こんにちは、あなたの心に寄り添う不動産・投資アドバイザー、ユキーナ ・サントスこと富塚祐子です。

RBGという言葉をご存知でしょうか?

アメリカでは、ノトーリアスRBG、悪名高きRBGとして有名になっているようです。

RBGとは、ルース・ベイダー・ギンズバーグさん、この9月18日に亡くなられた、最高齢のアメリカの女性最高裁判事です。

この方の物語は映画にもなりました。

 

この方の人生や活動の中で、下記のポイントになることをお話ししたいと思います。

1、ユダヤ人であること
2、女性のリベラル派の最高裁判事であること
3、ガンを患いながら最後まで現役で執務を続けたこと
4、大衆文化(ポップカルチャー)の露出度が高かったこと
5、女性の地位確立に貢献したこと

 

1 ユダヤ人であること

お父様はウクライナのオデッサ出身のユダヤ系ウクライナ人、お母様はユダヤ系ポーランド移民の子でした。ルースさんは、1933年に、ニューヨークのブルックリンでお生まれになっています。彼女は第二次世界大戦のときには、ブルックリンで幼少期を過ごしていたと思われます。お父様は移民としてこられて苦労はされたでしょうが、ナチスの迫害に合わずに済んだのは1つの幸運だったかもしれません。

ルースさんのお話を聞いていると、ユダヤ人だなと思うところが少しあります。

書籍や雑誌等で書かれているのは、「ユダヤ人は自虐的なところがある(自分をネタにする)」ということです。

私の知り合いのユダヤ人の方は、

「俺はユダヤ人だからとにかくケチでお金のことを気にするんだ・・」などと言ったりしていました。もちろん冗談のような口調で言うのですが…このような表現は、とても興味を引きました。

ルースさんも、「私は85歳の老婆なのに、なぜかみんな私と写真を撮りたがるのよ・・・」と冗談でおっしゃっています。口調は真剣ですが、どこかこうした自虐的な雰囲気があります。

ルースさんは、ハーバードとコロンビアのロースクールを出ました。そして、ニューヨークで職探しを始めるのですが、当時はどこの法律事務所も彼女を雇ってはくれませんでした。女性の弁護士など、ほとんど存在しなかったからだと思います。

ルースさんは、ユダヤ人の弁護士自体が少なかったとおっしゃっています。

ハーバードロースクールの学部長からの推薦状を持って、最高裁判所の中の、いわゆる調査官や書記官的な仕事に応募したけれども断られたそうです。

1960年位ですから、まだまだWASP、白人、アングロサクソン系、プロテスタントの方たちが社会の中の指導的な地位についていた時期ではないでしょうか?そう考えると、ユダヤ系の方たちが台頭してきたのは、この60年位の話なのだと思いました。

2 女性のリベラル派の最高裁判事であること

ご存知の方もいらっしゃると思いますが、最高裁の判事は、約半分が共和党が推薦した判事、残りの半分が民主党系(リベラル派)が推薦した判事となります。どちらが5名になるかはその時の政権政党の影響力が大きいのでしょう。

ルースさんはクリントン元大統領の時にノミネートされました。クリントン大統領も、ヒラリー夫人も、いわゆるリベラル派からの指示を多くえている方達ですから、リベラルの大元に気を使ったのだと思います。ユダヤ人であるルース氏を最高裁判事とすることで、リベラルな司法が実現される、これはある意味リベラル派を後押ししているユダヤ系金融にとって大きなメリットとなるわけです。

さらに、このようなリベラル派が推し進めるのがマイノリティーの保護です。

行き過ぎるほどの保護は逆差別になる場合があります。けれどもアメリカですから、行き過ぎて調整されるということがあまりないのかもしれません。少数派と同様、女性も大きく脚光を浴びました。

3 ガンを患いながら最後まで現役で執務を続けたこと

1999年に発作で倒れてから、大腸がんが見つかります。それから10年の間、手術をしては執務について、という生活だったようです。ちなみに、東洋医学の陰陽五行では、肺と大腸は密接につながっています。寂しさがあると心と体の毒が臓器に現れます。

おそらくルースさんは、世の中から理解されない寂しさ、孤独を体験されていたのかもしれません。

アメリカ人にしては小柄で、大変、痩せている方のようにお見受けしました。手術をしてはプッシュアップやウエイトトレーニングなどで体力をつける、こんな映像がドキュメンタリーや映画で紹介されました。

80歳を超えているのでしょうが、そまでしてストイックに執務を続ける、私はルースさんの固い決意を感じました。

4、大衆文化(ポップカルチャー)の露出度が高まったこと

保守的な意見が強い中で、リベラルの意見を判決に反映させます。

そうすると、世間から批判が上がってきます。ルースさんが下す見解などを細かく見てたのは、ハーバードの女子学生らしいです。ノトーリアスBIG、「悪名高いBIG」というラッパーがいたそうです。これをもじって、ノトーリアスRBGとブログで批判されました。ニューヨークはもともとユダヤ系が多く、リベラルの本拠地です。ですからこのような批判は逆にルースさんの人気に火をつけたようです。彼女自身も、インタビューや番組に出るということが度々あったようです。彼女のイラストや、キャラクターグッズなども販売されるようになりました。

日本だったらこのような事は考え難いですよね。

大統領の選挙のための政治的伏線や、女性の大統領を世の中に送り出すという意図もあったのではないかと思います。

また、こうしたリベラルの中心になっているユダヤ系の金融財閥などが、名だたるメディア企業のオーナー(主要株主)であった、これも注目する事実だと思います。

このような背景も関係したのかもしれません。ルースさんは、女性差別撤廃運動の代名詞のように語られることもあったのではないでしょうか?

5 女性の地位確立に貢献したこと

私は、誰かが書いた伝記やメディア記事よりも、その方の発言がそのまま取り上げられているのYouTube等をなるべく見るようにしました。

メディアでは、ルースさんが男性に対して言った、「その足を私たちの首の上からどかしなさい!(私たちを踏みつけにするのはやめて)」、など注目を引く発言が取り上げられます。

私はどちらかと言うと、このルースさんは、純粋に人間の本質を見ているのかな?という気がします。

(詳細を確かめていないのですが)軍や、国防関連の職務についている女性の人工中絶を認めるかどうか、という事件についてのコメントを求められたときだったと思います。

「中絶を認めるか認めないかではなく、女性に産むか生まないかの自由が与えられること、女性にそれを選ぶ権利があるということ、これが大切」だとおっしゃっていました。

なるほど、この方はある意味、とてもフラットな「ものの見方」ができる方ではないかな?と思いました。

最高裁の女性が何人になったら満足できますか?

という質問がありました。

彼女は、「私の答えは、昔から今まで終始一貫して同じ、9人です」と答えていらっしゃいます。(最高裁判事の定員は9人)

メディアはこれを、女性差別撤廃のプロパガンダのように使っています。広告塔のように、「全て女性で当たり前だろ!」、というニュアンスで使っているのではないかと思います。

けれども、ルースさんのコメントなどを見てみますと、別の意図ではないかなと思います。「・・・そもそも、男性◯人、女性◯人などと、男女で決めること自体がおかしいのである。最高何人か?と聞かれたら、その女性にふさわしい資質があるのであれば、男女関係なく登用する、採用されるのがあるべき姿だろう。それならば、人数の上限よりも、そもそも何人の定員があるかという質問になるだろう。何人の定員なのか?という質問には、私は、9人と答えることになる。」

 

ルースさんのお話を聞いているとこのようなメッセージを感じます。

RBGの記事を、私のコメントをつけて、日本語と英語でツイートしたところ、一晩で400近い記事の露出がありました。改めて、この内容がどれほど世界で着目されているのか?を実感しました。

それはなぜかと言うと、単純に、最高齢の最高裁判事というだけではなく、上記のようないくつにもわたる深い意味合いがあるからだと思います。

このような分析が、アメリカ大統領選挙前に、日本の方がアメリカを見るときに参考になれば幸いです。

今日も最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

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