こんにちは、
今回は、稲盛氏が人を育てるというタイトルでお話をされています。
中小企業の場合、最初から有能な人、経験豊富で能力のある人はいません。だから、平凡な能力を持つ従業員を、リーダーとなれるように育てていく、これが大切だとおっしゃっています。 (平凡強化)
もう一つは、中途で優秀な人を雇った場合、いかに良いパフォーマンスを発揮してもらうか、これについてもお話をされています。(性根入れ替え)
また稲盛氏は、次のような人生の方程式をいつも話されます。
人生と仕事の結果 = 能力×熱意×考え方
人を育てるということを、この方程式に照らして考えてみます。
最初の平凡強化のパターンは、考え方は良いけれども、熱意と能力が弱い、このような従業員の育て方です。基本となる考え方は素晴らしいので、能力と熱意を上げていこう、このようなお考えではないかと思います。
2番目の「性根入れ替え」は逆です。能力と熱意はあるけれども、考え方が間違っている人のパターンです。ほとんどは、エリートの方ではないでしょうか?エリートの方は、自己中心的になりがちです。この方のエゴの部分をなくし、仲間のために尽くす、本当のリーダーになるための考え方を身に着けていただきます。その考え方はどうすれば身に付くのか、稲盛氏はこれをお話をされています。誤解を恐れずに言うと、「根性(性根)を叩きなおす」ことではないかと思います。
これを稲盛氏はこのようにお話されています。
「潜在的な能力を秘めている社内の人材に対しては、トップ自身がその部下を率いて修羅場を経験させ、現場で厳しく指導することを通じ、非凡な人材へと育てていく一方、外部から登用した抜きん出た才覚の持ち主に対しては、その性格をコントロールする人間性を、フィロソフィーを通じて身に付けさせていく。」
2つのパターンに分けてお話をします。
まず最初はパターン1 平凡強化です。
考え方は間違っていないが、平凡な能力と熱意しか持たない従業員を、どう鍛えるかということです。
極限の力
稲盛氏はこのようにお話されています。
「『お前は敵が撃ってくる弾が怖いために、こっちに逃げてこようとしている。逃げてきてみろ。俺は機関銃を持ってきて、後からお前を撃ってやる。どうせ後に逃げてきても死ぬんだから、死ぬ位の気迫で前へ進め!・・・』
そのように厳しい言葉を投げかけたわけですが、それくらい自らを追い込んで仕事をしなければ、困難な局面を打開できません。自分の殻を破り、成長することができません。もう後がないという絶壁に立たされた時に初めて、人は真価を発揮するものです。」
→極限に追い込まれると、潜在意識の力が出てきます。そして、今まで眠っていた自分の中の遺伝子にスイッチが入るわけです。自分の身を守るという防衛本能が働きます。その人間が潜在意識で強く望んでいる力を発揮することができるのです。
これは心理学などでも言われていることです。稲盛氏はこれを知っていて、相手を追い込むことを敢えてなさったのだと思います。
次にパターン2 (性根入れ替え) です。
固定観念をむしり取る
「中途入社の中には、いわゆる一流大学を卒業した人、また中央官庁や一流企業に勤めていた人がいました。そういう人こそ、たくさんの不要な固定観念をまとっているのですが、それを全てむしりとっていくということなのです。
その様は、例えば大変下品な表現ではありますが、あたかも寒い冬に着込んでいる外套から上着、ついには下着まで全て脱がしていくようなものです。相手は必死に抵抗し、自分の衣服、つまり固定観念を離そうとしません。それでも、まとった固定観念を全てむしりとってしまうのです。そして装飾をむしり取って裸になってしまえば、なんと貧相な自分であるかということに気づきます。学歴や職歴など、人間はいろいろな虚飾をまとって、なんとか格好つけていますが、そんなものを全て引きはがしてしまうと、本当にみすぼらしい自分がいることに気づくのです。
ありのままの自分というものをさらけ出してから、私がいつも解いている考え方、フィロソフィーというものを改めて身に付けてもらわなければならないと思って教育していきました。つまり、人間として何が正しいのか、という判断基準のもと、「謙虚にしておごらず」、「素直な心を持つ」、「感謝の気持ちを持つ」といった人間として基本的な価値観を身に付けることを通じて才覚ある人材に自らの人間性を高めてもらうということをやりました。外部の才覚ある人材を登用すると同時に、徹底的に教育し、その人間性を高めていくように努めていただきたいと思います。この徹底的な教育の中には、フィロソフィーを伝え、フィロソフィーを学んでいくということも絶対条件です。」
→ これが「えせインテリ」の根性の鍛え方、だと思いました。私は、自分が「えせインテリ」だと自覚しています。稲盛氏がおっしゃるように、固定観念でガチガチに固まっています。それでも、魂を磨き、人間として正しいことをしたい、と思います。そのために毎日毎日をど真剣に生きていこうと思っています。それは・・・
どんな些細なことでも、謙虚にとらえ、
物事の本質は何かを見極め、
それが世のため人のためになるのか、を考え、
宇宙に流れる愛と誠と調和をみつけ、これに感謝し、
素直な心で反省し、
誰にも負けない努力を積むこと、
だと思っています。
私の目の前に現れる、私が不快に感じる人は、すべて私を映し出す鏡です。
稲盛氏がおっしゃるように、なんとみすぼらしい自分がいるかと思います。
日々反省し、心を高める努力をしていきたいと思います。
京セラがこれほどの大企業になり、また稲盛氏がKDDIを立ち上げ、JALの再生を達成されたのは、内部に優秀な人材がいらっしゃったからです。それは、稲盛氏の分身です。分身を作るには、熱意と能力と考え方の三つを高める以外にありません。稲盛氏はご自身が率先してその三つを高めながら、部下の三つの分野の資質を高めていかれたのだと思います。
今日も最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
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