自由にやらしてくれればいいのに、口ばかりだされて、自由にできない・・・こんなイライラが募ったら、あなたの腹立ち、吐き出してみませんか?あなたのポジティブな愚痴、応援隊、ユキーナ ・サントスこと富塚祐子です。
今日はいわゆる成功への突破口、英語のブレークスルーについて考えてみます。
それは、独創性ではないでしょうか?発想を根本から変えることができるか、これではないかと思います。
尊敬する京セラの名誉会長、稲盛氏は京セラフィロソフィーでこのように話しています。
第10条 常に創造的な仕事をする―今日よりは明日、明日よりは明後日と、常に改良改善を絶え間なく続ける。
創意工夫を重ねる― 現在の自分の能力で、できるできないを判断していては、新しいことなどできるはずがありません。「今はできないものを何としてもやり遂げたい」という強い思いからしか、創造的な事業、創造的な企業が生まれることはないのです。強い思いのもと、日々連綿と重ねる絶えざる創意工夫の道の先にこそ、創造的な事業があり、独創的な企業が存在します。
「第21回盛和塾世界大会(2013年7月18日)」要旨
先日、読んだ中島聡氏の記事を引用します。
https://www.mag2.com/p/news/mag_author/0001323030
「Amazonやテスラに大敗。業界大手が新規参入者に負け続ける理由」
最も分かりやすい例が、書籍販売のDXです。インターネットが誕生した時に、いち早く「書籍をオンラインで販売すること」の価値に気が付いたのがJeff Bezosで、その結果、誕生したのがAmazonでした(厳密には、Jeff Bezosは「最もオンライン販売に適した物品」として最初に書籍を選んだだけですが、ここは書籍に絞って話します)。
Amazonがやったことは、単にオンラインで書籍を注文出来るようにしただけで、ウェブサイトは陳腐なものだったし、その後ろの配送業務も、ほとんど手作業で行なっていました。
この時点で、既存の大手の書店チェーンがオンライン販売に乗り出していたら、Amazonはあっと言う間に倒産していたと思いますが、そうはなりませんでした。彼らは、「オンラインで書籍を買う人はごく一部だ。書籍は自分の手で持ってこそ購入するものだ」と言う考えに囚われていたのだと思います。
その後、Amazonの売り上げが伸び始めて、ようやく彼らもオンライン販売の価値を見出すようになりましたが、そこからの動きはとても遅いものでした。そもそも彼らはデジタル技術が得意ではなかったので、オンラインストアの開発は外の開発会社に委託して作ってもらわなければなりませんでした。「人々はなぜ、オンラインで本を購入するのか」という本質的な部分も分かっていなかったため、ウェブサイトのユーザー体験も、単にAmazonを表面的に真似しただけのものでした。
ようやく彼らがオンラインストアをリリースした時には、Amazon側はそれまでの知見を生かして、はるか先を走っていました。過去に購入した書籍や、同じような書籍を買った人のデータを活用して、オススメの書籍を並べる手法、配送プロセスの自動化、問題が起こった時のカスタマー・サービスの体制など、表からは見えにくい部分で、大きな進化を遂げていたのです。
私は、この頃に、一度だけAmazon以外のウェブサイトから書籍を購入したことがありましたが、惨憺たるものでした。書籍がいつまでも届かないので、電話をかけると、やたらと時間がかかるのです。Amazonと違って、配送が完了したのかどうかを追跡するシステムすら持っていないことは明らかでした。
その後、さらに Amazonは進化を続け、今や世界をまたにかけた流通ネットワークを持っているし、品揃え、値段、配送スピード、配送コスト、顧客サービスなどのあらゆる面で、誰も手が届かないところまで達してしまいました。
つまり既存の書店は、
当初は、従来通りのやり方で十分だと思ってしまったため、出遅れた
途中でDXが必要なことに気が付いたものの、それは表面的でしかなく、「なぜ」という本質の部分はなかなか理解できなかった
得意でない領域での戦いを強いられることになった
社内にエキスパートを持つことが出来ず、外注に頼らざるを得なかった
進化のスピードでも負けていたため、差が開く一方だった
ビジネス書『イノベーションのジレンマ』に書かれている「既存の顧客の方ばかり見て、彼らの要求するものを作り続けた結果、『何か欠けるものがあるけれど、破壊的な価値を提供するもの』を掲げた新参企業に負けてしまうこと」にオンラインストアを当てはめれば、
欠けているもの:本を手に持って選べるという体験
破壊的な価値:品揃えが豊富で、家から一歩も出ずに買える
となります。重要なことは、既存の書店がオンラインストアの破壊的な価値に気が付いたとしても、彼らには、なかなか本質は理解できないし、得意でない戦いを強いられるため、負けが決まっているのです。
同様なことが、2000年代の後半に携帯電話業界に起こりました。iPhoneが誕生した時、既存の携帯電話メーカーの人たちは、ボタンがない電話機など使い物にならない、あんなものは作ろうと思えばいつでも作れると否定的でしたが、結局、軒並み淘汰されてしまいました。
2020年の現在、全く同様なことが自動車業界で起こりつつあります。自動車業界では、何年も前から、これからはCASEの時代だと騒いでいます。
- C:Connectivity(ネットへの接続)
- A:Autonomous(自動運転)
- S:Shared Economy(所有せずに、必要に応じて使う時代)
- E:Electric(電気自動車)
にも関わらず、既存メーカーの動きは非常に遅いのです。
GMは、EV1という時代を先取りした電気自動車を1996年に発売しましたが、これはあくまでカリフォルニア州の厳しい規制(ZEV:Zero Emission Vehicle)に対処するものではなく、ロビー活動によりその規制を封じ込めると、さっさと市場から撤退してしまいました(2003年)。
日産は、(話題のゴーン氏の肝いりで)リーフという電気自動車をいち早く発売し(2010年)、一時は、世界で最も売れている電気自動車でした(すでに40万台を出荷しました)。しかし、なかなか利益を生み出さないという理由からその後の積極的な投資が出来ず、今や市場での存在感を失くしつつあります。
トヨタ自動車も、一時はTeslaに出資し、電気自動車を発表しましたが(2010年のRAV4 EV)、全く本気でやる気はなく、すぐにTeslaとの提携も解消してしまいました。Toyotaは最近になって、ようやく電気自動車に本気になり始めたように見えますが、未だに「電動化(ハイブリッドを含む)」などという中途半端な言葉を使っている状況で、フルコミットは出来ていません。
そんな中で、結局、世界の電気自動車業界をリードする立場になったのは、新規参入のTeslaでした。「なぜ電気自動車なのか」「なぜ自動運転が重要なのか」という本質を理解している創業者がCEOをしているため、物作りの姿勢が根本的に違うのです。
私自身もTeslaを所有してようやく理解できましたが、Teslaは「電気で動く自動車」ではなく、「駆動能力を持ったコンピュータ」なのです。これは、ガラケーが「ブラウザ機能を搭載した携帯電話」だったのに対して、iPhoneが「携帯電話の機能を持ったコンピュータ」であったのと同じで、設計思想から違うのです。
私は、長年、自動車メーカーの人たちと仕事をしてきましたが、この「Teslaは設計思想から根本的に違う」という部分がどうしても通じないのでとても苦労しました。結果として、未だに、縦割りの組織でものを作っているし、ソフトウェアの開発は仕様書だけ書いて下請けに丸投げしています。
既存の自動車会社がTeslaと肩を並べるには、
別会社を作って、外から連れてきたソフトウェアが分かる人間をトップに置く
潤沢な開発資金とリソースだけ提供し、口は出さずに自由にものを作らせる
その会社のライバルはTeslaではなく、ガソリン車・ディーゼル車であることを明確にする
既存のディーラーネットワークを使わずに、直販させる
自動運転車を使ったカー・シェアリング・ビジネスも本気で作らせる
親会社からの天下りは一切しない
ぐらいの荒療治が必要だと思います。
ここまで引用
文中大切なところは赤でハイライトさせていただきました。
これを私の関与する不動産業に置き換えてみたいと思います。
家や事務所がコンピューター機能をもっている
ではなくて、
居住の快適性・安全性や仕事効率性を発揮できる空間をもったコンピューター
ということになります。
確かにこう考えると自動車の発想と同じで、どういうインプットが必要で、どのようなアウトプットが必要かが、おぼろげながらわかってきます。
二酸化炭素量や、採光量、耐震性など物理的な指標だけではなく、いわゆる人間が幸福や快適をもとめる指標、アルファー波の状態やアドレナリンの分泌量など?の測定と環境の因果関係が必要になります。
さらには、これをどうやって管理するのか?これも注目する要素になると思います。
これを実現するには、途方もなく大変な作業ではないかと思いますが、これからは不動産が動産、うごく財産のように扱われる時代も、そう遠くないのではないかという気もします。
このフィロソフィーの常に独創的な仕事をする、ということは、このように事象の根本を考えて、既存のやり方とは全く違うアプローチをする、ということではないかと思いました。
今日も最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
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