こんにちは、
今日も、先週に引き続き、心がいかに大切か?というお話を京セラの名誉会長の稲盛氏がされていました。
KDDIがなぜ成功したのかということを繰り返し説明されていました。
KDDIは、京セラが多角化の一環として乗り出した事業です。それが、京セラ本体の売り上げをしのぐほどの売り上げを上げる企業に成長しています。
最近、あるホテル会社様(A社)のことを勉強させていただいています。
こちらの本業はパチンコ店でした。
パチンコ業界自体も斜陽産業だと言われています。
そこで、A社はインバウンドブームもあり、ホテル業界に参入しました。
かなり大規模に全国展開をしたようですが、コロナ禍で資金繰りがとても厳しいという話を聞きます。
A社とKDDIを比べてみますと、多角化を成功させる鍵がわかるように思います。
1 事業の目的が高く崇高であること
2 本業に影響を及ばさない資金で始めること
3 人を育てながら、成長させること
この反対が失敗要因です。
この条件を満たしていないと、失敗は避けられないと思います。
つまり、
1事業の目的が個人や一部のオーナーを満たすものであること、
2多額の他人資本ではじめること
3人を育てず、成長させずに、引き抜いてきた人材のみでやろうとすること
1 事業の目的が高く崇高であること
KDDIの成功について書かれていました。
「ないない」づくしの不利な条件しか持たなかった第二電電が、通信自由化に名乗りを上げた三社中、最も優れた業績を上げ、先頭を走り続け、今や他の競合二社は存続さえしていないのであります。圧倒的に不利な条件をいかに克服することができたのか?
今でも多くの方々が私にその問いを投げかけて参ります。そのような時、私はいつもこう答えています。
「心のあり方の差なのです。我々が成功したのは、純粋な気持ちでこの事業に取り組んだからなのです。KDDIの創業時代から私は、国民のために長距離電話料金を少しでも安くしよう。そのために一生懸命働こうと第二電電の社員に訴え続けて参りました。そのため第二電電の社員全員が国民のために役立つ仕事をするという純粋な志を共有するようになり、心からこの事業の成功を願い、懸命に努力を続けたのであります。
清らかで純粋な思いには素晴らしいパワーが秘められているのです。」
ホテル会社のA社の社長が、どのような意図でホテル事業に参画していったのか、しっかりした資料がありません。
新規投資のほとんどは借入金です。
急激に新しい都市(立地)への出店を繰り返しています。
損失を出す年の翌年には利益が出ており、税金対策を行っているようにも見えます。
このようなことからか考えますと、おそらく、下記のことが言えるのかもしれません。
1) 個人あるいは一部の株主の利益の最大化を図る→
しっかりと内部留保を貯めて、不況や予想外の業界再編に備えるという姿勢が見えないように思います。
2) 現金を保有することに不安がある→上記と同じ理由で、借入金を増やすことにつながっています。
2 本業に影響及ばさない資金で始めること
稲盛氏がKDDIを始める時、京セラの内部留保は1500億あり、その3分の1を使わせて欲しいと稲盛氏取締役会におっしゃったそうです。仮にKDDIが万が一失敗しても、本業に影響を及ばさないこと、損失をカバーできること、これを考えての決意だったのではと思います。
一方A社は、ホテル事業のほとんどを借入金で行っています。ホテル業界で、現金リザーブはどのぐらいあるか?と言いますと、大体2から3ヶ月、多いところで6カ月位ということです。
ここから考えますと、ほとんど借入金で新規投資を行い、2、3ヶ月の現金しか持たない、ということになりますと、コロナが広まった3月から半年ぐらい経過すると、かなり資金繰りが厳しくなってくるのだと思われます。
3 人を育てながら、成長させること
A社の求人情報、従業員への対応を口コミサイトなどで拝見しました。
A社は、従業員には、基本的な手当だけでなくボーナス面からも手当てがあまり充分でなかったような印象を受けます。
「業界のことをわかっていなかった経営陣から厳しい要望があり・・・」というような表現もありました。
これに対して、京セラの稲盛氏の従業員への接し方を考えてみます。
「正社員と派遣労働者が同じ職場で同じ仕事をしていた場合、人心がまとまる事はなく、砂をかむような人間関係になる可能性があります。そういう職場では、決して良い仕事はできないと私は思っています・・・もし日本の若者たちが、いや、もう終身雇用はいらない。われわれは自分で働きたい時に働き、働きたくないときには働かない。そのかわり、会社の労働力が必要なときには我々を使って、不要になったら切ってもらって結構だ」
というドライな生き方を選択するのであれば、終身雇用はなくなるのかもしれません。しかし、非常に人間味の豊かな日本の社会の中では、経営者も従業員もそこまでドライになれないのではないかと私は思います。」
会社は全従業員の物心両面の幸福の追求のために存在する。
大家族主義で経営する。
ベクトルを合わせる。
京セラフィロソフィにはこのような言葉があります。
社長が私のために真剣に身を粉にして働いてくれる、それならば自分も頑張ろう、一生この人についていこう、という気持ちになるのではないでしょうか?
稲盛氏は、中小企業の社長さんたちに、「(従業員を自分に)惚れさせんかい!」という言葉をおっしゃったと以前、目にしました。
これも、相手から惚れてもらおう、というよりも、自分が子供や家族を愛するように、従業員を愛する、これから始まったように思います。自分が相手を愛したので、その結果自分も愛されたのではないかと思います。
さて、まとめますと、新規事業成功には下記の要素が必要になると思います。
1 事業の目的が高く崇高であること
2 本業に影響及ばさない資金で始めること(モノ・カネ)
3 人を育てながら、成長させること(ヒト)
どれもとっても大切です。
けれどもいわゆる経営資源のヒト・モノ・カネよりももっと大切なのは、新規事業をするトップの思い、いかに崇高な心もつか、ということです。
その科学的な根拠は、前回もお話しました。
「人の意識がすべて、相手に伝わるから」、ということです。
綺麗な意識もきたない意識も相手に対して持つ思いです。
本音と建前があったら、本音(心の潜在意識で思うこと)がすべて相手に伝わるのです。だから、潜在意識から相手のためを思うこころでないと、他力が得られないということだと思います。
今日も最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
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