こんにちは、あなたの心に寄り添う自分軸アドバイザー、ユキーナ ・サントスこと富塚祐子です。

今回は京セラの名誉会長、稲盛氏がAVX買収の経緯から、「愛と誠と調和」、誠(男性性)と調和(女性性)が愛で結ばれることをお話していました。

愛と誠と調和については下記に、再度、示しておきます。

以下、京セラフィロソフィの文言と、私の解釈を付け加えました。

「愛」とは他人の喜びを自分の喜びとする心であり

→これが性交の根源です。

「誠」とは世のため人のためになることを思う心

→ これは男性性の本質=究極の利他の心、わが身を犠牲にする心です。

「調和」とは自分だけでなく、周りの人々みんなが常に幸せにいきることを願う心

→ これは女性性の本質=相手と和して自分の使命を全うする「合気」と「受け身」の心です。

 

M&Aにあたって、この「愛」(=結合)、相手と一つになるための要諦は下記です。

1 相手の見えない部分に光をあてる

2 宇宙の視点をもつ

3 相手の気を読む

4 プラスの意識で行う

5 数字の裏にいる「人」をみる

6 相手の意識を読む

7 必要性の王道を解く

8  自我をなくして受け身を取る

9  生み出すことがMAの本質

 

今日は6-9を説明します

 

6 相手の意識を読む

 

稲盛氏の即答の後に、バトラー会長がプラス 2ドル乗せて、32ドルでどうかと交渉しています。稲盛氏はこれにも即答しました。・・・

「仮に、この32ドルという値段であれば、株主総会を開いて、京セラとの合併について、すべての株主から承認をもらう自信があるのかと(私がバトラー会長に)尋ねると、「直ちに臨時株主総会を開いて、32ドルで合併決議を行います。自信は十分にあります」と言ったので私も日本に飛んで帰りました。」

 

→ おそらく相手に、喜びの意識や、安堵の意識があったのだと思います。この意識を気配で感じたので、稲盛氏は合併に向けての最終的なアクセルを踏まれたのだと思います。

 

7 必要性の王道を解く 

 

当初、京セラの弁護士が、法務省に(自己株式保有の相談に)行ったときには、(法務省は)「決して認められない」の一点張りでした。その後、稲盛氏が、弁護士にこのようにアドバイスをします。「なぜ京セラがこの株式交換にこだわるのか、その理由をしっかりと説明しなさい。日本とアメリカの相互関係を良くするために、この方法が現時点ではベストだと思っている。国際関係を悪化させないために現行の法律の中でどのような解釈が良いのか、アドバイスもらうようにしなさい。」稲盛氏はこのような趣旨のことを弁護士におっしゃいました。

 

弁護士の方で両国の意図を最大限に汲み取り、京セラがここまで株式交換にこだわる理由は日本としての立場、国際友好関係を築くためだと切々と解いたわけです。

「これまで、自己株保有は禁じていましたので、海外であってもやはり認められません。しかし、もし、この子会社に少しでも他人資本が入っていれば認めましょう。ただし、いつまでもその子会社が株を持っているということでは困ります。AVXとの株式交換が終了した後は、直ちにその子会社がなくなるということであれば、この方法を認める事は可能です」という結論を、法務省が出してくれました。これにより、日本国内における問題をクリアすることができたのです。

 

→ ここでも、物事の本質を見極める、勇気を持ってことに当たる、誠心誠意対応する、成功するまであきらめない、ということがいかに大切かを肌で感じます。人間として何が正しいのか、日本人として何をしなければいけないのか、この意識が相手に伝わったのだと思います。

 

また説明する側でも、しっかりと正論を伝えれば、たとえ法務省といえども、理解をしてくれるはずだという思いがあったと思います。「どうせこんなことを言っても、役所の人間は頭が固いから、絶対に理解しないだろう」、などという思いは少しもなかったのではないかと思います。交渉事で一番大切なのは、相手の気持ちや心配を理解し、そこに寄り添い、相手がイエスと言いやすくする、これではないかと思います。

8 自我をなくして受け身を取る

 

株式の交換比率は、表面的に考えると、京セラの方が不利な交換比率が提供されました。それでも稲盛氏は事前に注意深く計算をされていたので、バトラー会長の立場になり、その不利な率を引き受けました。
「アメリカの株主の方々には大変喜んでいただいています。バトラー会長も、もちろん喜んでいます。同時に、京セラとの合併を決意してくれたバトラー会長に対するアメリカの株主の評価が大変高まっており、証券会社の人たちからは、「あなたはネゴシエーターとしては世界一だ」と褒められているそうです。

 

→ 今回のやりとりを拝見して、一番素晴らしかったネゴシエーターは、稲盛氏だという事は明らかです。けれどもご自身のことは出さず、いかに調和をもたらすことができるのか、これを考えて行動されるということが、最も尊い利他業だと思います。

 

9 生み出すことがMAの本質 

「今回のように何百億円という大きな取引になりますと、少し損をするだけでも大変な金額になるわけですから、そもそも、失敗しないように、として、弁護士を集めて一生懸命調査をされると思います。売る側も売る側で、もちろん同じような行動をとります。売る側と買う側のどちらにとっても、お互いに大変重要な案件ですから、自分のメリット・デメリットをギリギリまで考えて激烈なネゴシエーションを行っていくわけです。・・・相手のことを調べだしたらキリがないわけです。ですから、どちらも許容できるところを見つけて妥協するのですが、その結果、必ず感情的なしこりが残ります。合併が目的ではなく、合併した後に共同作業で素晴らしい業績を上げていくことこそが真の(M&Aの)目的のはずです。ところが、合併した時点で既にどちらも疲れ果てており、人間関係も壊れかけていますから、その後にうまくいかなくなる。これが一般的によくあるケースです。。。。私は劇的な交渉をして、かなり損をしたように話しましたが、向こうが喜ぶ事は、実は私の喜びにつながるのです。証券会社の人たちが、バトラー会長は素晴らしいネゴシエーターだと褒めていますが、私はバトラー会長に「そうではないんですよ。あの判断は私の哲学に基づくものなのです。実際にはあなたは私の手のひらの上で踊っていただけで、私があなたの会社にメリットが多くなるようにしてあげただけなのです。そうすることが、京セラにとっては一見損したように見えるけれども、そちらの株主や従業員の皆さんが喜んでくれたことで、今後の京セラに良いことが必ず返ってくるのです。これは東洋的な哲学というだけではなく、世界共通の法則だと思います。だからあなた方が大変喜んでいることを私も嬉しく思います、と言いました。オーナーの彼自身がハッピーだと思っていれば、従業員にもその気持ちが伝わり、自然と同じ気持ちになります。ですから、従業員も私に対して素晴らしい感情を持ってくれたわけです。何か話をするにしても、全部スムーズに行きます。組織や運営の問題、人間関係などもたいていはうまくいかないものです。しかし京セラは現在、海外での企業統治において一つの揉め事がなく、大変スムーズに行っています。

 

今日、申し上げたかったのは、国際的なM&Aにおいては、方法論ではなく、必ず「思いやり・優しさ」をベースに考えていただきたいということです。中村天風さんの言葉で、『相手を動かしていく元になるのは、人が喜ぶことをしてあげることです、人に対して思いやるということなのです』というような意味のものがあります。頭を使って戦略を練る元になるのが「思いやり・優しさ」なのです。そのようなものを伴ったときには、どのような困難があろうとも仕事は思う通り、うまくいくと天風さんも言っておられます。」

 

→最近、私の友達が、中村天風さんの本を読まれたそうです。

この方は、大変感銘を受けて、天風さんの言葉を素直に実践に移しています。ですから彼女には、次から次へと良いことが起こっています。それは1番最初に、受け入れる素直な心が彼女にあったからだと思います。私もこの頭素直な心をいつも持ちようにしたいと思っています。

 

さて、愛と誠と調和の心をベースに考えた、M&Aの成功の要諦は下記です。

1 相手の見えない部分に光をあてる

2 宇宙の視点をもつ

3 相手の気を読む

4 プラスの意識で行う

5 数字の裏にいる「人」をみる

6 相手の意識を読む

7 必要性の王道を解く

8  自我をなくして受け身を取る

9  生み出すことがMAの本質

 

この中でも本当に大切なのは、M&Aの本質です。ことなる二つの存在が、一つの命を生み出す、ここに必要なことは、男性性(利他)と女性性(受け身・和を生み出す心)です。これ以外の要素は、まったくもって本質ではないと思います。

 

利己主義、個人主義を貫き、MA前に疲れ果て、疑心暗鬼で共同生活を送る、これが一番不幸なつながりかもしれません。男女にしても、結婚前からすべての資産や家族関係を疑いを持ってこと細かく調べ、妥協と疑心で生活を始めるカップルがいるとしたら、新しいものを作り出すことは不可能だと思います。

 

宇宙に流れているものは、会社であっても人間であってもすべて同じ、ということを改めて考えさせられました。

 

今日も最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

 

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