これはいきなり英語にしろって言われても、本当に嫌になる…辞書を引いてもわからないし…と頭を悩ますあなた、英語のいらつき、きれいさっぱりなくしませんか? あなたのためのポータブルディクショナリー、ユキーナ ・サントスです。

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今日は、国際ビジネスのコツについてちょっと考えてみたいと思います。

それは、究極のところこれではないかと思います。外国人と働いて、信頼を得る経験をすること、これではないかと思います。

 

最近の私の経験から、お話ししますね。

最近、ある財閥の一族のいわゆる家憲を勉強させていただく機会に恵まれました。

アメリカから著名なアイビーリーグの大学のMBAで教鞭をとっていらっしゃる教授が日本に来ることになりました。彼らは日本の長寿企業の家憲を研究されていらっしゃいます。特に日本の名だたる財閥の家憲は大変興味を持って研究されておられます。

その中の1つにこのようなフレーズがありました。

浮利を戒める

さて、この場合の「浮利」ですが、漢字で書いていただくとニュアンスがよくわかります。きちんとした経済活動に根ざしたものではなく、浮わついたといいますか、その根拠が甚だしっかりしていないような利益、こんな意味合いだと私は捉えました。

そしてこの商家の一族は、特にこの浮いた利益を厳しく戒めているのです。これを追い求めるようなビジネスをしてはいけない。生活の中で、この浮ついたような利益を求めるマインドを持ってはいけない、私はこのように捉えました。

さてこの浮利はどのように英語に訳すかですが、この家憲の研究をしている日本人の方は、かつてこのファミリーの中ではこのように訳していた、と教えてくれました。

Easy gain

なるほど、簡単な利益、という意味ではニュアンスが伝わるかもしれません。ちなみにGoogleの翻訳で日本語のほうにこの単語を入れると英語ではこのように出てきました。

Buoy

海にふわふわと漂っている「浮き」のイメージですね。

確かに、日本人が考えた訳としてイメージはわかります。あーなるほど日本人ならばこのような英訳をするだろうな、ということがわかります。

ただこれを外国人に発したときにぴんときてもらえるか?という意味ではどうかなと思うのです。

私ならばこの単語を使います。

Speculative 

投機的なという意味で使われています。

かつて、ドイツの銀行で働いていた時に、私の上司はイギリス人でした。この上司とよくその時のマーケットの状況や、投資家の意図などを英語で話し合うことがありました。

今はバブルだから、多少市場価値から高くても、1年すればもっと高く売れる、こんな意図をもって市場に参入し、この物件を購入しようと思う投資家がいる。この投資家の意図をこの上司はこの単語を使って表したのです。

その時に私も実体験としてこのspeculative の使い方を学びました。私たちの立ち位置は銀行だったので、もちろんキャピタルゲインは取りません。ですから我々のスタンスでは、投機的な行為、投機的な意識というのはどちらかというとタブー視されていましたですからこのような意図を持って不動産の購入をする人はあまり良い投資家とは見られなかったわけです。

その意味でも、浮利を戒める、ということにつながるのではないかと思います。

確かにこのspeculative な行動は、短時間にがばっと儲かることもありますが、同時に短期間にがばっと損をすることもあります。今売り抜けなければいけない、あるいは自分が最後のババを引くことにはなりたくない、このような意図が働くため、どうしても判断に無理が入ることもあります。

このようなspeculation に振り回されていたら、長期的に継続した事業経営などが難しかったと思います。そういう意味で、日本の長寿企業がこの浮利を強く戒めたというのは、深い配慮に立ったものだと思うのです。

さて視点をちょっとうつしてみると、家憲でこの浮利という単語を見たときに、その英訳としてspeculation が浮かんでくるかどうか、これは大切な要素ではないかと思います。私が仮に日本で生まれ育ち、海外に留学して英語を学んだとしても、この単語はすぐには出てこなかったと思います。留学という経験だけを持って、その後ずっと日本でサラリーマン生活をしていたならば、この単語の生きた使い方を知る事はなかったでしょう。

毎日毎日、外国人の上司と電話で会話をし、その上司の英語をよく聞いて文章を起こし、また電話で上司の言うことを聞いて、それをもとに英語を作っていく、このようなトレーニングをしたので、生きた英語の使い方が身に付いたのだと思います。もちろんそれであっても、私の英語はネイティブということではなく、まだまだ改良しなければいけないと思っています。けれども、外国人と一緒に働くということがとても大切だと私は強調したいのです。

本当のグローバル人材を求めるのであれば、外国の企業で、外国人と共に働く、その中で信頼を勝ち得る、このような経験を最も重視するべきだと私は考えるのです。

この内容は、また別の機会にお話ししたいと思います。

今日も最後まで読んでいただき、ありがとうございました。