反復・褒める・潜在意識―フィロソフィ「ベクトルを合わせる」

こんにちは、あなたの心に寄り添う自分軸アドバイザー、ユキーナ ・サントスこと富塚祐子です。

今回は、標記のタイトルで稲盛氏が次のようにお話されています。

「 人間にはそれぞれさまざまな考え方があります。もし社員一人一人が

バラバラな考え方に従って行動したらどうなるでしょうか。

それぞれの人の力の方向（ベクトル）がそろわなければ力は分散してしまい、

会社全体としての力とはなりません。このことは、野球やサッカーなどの

団体競技を見ればよくわかります。全員が勝利に向かって心を一つにしているチームと、

各人が「個人タイトル」という目標にしか

向いていないチームとでは、力の差は歴然としています。

全員の力が同じ方向に結集したとき、何倍もの力となって驚くような

成果を生み出します。１＋１が５にも１０にもなるのです。」

このベクトルを合わせるときのヒントは次の３つではないかと思います。

ひとつづつ説明します。

1 潜在意識に落とし込まれるまで、繰り返し伝える

「 そのように違った個性、考え方を持った人たちが集まって一つの会社を形作り、

経営していくわけですから、『京セラはこういう考え方で経営し、

こういう方向を目指して行きます』ということを従業員に訴え、

その方針に同調してもらうこと、それが私にとって一番難しいことでした。

私は機会があるたびに、従業員に対して『うちの会社は、こういう方向に向かって、

こんなやり方をしようと考えているのだ。いいか、よくわかってくれ』、

『人間として、こういう考え方をすべきだと思う』というようなことを語りかけました。

目を生き生きさせて、『そうだ』とうなずいてくれる従業員がいるかと思えば、

『何を言っているのだ』という顔をする従業員もいました。

例えば、十人を集めて話した場合、横を向いている従業員が三人もいれば、

私はその三人が『社長、あなたの言うとおりだ』と相づちを打ってくれまで、

必死で話しかけました。」

経営12箇条の第3番目は、「強烈な願望を心に抱く」です。

これは、潜在意識に透徹するほど強烈な願望を抱くということです。

人間の潜在意識は、変化を嫌います。変わらなくても、

ずっとこのままで良いではないか、変わることで、変なストレスを感じるよりも、

ずっとこのままでいたほうが楽だ、このような楽な道を潜在意識は選びます。

ですから人は、無意識のうちに、慣れ親しんだこれまでのやり方、

自分の中に出来上がったマニュアルに従います。

けれどもそれでは、進歩発展はありません。

ですから、スタッフの潜在意識に浸透するように、毎日毎日繰り返し、

魂を込めて言葉を発することが必要になるのだと思います。

スタッフさんの潜在意識が変わっていけば、行動が変わってきます。

行動が変わると、現実がどんどん変わってきます。

2 長所を褒める

先日、JALの藤田特別理事のお話を聞かせていただきました。

フィロソフィーを浸透させ、ベクトルを合わせるには、1番の 繰り返し伝える ことと、

スタッフさんの 長所も併せて褒める こと、これらが大切だと伺いました。

宇宙の法則では、お互いが同じ気持ちを抱いているといいます。

経営者は、スタッフさんに対して「これだけ一生懸命説明しているのに、

どうして自分のことをわかってくれないのだろう」と思います。

スタッフさんは、一方、同じように、「自分はこれだけ一生懸命頑張っているのに、

どうして上司は自分のことを、わかってくれないのだろう」と思っているのです。

ですから、スタッフさんの良いところを見つけて褒めてあげれば、

スタッフさんの中の思いが、「わかってくれない」から、「わかってくれた」に

変わります。

スタッフさんが「わかってくれた」と実感できれば、

「それなら、上司のいうことを聞いてみよう、従ってみよう」という気持ちに

なるかもしれません。　まずはスタッフの長所をそのままほめる、

これも大切だと思いました。

3 メンタルブロックの解消

稲盛氏はこのようにおっしゃいます。

「 なかなかわかってくれない従業員に限って、

「そんなことは最初から分っていますよ」　というような顔をします。

自分の意見、考えと食い違い過ぎるものだから、私の話なんか聞きたくないわけです。

私は、いくら頭がよくて優秀な人でも、ベクトルの合わない人には

辞めてもらうことにしたのです。つまり少ない集団の中に、たとえ一人でも

ベクトルの合わない人がいると、他の人は『ああ、無理にベクトルを

合わせなくてもいいのだな、それでも会社にいられるのだ』となってしまいますから、

私は従業員のベクトルを合わせることに、非常に注意を払ってきました。」

稲盛氏の教えは、宇宙の法理法則と重なる、とても基本的なものです。

ですから、我々の心が素直になれば、そのまま受け入れられるものだと思います。

けれども、これまで何十年も生きてきた中で、身に付いた思い込みや思い癖は

なかなか取れません。

このような思い込み、思い癖がある人は、世の中の全ての事象を素直な目で

見ることができません。

その時に、効果が高いのがブロック解消です。

過去の未消化な感情を自分が感じ切るということで、自分の思い込みや思い癖が

少しずつ緩んでいきます。

そうすると、これまで周囲から自分に注がれてきた愛情や思いやりに

気づくことができます。このブロック解消が、人の心を素直にするのに

とても役立ちます。

まとめますと、ベクトルを合わせる事はとても大変です。

ですが、潜在意識に浸透するまで繰り返し伝え、相手の長所を認めながら話しかけ、

同時にブロックの解消も併せて行うと、必ず人の心が開けてくるのだと思います。

そのためには、リーダー自身も自分の心のケアを忘れずに行っていくことが

大切になります。自分を謙虚に反省して顧みて、みんなのベクトルを

合わせたいと思います。

 

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今日も最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

 

 

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