こんにちは、
今日は、恨みと開運についてお話ししたいと思います。
どうして私にこんなことが、私は何も悪くないのに、なんでこんなひどいのに…
リーマン後の経済危機で、ヨーロッパの銀行はたくさん日本からの撤退を決めました。
私も当時、職を失いました。
尊敬する上司と、最高の関係で仕事をしていたのに、それができなくなりました。
そこで、京セラの名誉会長の稲盛氏のコメントを読みました。これは、自動車部品の塗装外車の社長さんが苦労を語ったときに、稲盛氏がコメントしたものです。
Nさんの会社は、メーカーではなくて、塗料メーカーの製品を販売している会社です。しかし塗料という材料をただ売るだけではなく、場合によってはお客様のところに行って、塗料を塗ることもします。また(Nさんの会社は)塗料の資材も販売します。(別の言い方をすると、Nさんは)塗料メーカーの塗料という材料を売るために、ノウハウやサービスを提供して販売しておられるのです。
そうした会社が、日産のリバイバルプランに遭遇します。カルロス・ゴーン社長の要求は、25%のコストダウンという厳しいものです。Nさんは(塗料供給業者として継続して日産と契約するために、)一生懸命努力されます。しかしNさんの会社は、日本油脂とドイツの塗料メーカーが組んだグループに遅れをとってしまって、最終的に月に5億円ほどあった仕事が一瞬にして半分ほどに減ってしまいます。
失ったものが多すぎますから、社員はみんなが泣いて、もうダメだとNさんも思います。そうした時に盛和塾で学ばれて、そこから必死の努力をされます。最終的には我慢に我慢を重ね、日産もN塗料に頼ったほうがいいと思うようになります。
私が美しいと思いますのは、(Nさんが)一言も恨みを言わないことです。本日で日産の仕事が最後という時に、Nさんの会社の社員は最後の1塗り、最後の塗料の一滴にまで、誠心誠意を傾けます。Nさんと、Nさんの会社の社員は次の機会が来るまで力を蓄えて、あらゆる努力をされます。多くの企業が日産のリバイバルプランで、もろくも崩れてしまう中で、重要なサプライヤーになられました。それはあくまで、前向きにやられてきた結果なのです。
私も若い頃、松下電器産業の下請けの協力工場をしていて、毎年毎年、厳しい値下げ要求されました。協力工場の長老とも言える人たちの中には、松下に恨みを言う方もいました。「松下がどんな立派な会社か知らんけど、ひどいことをする。下請けをいじめて、我々の生き血を吸って生きている」というのです。しかしそういう恨み言をいう会社はなくなっていきました。その時に私も辛い思いをしましたが、それによって当社の製造の意欲が生まれ、ひいては競争力を作っていったのです。厳しい世界が自分たちを、さらに高めてくれたのです。
恨みを抱かない、このことの大切さを今真摯に受け止めて噛み締めています。
恨みのエネルギーはマイナスです。
自分が何かを奪われてしまったと思っているエネルギーです。そうすると無意識のうちに、人から何かを奪おうと必死になります。その結果自分が何かを奪われることになります。
前回のリーマンショックから、これに気づくのに、約10年位かかりました。
けれども気づくことができて、良かったと思います。
今日も最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
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