こんにちは、
さて、私の尊敬する弁護士さん、溝渕さんは、毎週毎週、 熱心にメルマガを配信されています。その中で「読書感想文」 という箇所があります。溝渕弁護士が、 ご自身が読まれた本を紹介してくれるコラムです。
また、最近は、読書会と言って、 皆さんである本について語り合ったり、 お互い読んで感想述べたりすることが多いように思います。
そういう私も、京セラ名誉会長の稲盛氏のお言葉を、毎週読んで、 それを感想にして配信しています。
ただ読むだけですと、字面を追っているだけで、 文章の内容が頭に残りません。
「感想を書くのだ」と思いながら読むと、 内容がどんどん自分の中に入ってきます。
この感想文を共有する制度は、とてもためになるなと思います。
そこで私も、遅ればせながらですが、 読書感想文やお勧めの本について、 皆様にお伝えしたいと思います。
このシリーズを、名付けてマイナー読書=「マナ読の勧め」 としたいと思います。
Amazon Primeなどで、コンテンツをご覧になっている方は、 お気づきだと思います。
アマゾンは、検索や購入履歴などから人々の関心事、心の動き、 どのようなことにお金を払っているのか、これを分析しています。 そしてそれをビックデータにしています。
そのビックデータから、 人々の心に刺さるようなビデオや映画を作っているわけです。
そうすると、 このコンテンツは大多数の方の意識を反映したものになります。
Googleなどのインターネット検索では、 検索の上位に出るキーワードという事ですね。
それをもとに、画像や映像が作られて、配信されるわけです。
そうすると、 この検索に上がってこないデータというのは埋もれてしまうわけで す。
時代は古いけれども、人間の本質を言っているもの、
何年たっても読み返してみたいと思うもの
何十年も前に読んだ作品だけれど、とても気になるもの
人々が、このような本に行き着く可能性が低いわけです。
そのような本は、現代では単に、マイナーというだけです。 少しの人しか検索されない=読む価値がない、 ではないのかなと思います。マイナーな本であっても「 読む価値はある」のかもしれないと私は思いました。
そのような、マイナー書に光を当てようというのが、 このマナ読の勧めです。
ちょっと小難しい話になりますが、仏教では末那識(まなしき) という考えがあります。これは自我意識のことです。
この自我意識に目覚めるために、このマナ読がお役に立てば、 そんな意味もあります
SEOに引っかからない、それでも良い著書という意味では、 皆様にお得な情報になるのではないかと思います。
その意味では、このマナ読は「学得」にもなります。
さて、前置きはこのくらいにして、マナ読の第1弾、 1番最初にお伝えしたいのはこれです。
私がアラサーの時に読んだ本です。
これを私に教えてくれたのは、イタリアの教会建築など、 建築関係に詳しい日本の建築士の先生でした。
イタリアの中世の教会を、 スライドで映して受講生たちに見せながら、 こんな話をしてくれました。
「大聖堂という本があって、上中下と3冊あり、 それぞれが分厚くてとても長い物語、それでも先が気になって、 どんどん読んじゃうんだよね。。。。
歯磨きしながらページをめくるくらい、先が気になるんだよね。。 。」
先生はこのようにお話しされました。
そこで、当時イタリアにかぶれていた私は、 早速これを読んでみたわけです。
そしてやっぱり、読み始めたら止まりませんでした。
当時、私は、世田谷区の用賀に住んでいました。 用賀のマンションの、 自分のベッドの中で寝そべって読んでいたのですが、 深夜になるまで、泣きながら読んでいたのを思い出します。
トム・ビルダーという、中世の石工職人がいます。彼が、 自分の次の世代も含めて、 大きな大聖堂を作っていくという話です。
恋愛あり、戦いあり、ロマンスあり、権謀術数あり。。。 でどんどんと話が展開していきます。文章が短く、 アドベンチャードラマを見ているように、 テンポよく展開していきます。
建築の話もかなり細かく書いてあり、海外の建築、 教会などに興味がある方にも、 ご満足いただける作品ではないかと思います。
今は亡き、名司会者で俳優の児玉清さんは、 たくさんの洋書を原書で読まれたそうです。
ある時、雑誌のインタビュー記事でこう書かれていました。
海外を旅行していた時に、空港でこの本を見つけ、 買ったたそうです。あまりにも面白いのでどんどん読んでいき、 目的地までつきます。飛行機を降りて、次の目的地に行くときに、 スーツケースの中に入れるのですが、 先がどうしても気になってまた空港で買ってしまう。 フライトの間中読んで、目的地に着いたらスーツケースに入れる、 でもやっぱり先が気になって空港の出発ロビーで買ってしまう。。 。こうして同じ本を3冊買ってしまった。。。
それがこの、大聖堂だったというわけです。
私がこの大聖堂、全3巻を読破した時、私と仲の良かった友達が、 交通事故に遭いました。病院に入院していたので、 お見舞いにこの本を送りました。
「とても面白くて、すぐに読んでしまった。 生きる活力が湧いてきた!」と話してくれました。その後、 彼女は、同じ病室にいた他の患者さんにも貸してあげたらしく、 病院の中でちょっとした「大聖堂ブーム」 が起こったと話してくれました。
私が、大好きなシーンは、上巻の真ん中位の場面です。
トムの妻、アグネスが、荒野で産気づいて出産します。 十分な食べ物も、設備も何もなく、 彼女はどんどん弱っていきます。「トム、 私のために大聖堂を作ってね。。。」 と言ってアグネスは息を引き取るのです。
20年近く前に読んだ本を、こんなに鮮明に覚えているのは、 よっぽどインパクトが強かったからかなぁ…と思います。
緊急事態宣言も明けて、人々が動き出しました。 久々に外で過ごすのもいいです。ですが、「読書の秋」で、 深い中世の世界に入っていくのも良いかもしれませんね。
大聖堂については、こんなブログも書いています。
外資系で鍛えた、英語読解力を伸ばす方法5つ
今日も最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
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