こんにちは、あなたの心に寄り添う不動産・投資アドバイザー、ユキーナ ・サントスこと富塚祐子です。

今日は不動産とその価値の考え方、この先の日本経済の考え方、これをお話ししたいと思います。

都内でも一等地にある、商業ビルの情報が入ってきました。

もちろん、オフマーケットです。

所有者は、観光産業関連の会社です。
仮に、Z社としましょう。

あまり知られてはいないと思います。私もその話を聞いたときは、
あー、あの会社が、あの建物を持っていたのか…と思いました。

日本は、政府が観光立国としてのスローガンを打ち立てました。ウェルカムジャパンのキャンペーンもあり、観光産業は、安泰のように見えました。

コロナの前まで、日本の景気もイケイケドンドンでした。
ですから、景気が良い時に、この会社も投資をしたのだと思います。

去年の終わり頃の話です。
この物件を、海外の投資家が自分達に売ってもらおうと売主と交渉をしたらしいのです。

その交渉の価格も、そこまで高いのか!と思うほど高いものでした。

それでも、Z社は頑として、その要求に応じませんでした。さらにそれよりも高い価格を求めていたと聞いています。

この物件がそんなに安いと思うのか?
最低でも〇〇円の価格を提示するのがふさわしいだろう。
たとえ〇〇円であっても、うるか売らないかは、最終的に自分等が決める

このようなやりとりがあったと聞いています。

そこで、このコロナ騒動が起こりました。

観光、飲食、運輸などの産業がとても苦しい状況になりました。

おそらく、人件費や、固定費などはかなり経営を圧迫しているのかもしれません。

海外からの日本へのビジターを受け入れる、これがしっかり戻るのは、この先数ヶ月、へたしたら1年はかかるかもしれません。

このような状況を考えて、Z社は流動性を高め、会社財務の改善を図ろうとしているのだと思われます。

おそらく、所有者の言い値では誰も買わないと思われます。

さらに、Z社の評判もあります。

とても高飛車
顧客や提携先に傲慢な態度をとっている
マスコミ等でも取り上げられ、問題を起こしている
せっかく交渉しても、土壇場でNoという可能性がある

潜在的な買主は、このような懸念を持つと思います。

私は、30年近く不動産の仕事をしています。

そしていつも、不動産の価値を考えています。

必ずと言っていいほど、このような問題にぶち当たります。

どのような問題かというと、これです。

不動産の価値はとても良いのに、所有者に問題がある。

同時にこのようにも考えます。

不動産には罪はない。
誰が持っていようとも、その良さが発揮されるような使い方をしてあげたい。

不動産に意志があるわけではありません。

けれども、それぞれの不動産には、その立地条件の特徴やポテンシャルがあります。

その不動産を使うことで、人間が得る満足があります。

人間に与えることができる満足を、「効用」と呼びます。

これは、経済の用語です。

効用が、最高度に発揮されるような使用方法があります。

これを、最有効使用といいます。

わかりやすい例で言えば、駅前の繁華街で、人通りも多く、お店が集まっている通りがあったとします。

そこに戸建て住宅が1つあったらどうでしょうか?

住んでる人は落ち着きますか?
心穏やかで過ごせるでしょうか?

駅を利用する人はどうでしょうか?

ここに、食料品が買えるお店があればいいのに…

この駅を利用するたくさんの人が、このように思うのではないでしょうか?

そうすると、駅前の立地で、戸建て住宅という利用方法は、最有効使用では無いのです。

不動産の価値を考えるときは、いつでもこの、最有効使用を考えるようにします。

最有効使用だな、と言えるような使い方をされていれば、その物件の価値は高いと思って良いのではないでしょうか?

最有効使用ができるかどうか、
あるいは今の利用方法方が、最有効使用かどうか

これと

誰が所有者なのか

これは全く別の話です。

けれども、実際は、所有者の特性(誰が所有者か) が問題になって、良い立地の物件が売れなくなることがあります。

不動産のプロとしては、心が痛い状況です。

こんな一等地にある物件なのだから、それなりの使い方をすれば、物件の潜在的価値も何もかも、生きてくるのに。。。

このようなもどかしさがあります。

できることなら、誰が持っていようと関係なく、その物件の良さが最大限に発揮できる、こんな仕組みになればいいなと思います。

日本では、不動産の完全所有権が保障されています。

自分が不動産を持ったら、その不動産をどうしようと、基本的には自分の自由、勝手なのです。

いくらで売ろうと、いくらで買おうと、そしてそれをどのように使おうと、基本的には所有者の自由です。

自由を歌う芸人がいましたね…
あの芸人は、ギターを弾きながら歌っていました。

(ツイッターで動画がありました)

高い言い値を絶対に下げずに、塩漬けにしようと、
その物件を、維持管理もしないで放置しておこうと
最有効使用を発揮することができないやろうなぁという相手に売ろうと。。。

自由だ!!!
ということになります。

 

四六時中、不動産の価値を考えている私としては、なんとももどかしいです。

当面の間は、このようなブログやメルマガで、自分の悲しさを訴えていくしかないのかな…など思っています。

さて、スチュワードシップという考え方があります。

オーナー責任と訳しましょうか?

会社のオーナーとして、その会社が、地域に貢献し、社会の役に立ち、なおかつ持続可能である、こんなものにしよう

そのためにリーダーシップを発揮しよう

きちんと「ものを言う」オーナーになろう

このような考え方です。

この考え方と、不動産の売買の間には、いくつものステップがあるように思います。

けれども、このような考え方も不動産の最有効使用を発揮するには、1つの解決策になるのかな?と思います。

今日も最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

 

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