正直者が馬鹿を見る、そんな世の中おかしいでしょ? そう思うあなた、世の中の矛盾、お話してスッキリしませんか?あなたのオピニオンサポーター、ユキーナ ・サントスです。

職場の嫌なこと、話してみると、目からウロコの事実が見えてくるかもしれません

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きれいごとは言っていられない、半聖半俗 (半俗半聖)の話をしました。

不正と不祥事と考え方 半聖半俗1

ゴーンのスキャンダルが起きてから、ずっと考えていました。

日産の社員は、ゴーンを恨んでいるだろうな。。。と

新しい製品や、販売計画、販路拡大、業務提携など、事業を拡大する動きをたくさんしていたはずです。

けれども今回のスキャンダルで、企業イメージが崩れ、損害が出るでしょう。これを補填するため、様々な判断が下されます。

新規事業、業務拡大は180度方向転換して、縮小モードになる訳です。今までこれだけ一生懸命やってきたのに。。。こんなことですべて水の泡か! いい加減にして!

やり場のない怒りを持っている方もいると思います。

私が外資系で働いていた時、欧州経済危機で、会社の撤退がありました。上司とはとてもいい関係を築いていました。尊敬する上司のもとでのびのびと、能力を発揮して働いていたのです。

自分は日本で一番幸せなサラリーマンではないかと思っていました。けれどもそれは長く続きませんでした。

I want to work with you as long as possible

私はあなたと出来るだけ長く働きたい!
会社の人員削減や縮小がアナウンスされた時、悲しみで上司にこう告げました。

We have never done bad things, but how come we have to suffer that much!

何も悪いことしていないのに、どうしてこんな目に会わなきゃいけないの?

上司にこの不条理さを切々と伝えました。

We can’t change our world.
我々だけでは、世界の流れを変えることができないんだよ

当時の上司は淡々と私にこういいました。

私は泣く泣く、この会社を去る決意をしました。上司が、今ならば最大限のことをしてあげられると言ったからです。

私は、こんなに簡単に日本を撤退すると決意した人たちを許せなかった。そして金が儲かれば何をしてもいいという、彼らの判断基準も許せなかった。瞬間風速を最大にして(一瞬でも大きな利益を上げて)さっさと逃げていこうとする欧米のマインドがたまらなく嫌でした。

けれども、今にしてわかるのは、こうした不幸は、全て自分が招いていたということです。

半聖半俗、これを考えると善良であること、100%優良企業である事は考えられないのです。外資系企業には日本企業にはないメリットがありました。

能力に応じた、きちんとした評価もありました。こうした素晴らしさを享受したならば、その裏にあるリスクを合わせて取る、この「清濁を合わせ飲む」ということが、必要になるのです。

私はこれを理解しませんでした。そしていいとこ取りだけをしようと思っていたのです。

さらに私には驕りがありました。

これまで真剣に努力したのだから、いい思いをするのは当たり前、あんた達と私は違うんだから! こんな自負がありました。。。

私は何も悪くないと思っていても、実際には、不幸の種は自分でせっせと作っていたのです。

さて、ではここに来て、ゴーンと日産ですが、おそらく同じことが言えるのでしょう。 社員の方にしてみれば、恨みつらみは、山のようにあるでしょう。けれども、ゴーンがもたらしたたくさんの恩恵も受けていい思いもあったのでしょう。そして自分を顧みた時に、自分には驕りなどこれっぽっちもないと言えるのか、どうでしょうか? 自分自身のピュアなところとブラックなところ、これを合わせて認めるかどうか、これが根底にあると思います。

そして、最低のCEOだと、最低の会社だと思っても、それでもその中の聖なるものを見たとき、この会社とゴーンを許すことが出来るのだと思います。

私が沖縄に移って、今も沖縄に住んでいるのは、世界で1番だと思う「合気道」があるからです。5年前の私には、沖縄に移るなどという考えは、少しもありませんでした。

けれども、ブラジルの会社を手伝うということが、私を沖縄に連れてきた直接の菊理になりました。このブラジルの会社がなかったら、私は沖縄に来る事はなかったでしょう。そして当然ながらこちらの合気道を知ることもなかったのです。

この合気道のお稽古に出ていると、いつもたくさんの気づきがあります。自分がその時、考えて悩んでいる事について、思いがけずに、解決のためのいいヒントをもらうことがあります。

このブラジルの会社は国の経済に大きな影響及ぼすほどの、汚職のスキャンダルがありました。

日本でもブラジルでも、信じられないような汚職の話を聞きました。この会社がどんなすばらしいことを言おうとも、リアリティーがまるでなく、ただただそこにいる自分が不幸の塊のように思えました。

けれどもこの最低の会社がなければ、この会社が存在しなければ、またこの会社が私を必要としなければ、沖縄に来て人生を変えるような出会いができなかったのです。

 

巨大なブラック企業で、人間の欲と悪が渦巻いてるような会社ですが、そこがなければ、素晴らしい出会いがなかったわけです。

このブラジルの会社を心の底から愛することはできませんが、憎む気持ち、恨む気持ちがあるかというとそうではなく、私の人生にとても必要で、自分がこの運命を呼んだのだなと思うのです。

今日も最後まで読んでいただき、ありがとうございました。