こんにちは、あなたの心に寄り添う自分軸アドバイザー、ユキーナ ・サントスこと富塚祐子です。

今日は、宮本輝、「錦繍」、今回、ご紹介させていただきます。

先週末から数日、沖縄を離れました。

内地で見た紅葉が美しく、この本を思い出しました。

窓の外には、錦織り成すような、紅葉が美しく広がっている。

ある山奥のロープウェーに乗ったときの話です。

母親と幼い息子がのっていました。

そのゴンドラに男が乗ってきます。

やつれて、焦燥し切って、疲れ果てているその男…

その人は、ゴンドラに乗っている女性(男の子の母親)の離婚した元夫でした。

 

二人はこうして再会します。

女性は、男性の住所を突き止めて、手紙を書きます。

こうして、かつて夫婦だった二人が文通を始めます。

錦繍は、手紙のやり取り文で構成されています。

今ならばメールやメッセンジャーなど便利なツールがあります。

しかし、昔は電話と紙ベースの手紙しかありませんでした。

この手紙を通じて、男女が、自分たちが別れることになった、そのいきさつ、

心の動きを書いていきます。

ここで着目したいのが、この男性の人生です。

有名大学を出て、一流会社に勤め、社長令嬢を妻にもらいました。

 

次期社長と期待され、現社長(義父)からも好かれ、将来が約束されているようなものでした。

全てが順風満帆であったはずなのに、クラブのホステスと浮気をし、心中事件を起こすのです。

 

ここから、妻と別れ、住居も持たず、借金取りに追われ、転々と放浪していきます。

女性に拾われ、面倒を見てもらうこともあった、と彼は書きます。

 

これはかなり昔の話ですが、なぜか現代にも当てはまるような気がします。

私のメルマガを読んでいただいてる方は、優秀な大学を出て、一流企業にお勤めになられている方が多いのではないかと思います。

 

そのような方には、大変ショックな話で、できることならば聞きたくない、

と思われるような内容かもしれません。

 

けれども、これからの時代の流れを表しているかもしれませんので、

あえてお伝えさせていただきます。

もう、ほとんどの方が、終身雇用は保証されない、

大企業のブランドなどあてにはならない、

とご理解されているのではないでしょうか。

 

それでも、行動ができない、それには多くの理由があります。

自分が培ったもの、努力して得た地位、それが不動だ!!

こう信じたい、その思い(意思)、

これは我々の行動をとめる、一つの理由でもあります。

執着があると、人は行動ができなくなります。

簡単な事実にも気づかなくなります。

 

弊社のビジネスパートナーであった方のお話をさせていただきます。

その方は、日本の中でも超がつく一流大学を出られています。

その後一流企業に入り、こうした企業の海外支社で着々と出世をされた方です。

 

大変、優秀な方で、私よりも、はるかに英語はよくできるでしょう。

 

けれども、私は意を決して、この方に、この先のプロジェクトをお手伝いいただくことをお断りいたしました。

弊社が関わらせていただいている、不動産投資プロジェクトです。

理由は、この方の「心」と「考え方」です。

大変素晴らしいキャリアをお持ちの方ですので、無意識のうちに、

日本で仕事をしている方々を見下して、馬鹿にしてしまうのです。

 

本人にはそのつもりはないのかもしれません。

 

けれども、言葉や言動の端々に、この方の意識が現れます。

「どうせあいつらは、後からいろいろ言われて面倒くせぇから、今のうちにこっちにきめさせよう、としている」

「これだから日本の会社はダメなんだ。」

「こんな奴らのいう事は、はいはいっ、て話半分に聞いて、適当にやっておけばいいんだ」

 

このような発言がありました。

私も何度も軌道修正を試みました。

ですが、限界を感じました。

というか、私がこの方の発言に対して、激しい嫌悪感を感じるようになりました。

そして、ご協力をお断りさせていただくことにしました。

自分は一生懸命がんばって、これまで勉強してきた。

苦労もしてきた、努力もしてきた。

それが評価されないのは絶対におかしい。

自分はもっと評価されてしかるべきだ。

人の上に立つのは、本当は自分なのだ。

自分は損はしない、

損をする、愚かな人間には絶対にならない

なんとなく、このような思いが見て取れます。

 

私自身も自分が「えせインテリ」だと自覚があるので、この方の考えが手に取るようにわかるのです。

 

そして、しみじみ思います。

私は、「奪い合う、地獄のスパイラル」から抜け出せてよかった。

私は、「喜びと、循環を与える世界」に軌道修正ができてよかった。

 

今はこのように考えます。

「錦繍」の主人公の方は、申し分ないエリートでした。

それが、借金取りに追われ、着の身着のままになって、まともな仕事もつけない、

人生のどん底に落ちていくわけです。

 

この主人公が経験してるのも、まさに地獄でしょう。

 

そこで、ある女性に巡り会い、その女性からさとされます。

「あんたにはしっかりした仕事がないといかん」

この女性と出会うことで、主人公の男性が少しずつ変わっていきます。

そして、いわゆる「ドサ回りの営業」をもう一度、始めてみるのです。

毎日毎日を精一杯生き、生きる喜びを感じる、このような表現が、作品の終わりのほうに見られます。

 

過去のメルマガでも書きましたが、昭和の初期の親は、自分達の子供に「豊かさ」をあげたいと思っていました。

 

そして、学歴や教養で豊かさが買えると思っていました。

 

それはある意味間違ってはいなかったのです。

 

けれども、「宇宙の理(ことわり)」からは、かけ離れた考えなのでしょう。

 

世界の流れはとても速いです。

50年近く経つと、かつて自分が得た学歴と教養が活かせなくなるのです。

 

築いた学歴と知識ではなくて、人間力が問われます。

 

人間としてどうあるべきか、これが問われていくのだと思います。

 

階級を作り、おごり高ぶる人間、答えと形と執着で、身動きができなくなる人間、

これは自然に淘汰される時代になっていると思います。

 

こちらの「錦繍」は、まさにその先、何十年か後に起こる出来事を、

予測していたような本かもしれません。

 

順調で、完璧だった人生が、ガラガラと崩れていく。

けれども、人間として本当に重要なことに気づいていく・・・

 

これは男性にとっても、女性にとっても同じです。

 

令和の時代に、変化を求められるのは、

変わることができない、「インテリ」層なのかもしれません。

 

今日も最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

 

ユキーナ・サントス(富塚祐子)の自己紹介はこちら

不動産・投資・国際経済情報をお伝えしています、弊社メルマガお申込みはこちら

経営者・管理職・グローバルビジネスパーソンを目指す方に、経営の要諦・日本のビジネスフィロソフィを日英でお伝えしています。フィロソフィメルマガお申込みはこちら

女性のキャリア・恋愛・婚活・潜在意識など女性のお役立ち情報をタイムリーに伝えます。「UMIで幸せに!女性のお悩みスッキリ解決メルマガ」のお申込みはこちら

まずはお気軽にお問い合わせください。 カウンセリング はこちら