子供を後継者にしたくない、家業は自分の代で終わりで良い、その気持ちわかる…とお考えになったオーナーの方、これまでのお悩みをきれいさっぱり吐き出してみませんか?心に寄り添うカウンセラー、ユキーナ ・サントスです。   家業の悩みや苦しみに押しつぶされそうになったら、相談してみませんか? カウンセリングやってます!

今日は、同族企業が続かない仕組みについて皆さんと考えてみたいと思います。

それは、創業者の思いを、その後子供が、自分のこの世の使命として引き継いで実現することが難しい、これに尽きるのだと思います。さらにその背景にあるのは、「親子であっても魂が違う、ましてやこの世のミッションは同じであるはずがない」、これにいち早く気づくかどうかということだと思います。

具体例でお話ししますね。
11月の16日に、ファミリービジネスアドバイザー協会の記念講演を拝聴しました。その中では、日経トップリーダー編集長の北方雅人様の講演がありました。

北方氏は私の尊敬する京セラ名誉会長の稲盛氏のコンパのノウハウなどもインタビューを通じて本にされています。

稲盛流コンパ
https://books.google.com/books/about/%E9%9B%BB%E5%AD%90%E6%9B%B8%E7%B1%8D%E3%81%AE%E5%88%B6%E4%BD%9C%E3%81%A8%E8%B2%A9%E5%A3%B2.html?id=eaxSDwAAQBAJ

またビジネスで成功された方の子育てのノウハウなども本にされています。
絶対肯定の子育て
https://honto.jp/netstore/pd-book_27108906.html

今回の講演では、ファミリービジネスの失敗の法則について、お話をいただきました。こちらの北方様は経営が立ち行かなくなって存続できなかったファミリービジネス、同族企業などの取材を多くされています。今回はその知見を共有していただきました。

その中で印象的だったことは経営がうまくいかなくなってしまった企業は、何がうまくいかなかったのか、どうすれば生き延びることができたのか、これは分かっていた、ということです。

では、どうしてそこについてフォローができなかったのでしょうか?こうすれば生き延びることができる、それがわかっていたとしても、そこまでやりきることができなかった。それは何故なのでしょうか?私はこのような素朴な疑問を持ちました。

北方編集長のお答えはとても明確(クリア)です。

そこまでやり切っていく気力がなかった。創業者は自分のビジネスに対してものすごい熱量がある。けれども2代目3代目、後継者になるとその熱量が創業者とは違うので、困難なところを乗り越えてそれでもやっていこうという気力にかける、熱量にかけた、やりきることができなかった

このようなお話がありました。

なるほどなと思うのです。

 

私は日ごろから、宇宙の法則やエネルギーについて考えています。何かのビジネスを起こし、事業を発展させ、それを軌道に乗せて、世のため人のために何か結果を残し、社会の進歩発展に貢献していく、これは並大抵のことではありません。そこには自分のライフワークとして取り組むというコミットメント、集中力が必要になると思います。

余談になりますが、自分の実際のエネルギーと労力、特に時間をあるものにかかりきりにする、これが本来のコミットcommit という英単語の使い方です。

創業者には、情熱があり、持てるだけの自分のエネルギー、時間や思い、労力を自分の事業にかけることができますが、2代目3代目になると創業者ほどの熱量がなくなるのです。

それはその人、その人が持って生まれてくる使命、この世の役割が違うからということだと思います。最近、私はよく考えるのですが、論語は人間の真実を伝えていると思います。

「吾、十五にして学に志す。三十にして立つ。四十にして惑わず。五十にして天命を知る。六十にして耳順う。七十にして心の欲する所に従えども、のりをこえず。」

この四十、五十を見てみるとその通りではないかと思います。30には一人前になりますが、自分が何のために生まれてきたのか、人生は何なのか、自分が本当にやりたいことは何なのか、これが未だに明らかになっていません。それが40位になってこの方向ではないかということがわかってくるわけです。その方向に突き進んでいくと50になった時そうか世のため人のためにこういうことをしていこうという目標ができ、迷いがなくなるとおっしゃっているのだと思います。創業者はこのようにして事業を大きくして行かれたと思いますが、2代目3代目にはこれがないのです。というか2代目3代目の迷いがなくなる対象、天命が違うのだと思います。

それであるならば、後継者が20代30代、あるいは40代であるときに、これまで培った豊富な資金力や、人的資源、ノウハウなどを生かして、その後継者の天命に合ったビジネスを展開するのが良いのではないか?

北方氏はこのように語っていらっしゃいました。30年から40年ごとに、イノベーションを起こしベンチャーを立ち上げていく、これがファミリービジネスの最大の強みではないか?このようにもおっしゃっていました。私もその通りだと思います。

 

親と子であっても、その魂は全然違います。DNAを受け継いでいたとしても、生まれてくる魂が違うのであり、その魂が解決する課題も違い、この世で成し遂げる使命も違うわけです。私はこれを理解するのに、約40から50年かかっています。論語で解いているように、迷わなくなる、天命を知るようになる、これには一定の期間、年月が必要なのだと思います。

さて話の内容がいろいろになってしまいましたが、ファミリービジネスが存続するには、息子や孫のそれぞれの天命に従ったビジネスを行っていくこと、親が早くにこれに気づくこと、ではないかと思います。

今回はこの貴重な学びをいただきました。ありがとうございました。

 

今日も最後まで読んでいただき、ありがとうございました。