取引をしませんよ!」となるわけです。
稲盛氏は、この仕組み、メカニズムを知っていました。
社長から、事細かに臨場感を持って報告しろと言われる。
そうすると、営業の方は、お客様の言葉を、一言一句、漏らさず聞こう、という姿勢になります。
これは、客観的に相手の言葉をとらえる訓練になります。
毎日毎日、すごい勢いで、この練習をしていれば、客観的な事実をとらえることができるようになるでしょう。
相手の言葉を素直に捉えること、これができるようになります。
稲盛氏がおっしゃる経営十二箇条の、最後の項目「常に明るく前向きに、夢と希望を抱いて素直な心で」があります。
臨場感をもって報告する癖をつける、これでこの十二番目の項目を実践することができるわけです。
2 相手が本当に困っていることに気づくことができる。
客様がおっしゃることを素直に捉えることができれば、自然と、お客様が何に困っているのかがわかるようになります。
例えば、Aという製品がお客様の強みだとします。
お客様は、そのA製品は素晴らしいとお話をされます。
強みという事は、プライドであり、誇りであり、頼みの綱でもあります。
そうすると、営業担当者としては、お客様から考えるヒントをたくさんいただいてるわけです。
A製品をより強くして盤石なものにするには何が欠けているのだろうか?
A製品を作る上で、「アキレスのかかと」は何なのだろうか?
これがなくなったら、A製品ができない、そういう物質は何だろうか?
これは、お客様の視点にたって考えるということです。
そして稲盛氏は、この営業マンを最高の営業マンにするために、営業のヒントを伝えていたはずです。
〇〇君、君がお客様の**さんだったら、何がなかったら困ると思う?
うーん、B材ですかね?
馬鹿者、B材は既に供給過剰になっとるわ、C材はどこから仕入れていると思う?
確か、中国ですかね?。。。そうするとこの先、供給が安定しなくなる可能性がありますね? 明日もう一回行って、C材はこの先、大丈夫ですかと聞いてきましょうか?
アホか? そんな正面から聞いて教えてくれるわけないやろ!!
では、どうすれば。。。
うちのD材があったやろ、あの耐久性の数字のデータなぁ、あれをもって、先方の課長さんのところに相談に行ってみる、
課長さんの知恵を貸してください、このD材の耐久性はえらくいいんですが、どんなふうにして実用化できますかね、
俺やったらこんな風に聞いてみるわ・・・
あの課長さんはな、数字をしっかり分析してはる、そこに一目置くのや!!
なるほど、社長、これからすぐ明日のアポを取ります。
断られてもな、近くまで来たから言うて、課長さんのとこに寄るんやで!
おそらく、こんな会話が交わされていたのではないかと思います。
稲盛氏と営業担当者は、こんな話をしていたのではないでしょうか?
相手が何に困っているのか、そこを読んで、適切にケアをしていく、それが大切。
そういう姿勢が、商売を長く繁栄させる。
これを身を持って、従業員の方に教えていらっしゃったような気がします。
必ず注文が取れる、営業マンの育て方、大切なヒントをいただきましたありがとうございました。
今日も最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
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