あー、うちの親は当分引退したがらないなぁ…とため息をつく跡継ぎのあなた、あなたの悩みが解決するかもしれません、バトンハンドサポーター、ユキーナ ・サントスです。

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今日は、イタリアのファミリービジネススタディーツアーで学んだことを皆さんと共有したいと思います。

それは、現社長が、早く引退したくなる仕組みです。

この仕組みの特徴は大きく分けて2つです。

1オーナーはオーナーシップに徹しており、オーナーの持ち株会社、いわゆるホールディングスの運営に専念していること。

2、ホールディングス会社の社長は、10から15年位で早く次世代に社長の座を引き渡していること

この2つが大きな特徴だと思います。

特に、ホールディングス会社の社長を10年から15年位で引き継ぐ、という教訓にはこのツアーの参加者の方もとても驚いていたようです。私もそれを聞いて「なるほどな」と思いました。何が「なるほど」かというと、このような仕組みを作れば、事業承継が早く進むということです。

すべては、事業会社と持ち株会社を分けている、これに尽きるのです。

事業会社と言うのは、そのビジネスを最初から立ち上げ、成長させ、永遠に成長させていかなければいけません。成長が必要になる、というところはホールディング会社も同じですが、事業会社と持ち株会社とでは、その目的とプロセスが違うのです。

持ち株会社のミッションは、成長性と安定性、持続可能性にありますので、その時代に置いて最先端の感性を取り入れた人が指揮を取る必要があります。同時にこれはとても責任が重いのです。失敗をしたら一族から非難されるでしょう、それなので皆さん10年から15年単位で次世代に引き継ぎたいと思うわけです。仕組みとして、元会長が早く引退したくなるような仕組みなわけです。イタリアのファミリービジネスオーナーが経験したように、事業会社の仕組みだけではなく、ビジネス戦略コンサル会社での経験、投資銀行業務のような経験が必要になります。それは、持ち株会社のリーダーとして、ポートフォリオマネジメントの力が必要になるからです。

一方、事業会社は数字と成長性です。いち早く結果を出し、高成長を示さなければいけません。

私が、持ち株会社の社長であったら、自分の任期を早く終えていち早くこの責任を次の世代に引き継ぎたいと思います。何故かと言うと、この任務は責任が重すぎだからです。今いるファミリーも、今後成長してくるファミリーも全員を満足いくまで食べさせていかなければいけません。そして世界的な恐慌や戦争があったとしても、一定の財産を確保できるように、ポートフォリオを作っておかないといけないのです。その一方で事業会社の社長にプレッシャーとハッパをかけます。そして一つ一つの事業の成長をチェックしていくわけです。それと同時にどこか1つの事業会社が反乱を起こすのではないか?ポートフォリオ全体に悪影響及ぼすのではないか?ということをチェックして事業会社を売ったり買ったりしていくわけです。

 

これには相当のスキルを要求されます。少しでも失敗したら一族から一生避難されるなと思うわけです。そうすると、世界の景気が少しでも上向いているうちに、なるべく財産を増やして、次の世代に引き継ぎたいと思うのが当然の心理だと思うのです。このような仕組みにしておけば、創業者であるオーナーが、社長としていつまでも居座り、次世代への交代を拒むということが少なくなると思います。このような仕組みにしておけば、社長が進んで次の世代に自分の席を譲る、こんな仕組みが出来上がると思います。

では、一方で事業外車の社長はどうなのでしょうか?事業外車の社長は、自分が永遠にそこに座る、ということをするのでしょうか?

もともと、ファミリーを含んだ取締役から選定されているのがこの事業会社の社長です。ですから、純粋にその人の能力いかんではないでしょうか?けれどもオーナーがファミリーですから、中長期的な視点を持っています。これまで、そのCEOが十分な利益をファミリーにもたらしてくれて、この先もそれが期待できるということであれば、このCEOの在籍期間はとても長くなると思います。けれども、1度会社の評判に傷をつけたり、株価を大幅に落としたりすると、あっさり首を斬られてしまうこともあるでしょう。

 

ここでは、オーナーとCEOとの力関係の管理もとても大切になります。この力関係を、英語ではバーゲニングパワーといいます。いかにバーゲニングパワーを強く持つか、これも持ち株会社のトップの役割です。

このような違いはなかなかピンとこないと思います。例えば、外資系などで働いた経験があり、海外のビジネス実務を肌で感じることがあれば、わかってくる話かと思います。

日本にいると、実感としてピンとこないのですが、ちょっと視点を変えて考えてみると、楽になることもあるかもしれません。

今日も最後まで読んでいただき、ありがとうございました。